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セレッソ大阪U-23の2016-2017を解説

2017 1/20 10:11
サッカーボール,ゴールⒸShutterstock.com
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Photo by SOMKKU/Shutterstock.com

今シーズンからJ3に参加したセレッソ大阪U-23。 3チームある23歳以下のセカンドチームの中でも最も早くから準備していたセレッソ大阪U-23の今シーズンを振り返り、また来シーズンの展望をご紹介します。

2015年から動き出したセレッソ大阪U-23プロジェクト

2014年から始まったJリーグにおける3つめのカテゴリとなるJ3リーグ。ここにヨーロッパなどで見られるチームの若手選手によるセカンドチームを参加させようとする動きが最初に報じられたのは2014シーズンの途中でした。
具体的にJリーグの理事会で決定したのは2015年9月でしたが、セレッソ大阪はこの動きを見据え、2015年シーズンには前年に高円宮杯U-18を優勝した下部組織から5名もの選手をトップチームに昇格。さらに他ユースチームからも2名を加入させるという、異例の7名もの高卒選手を獲得します。
彼ら7名はこのシーズントップチームの公式戦に出場することはほとんどありませんでしたが、積極的に対外チームとの練習試合を行うなど、下準備を行っていました。

セレッソ大阪U-18で高円宮杯に優勝した大熊裕司監督が就任

2016年からJ3リーグに参加が決定したセレッソ大阪に所属する23歳以下の選手を中心としたセレッソ大阪U-23。監督には、2014年にクラブユースチーム・高校チームも含めた高校年代のチャンピオンを決める高円宮杯U-18チャンピオンシップを優勝したセレッソU-18監督の大熊裕司氏が就任。
トップチームにおける23歳以下の選手の約70%がセレッソ大阪の下部組織、セレッソ大阪U-18出身選手ということもあり、ほとんどの選手が大熊裕司監督の下でプロ入りまで成長を続けた選手たち。大熊裕司氏をセレッソ大阪U-23の監督に就任させることで、継続した強化が行える体制を整えます。

23歳以下の選手12人+7人の有望高校生

2016年の公式戦出場となったのは31名。1試合につき3人まで認められている23歳以上のオーバーエイジ枠として12名、既にトップチームに所属する23歳以下の選手が12名、さらにU-19日本代表の舩木選手やU-16日本代表の瀬古選手、山田選手などセレッソ大阪U-18に所属する将来有望な高校生7名がプレーしました。
オーバーエイジは負傷明けの選手やトップチームでベンチ外となったコンディション調整を目的とした選手で、それぞれ数試合がほとんどでしたが、23歳以下の高校生を含む19名はサポーターの前での大人のチームとの対戦は貴重な経験となったことでしょう。
また、17試合に出場していた小谷選手は、トップチームでの出番はありませんでしたが、U-23でのプレーが認められ、シーズン中にJ2のロアッソ熊本に移籍。熊本でもポジションを掴みチャンスを活かしたと言えます。

活躍を見せた米澤選手、岸本選手、斧澤選手

今シーズンのチーム得点王となったのはプロ入り2年目の20歳米澤選手。爆発的なスピードを活かし飛び出すプレーは相手のディフェンスラインに脅威を与え続けました。
次いでゴールを決めたのはU-19日本代表でもある岸本選手。高卒ルーキーながらセカンドチームがあったことで18試合に出場。チームで定期的に出場したことがU-20ワールドカップ出場を決めたU-19日本代表での活躍にもつながったと言えるでしょう。
さらに輝きを見せたのが、来シーズンのプロ入りが決まっている高校生の斧澤選手。開幕直後は大人のプレーに戸惑いも見せていましたが、28試合に出場することで試合終盤には攻撃的な中盤として持ち味を発揮。来季のさらなるブレイクも期待されます。

2017シーズンの展望

セレッソ大阪U-23の存在は、プロ入り1年目から試合に出場できる機会が得られるということで、プロ入りを目指す高校生や大学生にとって大きなポイントとなるようで、セレッソ大阪は来季の新加入選手として、下部組織からの昇格組3名に加え4名もの高卒・大卒選手が決定しています。
昇格組の3名、斧澤選手、舩木選手、森下選手は、いずれも昨シーズンもプレーした選手ですが、彼ら3名や今季活躍を見せた12名だけでなく、対戦相手からスーパーな選手と呼ばれる山根選手や脅威のスピードを誇る大山選手、早稲田大学のエース山内選手、195cmの長身GK茂木選手と外部から加入する4選手のプレーにも期待したいところです。

まとめ

U-23は他のチームとは異なり、昇格がない育成を目的として作られたチーム。 ただ、ここで出場する選手はいずれもダイヤの原石、ブレイクが期待される選手ばかりです。 特にセレッソ大阪は若手育成に定評があるチームですので、セレッソ大阪U-23に注目してみましょう!