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ガンバ大阪の過去の優勝を振り返る!

2016 10/20 18:39
宇佐美Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

日本最高との呼び名も高い吹田市立サッカースタジアムも完成し、2016年明治安田生命J1リーグ優勝を目指し戦うガンバ大阪。そのガンバ大阪が2度目のリーグチャンピオンとなった2014年シーズンを振り返る。

クラブ再建を目指し長谷川健太監督を招聘

優勝の前年、2013年はクラブ史上初となるJ2リーグで迎えた。クラブ再建に向けてガンバ大阪は新監督に清水エスパルスで堅実な采配を見せていた長谷川健太氏を招聘。それまでの攻撃に大きくウエイトを置いたチーム作りから、安定した守備をベースにしたチームを目指した人選だ。
J2での戦いは遠藤、今野の現役日本代表選手との対戦ができるという事で相手チームのモチベーションもかなり高く、序盤は勝ちきれない苦しい試合が続くが、長谷川監督の堅実な采配で引き分ける事はあっても負ける事はほとんど無く、またシーズン途中にドイツから宇佐美貴史が復帰すると快進撃を見せ始め、圧倒的な成績でJ2リーグを優勝。1年でのJ1復帰を達成する。

苦しんだ2014年シーズン前半

長年の弱点だったゴールキーパーに新潟から東口順昭を獲得し、2年ぶりのJ1で迎えた2014年シーズン。しかし開幕直前にエース宇佐美が負傷離脱し、開幕直後に迎えた大阪ダービーではセレッソ大阪に苦杯するなどシーズン序盤は勝ち点を伸ばしきれず、ブラジルワールドカップの中断期間を降格圏内の17位で迎えるとシーズン前半は苦しむこととなる。
しかしこのシーズン序盤にガマンして起用していた阿部浩之や大森晃太郎らの若手選手が経験を積んだ事と、怪我で離脱していた宇佐美貴史の復帰、そして中断期間に加入した新戦力がシーズン後半に大きく花開く事となる。

重戦車パトリックの加入

ワールドカップによる中断期間に獲得したのは、その前年に川崎フロンターレやヴァンフォーレ甲府でプレーしたFWパトリックだった。パトリックは川崎フロンターレでポストプレーなど前線で基点になるプレーを求めて獲得されたものの、足下の不安定なプレーでほとんど試合に出場する事すらできなかった選手。ガンバ大阪でもサポーターの期待はそれほど大きくなかった。
しかしパトリックには大きな武器があった。それは体格を活かした突進力。長谷川監督はパトリックの出来る事と出来ない事を上手く整理し、得意な事に絞った役割を与えると大活躍。最後まで足下のプレーは不安定なままだったが、パトリックのパワーで作ったスペースを活かしてエース宇佐美が得点を量産する事となる。

得点力抜群のエース宇佐美貴史

下部組織出身の宇佐美貴史は、ジュニア年代では世界的にも同世代のネイマールをも勝る評価を受けており、ドイツのバイエルン・ミュンヘンに移籍するなど順調にキャリアを積み重ねていたが、残念ながらドイツでは活躍できず2013年にガンバ大阪に復帰した。
そんな宇佐美に対して長谷川監督が用意したのはそれまでの中盤ではなくFWのポジション。これが宇佐美の抜群の得点力を引き出す事になる。
それまでも抜群のテクニックを活かしてスーパーゴールを決める事もあったが、プレーの波が大きく全く目立たない試合もあった選手。それがFWで起用される事で一瞬の隙も見逃さないプレーを覚えると、そのテクニックのほとんどをゴールを決める事に使える様になり得点を量産。シーズン序盤の離脱で得点王にはなれなかったが、2014年の公式戦全試合ではJ1選手最多の得点数を記録した。

Jリーグ史上2チーム目の国内3冠を達成

宇佐美の復帰とパトリックの加入で得点力を発揮できるようになったガンバ大阪は、遠藤のゲームメイクもさらに冴え渡るようになり、リーグ再開後は勝ち星を重ねる事に。
第32節に行われた首位浦和レッズとの大一番は、敗れると優勝の可能性が消滅するというギリギリの状況だったが、2点を奪い完勝。さらに翌32節の勝利でシーズン初の首位に立つと、最終節に引き分けで優勝を決定。中断期間前は4勝3分7敗の16位だったチームが、中断期間以降は15勝3分2敗と猛烈な巻き返しを見せた優勝だった。
またこのシーズンはヤマザキナビスコカップと天皇杯にも優勝し、昇格1年目のチームがJリーグ史上2チーム目となる、国内3冠という快挙を達成した。

まとめ

劇的な2014シーズンの優勝で再びJリーグを代表する強豪チームに返り咲いたガンバ大阪。昨シーズンはチャンピオンシップファイナルでサンフレッチェ広島の前に苦杯をなめる事となったが、日本最高のスタジアムとの呼び声高い吹田市立スタジアムも完成した今シーズンは、チャンピオン奪回を目指し勝ち点を積み重ねている。