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【J1第9節ピックアップ】神奈川&大阪ダービーは対照的な熱戦に

2018 4/23 16:47跳ねる柑橘
サッカーボール
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神奈川ダービーは前半だけで7ゴールの大熱戦

J1第9節が4月21日(土)、22日(日)に行われた。日産スタジアムでは横浜Fマリノスと湘南ベルマーレによる注目の一戦、神奈川ダービーが行われた。

ボールを支配する横浜とカウンター狙いの湘南の試合は、前半に7ゴールが生まれる大乱打戦となった。前半8分にはサイドからのカウンターを仕掛けた湘南が先制し、FWステバノヴィッチが左サイドから放ったクロスにCB中澤がヘディングで反応。
だが、ボールはゴールマウスに吸い込まれオウンゴールとなった。

いきなり失点した横浜だが、その後もボールを支配する。前半27分、FWヴィエイラの巧みな切り返しから、相手DFの股を抜く技ありシュートを決め同点に追いつく。
だがそのわずか1分後、飛び出しクリアしたGK飯倉のボールに反応したMF菊池が、無人のゴールへとロングシュートし、再びリードを奪った。

この試合のハイライトは、なんといっても4ゴールが生まれた前半終盤だ。
41分に湘南が細かなパスでつなぎ、最後は裏に抜け出したステバノヴィッチ。湘南らしいパスワークとカウンターで、リードを2点に広げる。

ところが44分、ヴィエイラの個人技が光り横浜が反撃。
エリア内でFWユン・イルロクからのパスを受けると、CB大野をスクリーンにしてゴール右隅に流し込む。さらにその直後、左サイドからのクロスをゴール内で受けると、DF3人に囲まれるも正確なコントロールから技ありシュートを決めた。
この1分間で2ゴールをあげハットトリックを達成したヴィエイラは、得点ランキングのトップに躍り出た。

しかしこれで終わらず、前半ロスタイムには湘南のカウンターが再び炸裂。一気にゴール前へ運ぶと、松田とイ・ジョンヒョプが繋がりステバノヴィッチへボールをわたす。ここでダイレクトシュートし、2ゴール目を決めたのだ。

後半は、12分にデゲネクがコーナーキックからヘディングを叩き込んだ1ゴールのみ。その結果4-4となり、そのまま神奈川ダービーはドロー決着となった。
エースに得点能力がある横浜と、カウンタースタイルが爆発した湘南。対戦結果は両者痛み分けとなり、両チームとも勝ち点は9止まり。その後14位、15位と転落している。

大阪ダービーは猛攻を耐えたガンバが勝利!若手の活躍で最下位脱出

今節J1ではもうひとつのダービーマッチが行われた。ホーム吹田スタジアムに、セレッソ大阪を迎えた最下位ガンバ大阪の大阪ダービーだ。

リーグ戦4連勝のセレッソと、ここまでわずか1勝の最下位ガンバ。対照的な両者のマッチアップだが、ダービーマッチは成績とは関係ないため、絶対に負けられない。
セレッソは、前線の柿谷と杉本の2トップがチャンスメークし、ガンバゴールを脅かす。
一方ガンバはFWの藤本と倉田らがサイドから展開し、チーム得点王のFWファン・ウィジョが得点を狙う形で試合が進められた。

セレッソ優勢で進んだ前半12分、アクシデントがガンバを襲う。
セレッソGKキム・ジンヒョンがロングフィードを送ると、ガンバの日本代表GK東口とCB三浦が味方同士で交錯。なおもセレッソがこぼれ球から攻め込むが、東口のスーパーセーブでピンチをしのいだ。

しかし、この交錯で東口が右頬を骨折する大ケガを負ってしまったため、前半16分に若手GK林と交代することに。
果敢にセービングを見せ、J1屈指のセレッソ攻撃陣にゴールを割らせない林。普段はJ3のガンバ大阪U-23で戦う林にとっては、これがJ1のデビュー戦となった。

前半終了直前の41分にPKを獲得したガンバ。これをファン・ウィジョが決め、ガンバが先制する。
東口の負傷もあり、アディショナルタイムは5分。だがセレッソに同点ゴールは生まれず、前半は1-0となった。

試合後半は、両チーム互角の展開だった。
シュート18本とスタッツでガンバを大きく上回っていたセレッソと、柿谷・杉本の連携を中心とし林の守りでゴールを試みる(ガンバゴール攻略)ものの1点が遠いガンバ。
シュート数が多いセレッソだったが、結果は1-0で敗戦。これで連勝は4でストップし、順位も5位に後退した。

一方のガンバはリーグ戦2勝目をあげて最下位を脱出。神戸に敗れ6連敗となった名古屋が、最下位転落となった。
ACL敗退に続きリーグ連勝もストップしたセレッソ。次節の仙台戦で停滞ムードを吹き飛ばせるだろうか。

また、東口の負傷が痛手になりそうなガンバだが、林ら若手の活躍は大きな収穫と言えるだろう。なにより大阪ダービーでの勝利は、チームを勢いづける最大の起爆剤となる。
次節は横浜と乱打戦を繰り広げた湘南との一戦だが、ここからリーグ戦の巻き返しを見せられるだろうか。