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J1リーグ各チームの出場・先発選手数をデータで分析

2017 6/30 12:56Aki
サッカー分析
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1/3を経過した2017年のJ1リーグ戦

早いもので、2017年5月19日~20日に行われた明治安田生命J1リーグ第12節で、既にシーズンの1/3を消化することとなった2017年のJ1リーグ。シーズン開幕前の期待に応えれている好調のチームや、まさかの不調に陥っているチームなど、18チームが様々な顔を見せている。
特に今シーズンは第12節終了時点で、プレーオフから昇格となったセレッソ大阪が4位と躍進している事に象徴されるように、降格圏となる16位以下には昇格チームが入っていない。また2012年から2016年までの5年間で3度のJ1チャンピオンだったサンフレッチェ広島が、降格圏となる16位に苦しんでいるという異例のシーズンと言っても良いだろう。
そこで今回は、Jリーグ公認データStatsStadium(スタッツスタジアム)を使用している「Football LAB[フットボールラボ]」(http://www.football-lab.jp)より、2017年の明治安田生命J1リーグ第1節~第12節(2017年5月21日時点)で、J1の18チームがこの期間で起用した選手のデータを中心に考察する。

2017年のJ1リーグ戦で出場した選手は393人

2017年の明治安田生命J1リーグ第1節から第12節までで先発起用された選手は393人。1チームあたり約21.83人という数字となっている。この中で最も少ないのは浦和レッズの19人、最も多いのは大宮アルディージャと川崎フロンターレの24人だ。
その中で、先発起用された選手は336人。1チームあたり約18.67人となっており、こちらの最少は浦和レッズとセレッソ大阪の16人、最多は大宮アルディージャの24人となる。
またこの期間中、全試合先発出場している選手は62人。1チームあたり3.44人となり、その中でフル出場を果たしているのは32人。1チームあたり1.78人となる。
全試合先発出場が最も多いのがセレッソ大阪の7人、最も少ないのが鹿島アントラーズと大宮アルディージャの1人。全試合フル出場となると、最多は清水エスパルスの4人、最少は大宮アルディージャとアルビレックス新潟の0人となっている。
該当期間の80%以上にあたる10試合以上に先発している選手は、最も多いのが浦和レッズとセレッソ大阪の9人、次いで横浜F・マリノス、清水エスパルス、サガン鳥栖の8人。逆に最も少ないのが大宮アルディージャの2人、それに次ぐのがヴァンフォーレ甲府の4人となっている。

AFCチャンピオンズリーグ参加クラブ

当該期間中の水曜日に、YBCルヴァンカップのグループリーグが行われる週も多くあるが、今季からルヴァンカップは21歳以下の選手を先発起用する事が義務付けられるなど、若手を起用する大会という立場が明確となり、リーグ戦とメンバーを多く入れ替えるチームが増加している。
その一方、ルヴァンカップとほぼ同日程で開催されるAFCチャンピオンズリーグに出場している鹿島アントラーズ、浦和レッズ、川崎フロンターレ、ガンバ大阪の4チームは、こちらに主力選手を多く起用することになる。そうなるとこの4チームにとっては、この期間のハードスケジュールを乗り越える為にはリーグ戦でメンバーの入れ替えをせざるを得なくなるのだ。
しかし、そんな中でもAFCチャンピオンズリーグ出場クラブである浦和レッズは、リーグ戦での全試合フル出場はほぼ2人と平均的な数字となっているものの、選手起用数、先発選手数が少ないというのは、ペトロヴィッチ監督のメンバーを固定する方針が色濃く出たものといえる。
他の3クラブは、鹿島アントラーズが起用選手数23人で先発起用数22人、川崎フロンターレが起用選手数24人で先発起用数19人、ガンバ大阪は選手起用数23人、先発起用数19人といずれも平均以上の数字となっている。

対象的なデータとなっているセレッソ大阪と大宮アルディージャ

第12節に対戦した大宮アルディージャとセレッソ大阪。この試合で敗れた大宮アルディージャは最下位となり、セレッソ大阪は4位に浮上した。昨シーズンクラブ史上最高位となる5位を記録した大宮アルディージャと、プレーオフでようやく昇格を決めたセレッソ大阪という関係ながら、今季は全く逆の結果となっている。
この両チームは選手起用のデータでも対象的な結果を残しており、セレッソ大阪の先発起用選手数はリーグ最少の16人、全試合先発出場はリーグ最多の7人、該当期間の80%以上となる10試合以上に先発もリーグ最多の9人とチームを固定する事が出来ているのに対して、大宮アルディージャは先発起用選手数はリーグ最多の22人、全試合先発出場はリーグ最少の1人、該当期間の80%以上となる10試合以上に先発もリーグ最少の2人と未だチームを固める事が出来ていない。
またセレッソ大阪は、選手が固定されているという事で試合に出場していない選手が多いのかというとそういうわけでもなく、先発出場はないものの途中出場を続けている選手はリーグ最多の6人となっている。 一方で大宮アルディージャは、2試合以下の先発となっている選手がリーグ平均の8.94人を大きく上回る22人もおり、苦しんでいる様子が伺える。

先発メンバーを固める事ができているのは

セレッソ大阪の他に先発メンバーを固める事が出来ているといえるのが、浦和レッズ、セレッソ大阪に次いで少ない先発起用選手数が17人の柏レイソル、横浜F・マリノス、ヴァンフォーレ甲府、清水エスパルスの4チームだろう。
その中でも特徴的なのが、柏レイソルとヴァンフォーレ甲府だ。通常メンバーを固定出来ているということは、ほとんどの試合で同じ選手が先発する形になるのだが、この両チームは該当期間の80%以上にあたる10試合以上に先発した選手は柏レイソルが6人、ヴァンフォーレ甲府が4人とリーグ平均である6.50以下。それでありながら、先発起用選手数が少なくなっているという事は、怪我人などの影響もあるのだろうが、幾つかの先発メンバーのパターンが確立されているという事がわかる。
ヴァンフォーレ甲府は2017年の開幕時点で登録選手の平均年齢が最も高い27.9歳、一方で柏レイソルはU-23チームがあり若手選手を多く抱えるガンバ大阪やセレッソ大阪とほぼおなじ24.2歳と平均年齢が低いチームだ。両極端に見えるような両チームだが、そのような共通点もある。