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J1広島絶好調!得失点から見る今季戦術

2018 4/25 12:19奏希01
J1,広島,サポーター,応援
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独走状態を築けるか

序盤ということもあるため、「ロシアワールドカップを直前に控えているため日本代表に名を連ねるのは誰か」と言った事や浦和の監督解任が話題になり、順位にあまりフォーカスされていないJリーグ。改めて順位を確認するとサンフレッチェ広島が早くも2位FC東京と勝ち点差9でほぼ独走状態。ここまで9試合で8勝1分と、昨シーズン降格圏ギリギリだったのがウソのようだ。

第10節で広島が2位FC東京に勝利することができれば、いよいよ今季の広島は手が付けられなくなる。

得失点差から見た広島

広島について面白いデータがある。それは第9節を終わっての得失点差に関してだが、8勝1分という抜群の成績を残しているにもかかわらず得失点差でプラス10しかない。J2は1試合多く試合数を消化しているが首位の大分トリニータが得失点差プラス10という状態だ。しかし大分トリニータの勝敗を見てみると6勝3分1敗である。

更に紐解くと得点12失点2と堅守を築いているのに対し、攻撃陣は試合平均1.33点。これは、2010年から2017年までのJ1クラブの1試合平均得点1.35を下回る。現段階で12得点以上取っているチームは広島を含め7チームあり、初めてJ1に昇格したV・ファーレン長崎も12得点を挙げている。

1試合平均1.33点、失点0.22点。平均すると1-0というスコアに終わることが多いことが分かる。実際、9試合を終えて最終的なスコアが1-0という試合は5試合と半分以上もある。その他は2-1、0-0、3-1、2-0といずれも僅差といってもいい試合内容だ。

《関連データ》Jリーグの試合で得点が決まる時間帯をデータで分析

見どころは後半

全12得点中9点が後半であることも注目だ。2010-2017年のJ1の時間帯別得点内訳を見ると後半得点率は60.27%。広島は75%と約15%も上回っている。このデータからは今季の広島は前半で粘り強く相手の動きを見極め、的確につくという戦術をとっていることがうかがえる。

じわりじわりと相手への有利を築き勝利に結びつけるというサッカーを展開しているのだ。

また、失点を喫した2試合はいずれも前半0-1で後半に逆転をしている。前半のミスを後半に取り戻すタフさと勝負強さも併せ持っている。

今Jリーグで広島を圧倒できるほどの勢いを持つチームは存在しない。好調のFC東京を撃破し完全な独走状態を築けるか。