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三浦泰年率いるカターレ富山の2016-2017シーズン解説

2017 1/20 10:11
サッカー選手,イメージ画像,ⒸShutterstock.com
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Photo by Evgenii Matrosov/Shutterstock.com

あの三浦知良選手の兄である三浦泰年氏が監督を務めていることでも知られるカターレ富山。 J2復帰に向けて奮闘するカターレ富山について、2016シーズンを中心にこれまでとこれからを解説します。

カターレ富山とは?

カターレ富山は富山県全県をホームタウンとするサッカーチームです。 2007年にJFLの北陸電力のサッカー部「アローズ北陸」と「YKK APサッカー部」が統合して創設されました。2009年にJリーグに加盟し、2016年現在はJ3リーグに所属しています。 ホームスタジアムは富山市内の富山県総合運動公園陸上競技場で、練習場は北陸電力総合運動公園。チームカラーは青です。
チーム名は、イタリア語で「語れ」「歌え」を意味する「カンターレ」と富山の方言で「勝て」を意味する「勝たれ」を掛け合わせたもの。頂点を目指してサポーターと肩を組んで共に行こうという意味も込められています。

カターレ富山のこれまでの成績

2008年のJFLで最終順位3位という成績を残し、翌年よりJ2に昇格。北陸三県では初のJリーグクラブとなりました。J2の1年目には東京ヴェルディやセレッソ大阪などJリーグのトップチームに勝利するなど勢いのあったカターレ富山。しかし、その後は他チームからの補強と積極的な若手起用を試みたものの低迷。
明確なチーム目標を定めたり、フォーメーションを工夫して戦術面も改善するなど努力がみられた一方で、相次ぐ負傷者やメンバーの入れ替わりなども激しく、2012年からはJ2残留争いを続けることに。2014年にはJ2最下位となり、2015年よりJ3で戦うことになりました。

2016シーズンのカターレ富山の成績

2016シーズンからは、キングカズこと三浦知良選手の兄である三浦泰年氏が監督に就任。前年シーズン終了後にはYKK AP時代から所属していた朝日大輔選手が現役引退しましたが、他の主力選手らは残留。徳島から衛藤裕選手、愛媛から代健司選手をレンタル移籍で獲得し、栃木SCから2シーズンぶりに西川優大選手が復帰。より選手層が厚くなったチームでシーズンをスタートさせました。
リーグの最終成績は、13勝10分7敗。リーグ6位の結果で前年より1つ順位を上げた形になりました。また、前年にチーム創設後初めて出場を逃していた天皇杯には、予選を通過して出場権を獲得。飛躍的なシーズンとはいえませんが、わずかながらもJ2復帰に近づいた1年になりました。

カターレ富山の2016シーズンを分析

カターレ富山のチーム戦力を見てみると、他チームから実力のある選手を補強したり若手を育成するなどバランスが取れていて、J3リーグ内でも比較的整っている印象です。それにもかかわらず、J2昇格にあと一歩手が届かないのは、得点力の不足が要因のひとつに挙げられます。
2016シーズンはGKの江角浩司選手らに支えられて失点が29と、リーグ順位である6位相応の成績である一方、得点は37と、下位に40点台を記録しているチームが多い状況を考えると物足りなさがあります。特に引き分け数が10と多いことからも、あと1点欲しいという場面で得点できないという課題を改善する必要がありそうです。

カターレ富山の2017シーズンの展望は?

2016シーズン終了後には、GKの江角選手、MFでアンカーを務めていた大山俊輔選手と、これまでのチームの主力であった2名が現役引退を発表。また、三浦監督に加えて、澤入重雄GMの退任が発表されました。2017シーズンからはGMと監督が代わるため、チーム方針やフォーメーションも大幅に変更されることも予測されます。
ここ2年でのJ3での順位は中盤に位置しているカターレ富山ですが、J2昇格争いに食い込むためには課題である得点力の向上が必要。それに向けて、まずは新たなチーム体制の下でどうのような補強がされるのかが注目ポイントとなりそうです。

まとめ

2017シーズンのカターレ富山は、J2昇格に向けて得点力を向上させるのはもちろんのこと、江角選手と大山選手の引退による守備面での戦力補強も期待したいところ。 新しいGMと監督の下、どのようなチームに生まれ変わるのかも注目したいですね。