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【J1第6節ピックアップ】監督交代した浦和レッズと鹿島アントラーズの若手安部裕葵の才能!

2018 4/9 11:51奏希01
サッカー,スタジアム
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浦和レッズ大槻暫定監督初陣で今季初勝利

4月7日、Jリーグ第6節が行われた。監督が交代したばかりの浦和レッズの対戦相手は、大得意のベガルタ仙台。両チームの直近5試合の対戦は浦和が全勝と仙台を圧倒している。さらに仙台は昨シーズン0-7というクラブワースト失点を味わった。

しかし、今シーズンの仙台は第5節終了段階で3勝2分けと好調を維持している。好対照の2チームの対戦は「相性」がものをいうのか「勢い」が勝るのかという見どころの多い一戦だった。

試合は開始早々動いた。仙台戦でゴールを量産している興梠が、開始5分に先制点を挙げ、新監督に待望の先制点をプレゼントした。だが、徐々に仙台ペースに変わっていき、前半の中盤あたりからは仙台がゲームコントロールをしていた。

浦和は、ボールポゼッションはあるものの自陣でボールを回す時間が多くなり、仙台の躍動感あふれるプレーについていくのがやっとだった。

後半に入るとさらにそれが顕著となる。後半21分、24分には立て続けにゴールを脅かされ、失点してもおかしくないという状況だった。それでも何とか虎の子の1点を守り抜き今季初勝利を手にした。

浦和にとって結果を求める重要な一戦だったため、勝利をものにしたと言うのはとてつもなく大きいことなのだが、このような試合内容が続けばたとえ勝っていようとサポーターから不満が出ることは間違いない。一つ一つのプレーの精度を上げ、かつての「常勝軍団」を取り戻して初めて、この監督交代劇が成功といえるのだ。最低限ができた今、シーズンの勢いそのままに勝ち点を積み重ねることができるだろうか。

鹿島アントラーズ安部裕葵のプレー

アジアチャンピオンズリーグでは早々にグループリーグ突破を果たした鹿島アントラーズだが、Jリーグでは勝ち点を重ねることができずに苦戦を強いられている。

第6節の湘南ベルマーレ戦で終始攻め続けていたものの、最後の最後に湘南の山根にゴールをこじ開けられて1-2で敗北した。

この試合では途中出場した19歳の安部裕葵が光を放った。後半24分に交代した安部はファーストタッチでタッチラインすれすれのボールを、柔らかいトラップで残し縦に攻めあがった。

中の人数が整っていないことを確認すると、無理に自ら仕掛けるということはせず味方の上りをうかがい、一度中に切れ込むと見せかけて右サイドに走りこんだ金崎にボールを渡した。ここにはシンプルなようで相手を引き付ける技術が凝縮されていた。中に入ると見せかけて外、縦に行くと見せかけて中に切れ込む。こういった攻撃のバリエーションは、相手にとって見たら守りづらく、地味ではあるが怖いプレーヤーであることを見せつけた。

得点に至らなかったため見逃されてしまうプレーではあるが、観客を魅了することができる選手であることを感じさせた。

さらに同じく24分にはダイレクトで絶妙なアーリークロスを放り込んだ。これはオフサイドになってしまったものの、周りを見る技術、クロスの制度、判断全てにおいてレベルが高かった。

鹿島には多数の日本代表選手、日本代表経験選手がいるため試合機会に恵まれないこともあるかもしれない。しかしそこでレギュラーを勝ち取り、こういった細かいプレーを続けていけば、近い将来日本代表に安部裕葵が招集されることもあるかもしれない。

まだまだ線が細く「うまい」というくらいのプレーヤーだがステップアップして日本をけん引する選手に成長してほしい。