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2017年Jリーグ、注目の優勝争いを占う

2017 4/12 11:20Aki
Jリーグ
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大本命は浦和レッズ・鹿島アントラーズの2強

今シーズンのJリーグの中心となりそうなのが浦和レッズと鹿島アントラーズの両チーム。
。浦和レッズは昨季の最多勝ち点獲得チームで、鹿島アントラーズはチャンピオンチームであり、さらにクラブワールドカップでの健闘は記憶に新しいところです。
この2チームは昨シーズンのチャンピオンと最多勝ち点獲得チームですから当然アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)にも参加するチーム。ACLに参加するチームはいつも過密日程が問題となり、またJリーグは中国や韓国に比べ国内のリーグ戦も拮抗した戦いが繰り広げられることからどうしても難しい部分が出てくるのですが、浦和レッズは昨シーズンも決勝トーナメント1回戦で敗退はしてしまったもののACLを戦いながら年間最多勝ち点を獲得。
そしてそのメンバーに今季はさらに新潟からラファエル・シルバ選手、湘南ベルマーレから菊池大介選手、ジェフ千葉からオナイウ阿道選手を獲得し、レンタルで貸し出していた矢島慎也選手、長澤和輝選手らも復帰。これまで新加入選手は浦和レッズの特殊な戦術にフィットしない事も多く補強がなかなか選手層の厚みに繋がらなかったところもあったのですが、プレシーズンを見る限り既に順応しており、ついに2チーム分の選手層を持つ巨大なチームになりそうな雰囲気を醸し出しています。
もう1方の鹿島アントラーズは、チャンピオンシップやクラブワールドカップでの躍進にあぐらをかくこと無く昨季の勝ち点では浦和レッズを大きく下回ったことを踏まえた積極的な補強を敢行。GKのクォン・スンテ選手、Jリーグでの実績十分なレオ・シルバ選手とペドロ・ジュニオール選手が既にチームにフィットしており、さらに盤石な体勢を強固なものとしています。

川崎フロンターレ、ガンバ大阪は優勝争いまでは届かないか

昨シーズンの上位チームで残るは川崎フロンターレとガンバ大阪。
川崎フロンターレには国内屈指のタレント家長昭博選手を大宮アルディージャから、ガンバ大阪からはハードワークできる阿部浩之選手らを獲得しているものの、絶対的ストライカー大久保嘉人選手が抜けた穴はそう簡単に埋まるとは思えず、またなによりも昨シーズンまでの攻撃サッカーを作り上げた風間八宏監督が退任しています。
継続路線ということで風間監督のもとコーチを務めていた鬼木達氏を監督にしていますが、選手層がそれほど厚くないということも踏まえてACLとの両立は厳しいと思われます。
またガンバ大阪も横浜F・マリノスからファビオ、大宮アルディージャから泉澤仁、清水エスパルスから三浦弦太と非常に興味深い選手を補強していますが層の薄さは否めないところ。
期待の井手口陽介選手・百戦錬磨の遠藤保仁選手・今野泰幸選手による中盤のトライアングルはかなり魅力的な構成となっていますが、この3人の内誰か1人が欠場となった時にこのクオリティを維持できるのか。それとも戦い方を変えるのかというところがポイントになりそう。
しかしどちらにせよこの両チームは選手層も厚くはありませんので、ACLの過密日程の影響を受けてしまう可能性が高くなりそうです。

2強に迫る存在はACLに参加しないチームから

浦和レッズと鹿島アントラーズの2強に迫る存在は、ACLに参加しないチームにこそチャンスがありそう。そこで注目なのがサンフレッチェ広島。近年ACLに参加しないシーズンは必ず優勝しているチームですから、2強に迫る最右翼と言っても良いかもしれません。
戦力的には長年チームを引っ張った佐藤寿人選手は退団したものの、日本代表経験もある工藤壮人選手を獲得。青山敏弘選手がシーズンを通じてコンディションを落とす事がなければ上位に食い込む可能性は十分あります。
そしてACL圏外組でもう1つ注目なのが大型補強を敢行したFC東京。大久保嘉人選手をはじめ、サガン鳥栖から林彰洋選手、名古屋グランパスから永井謙佑選手、オランダから太田宏介選手、韓国から高萩洋次郎選手、と日本代表クラスの選手を次々に獲得。高橋秀人選手や平山相太選手などチームを去ったメンバーも多いが、獲得したメンバーはそれ以上の選手がほとんど。
入れ替えが激しい分未知数な部分もありますが、一発の可能性はあるメンバーです。 そしてもう1つ、不気味な存在なのがヴィッセル神戸。話題となった元ドイツ代表ルーカス・ポドルスキ選手の獲得は流れたものの、田中順也選手、高橋秀人選手、大森晃太郎選手らの計算できる実力者を獲得。名将ネルシーニョ監督のもと何かをおこす可能性は秘めています。

大穴的存在の柏レイソル・セレッソ大阪

大穴的な存在として面白いのが柏レイソル。下部組織出身選手の割合がかなり高いチームですが、そのチームで今季は前線の3人をクリスティアーノ、ハモンロペス・ディエゴ・オリヴェイラの外国人選手3人を配置し、中盤より後ろは下部組織出身選手を中心に若手日本人選手で構成。柏レイソルの下部組織出身選手はゲームの組み立て能力に優れており、また前線の外国人選手はいずれも爆発力を持った選手ですから、それがピタッと噛み合うととんでもない力を発揮する可能性もあります。
そしてもう1つが昇格チームであるセレッソ大阪。
プレーオフでの昇格チームはJ1に1度も残留したことが無いというジンクスはありますが、このチームはこれまでとは少し異なる。現役日本代表の山口蛍選手、現役韓国代表のキム・ジンヒョン選手、元日本代表の柿谷曜一朗選手、日本代表候補の杉本健勇選手とJ1でもトップクラスの選手をもっており、さらにそこに現役日本代表のトップ下である清武弘嗣選手まで加入。清武選手はちょっとJリーグの選手の中では抜けた存在です。
となると上位争いに食い込んでくる可能性が高いとも言えますが、セレッソ大阪には不安要素ある。昨シーズン大きな戦力を持ちながらプレーオフに回ってしまった様に、昨年からの積み上げが一切無い状態であること。サガン鳥栖で実績のある尹晶煥監督を招聘したものの、今季はほぼ0からのスタートとなりますのでチームが機能するようになるまで時間がかかる可能性もあります。

残留争いはJ2からの昇格組が中心になるか

一方のJ2残留争いに目を向けると、ここには例年通りJ2からの昇格組が入ってくる形になるでしょう。特に清武選手が加入したセレッソ大阪以外の2チーム、北海道コンサドーレ札幌、清水エスパルスは戦力的に上積みも少なく厳しい戦いに巻き込まれる可能性は高いところです。
この両チームは昨年のJ2をワンツーフィニッシュを達成したコンビですが、特に首位だったコンサドーレ札幌は昨シーズン先行逃げ切り型で勝ち点をつみかさねていたものの、それ以外の戦い方ができるようなスタイルでは無く、そして今季の舞台となるJ1では昨シーズンほどの先制点を奪えないでしょう。
また常にギリギリのところで残留に成功しているヴァンフォーレ甲府ですが、今季は柏レイソルやアルビレックス新潟で監督を務めた吉田達磨氏を招聘。吉田監督がこれまで志向してきたサッカーとこれまでのヴァンフォーレ甲府とのサッカーはかなり色が異なる為、それが不安要素ではありますが、ヴァンフォーレ甲府は最後にGMが監督兼任できるため軌道修正の判断も早いクラブ。その為ピンチを迎えたとしても残留を決める可能性も十分あります。
今季の上位・下位の注目チームを予想しましたが予想はあくまで予想。外れるものです。 もしかすると思わぬ優勝チーム、上位争いチームが出て来るかもしれません。