「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

U-20ワールドカップが開幕、日本代表の初戦は南米王者に引き分け

2019 5/24 15:00中山亮
イメージ画像ⒸSPAIA
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

主力5人がチームから離れることに

FIFA U-20ワールドカップ、ポーランド2019大会が開幕した。グループBに入ったU-20日本代表は初戦で南米王者エクアドルと対戦し1-1の引き分けとなった。

久保(FC東京)、安部(鹿島)、大迫(広島)がA代表選出のため、また橋岡(浦和)、谷(G大阪)は怪我のためと、アジア予選などでこれまでこの世代で主力だった選手5人がチームから外れることとなった、今回のU-20日本代表。

南米王者エクアドルとの初戦は、GKに若原(京都)、DFラインには菅原(名古屋)、瀬古(C大阪)、小林(神戸)、東(広島)。中盤には郷家(神戸)、伊藤(名古屋)、齊藤未月(湘南)、山田(横浜FM)、FWに斉藤光毅(横浜FC)、田川(FC東京)が並ぶ4-4-2でスタート。一方のエクアドルは4-2-3-1の布陣で南米予選得点王のカンパーナが1トップ、左利きの10番レサバラがトップ下に入った。

エクアドルに押し込まれた前半

立ち上がりからコンパクトな布陣を作った日本。10番レサバラのテクニック、9番カンパーナのポストプレー、20番プラダのスピードを封じるという部分ではある程度機能していた。しかし、ボールを奪った後にほとんど攻撃の形は作れず。

瀬古や小林が時折、精度の高いキックを見せるものの、初戦ということもあって慎重になりすぎているのか、チーム全体としてビルドアップの形が意思統一できておらず、ボールを簡単に失ってしまう場面が続出した。前半、日本のボール支配率はわずか32%、シュートは1本というスタッツがそれを表していた。

そしてボールを圧倒的に支配され、当然のように徐々に日本の守備ブロックは自陣に押し下げられてしまうこととなった。その結果、生まれたのが前半44分のエクアドルの先制ゴールだと言えるだろう。

形としてはFKからGK若原がパンチングしたボールが田川に当たってしまってのオウンゴールというアンラッキーなものだった。しかし、ボールを奪い返せず、布陣を押し下げられる時間が続くと、いくら崩されていないと言ってもこういった事故は起こりえる。

価値のある引き分け

後半開始から日本は斉藤光毅に代え、宮代大聖(川崎F)を投入。巻き返しを図ったが、50分にエクアドルのCKから郷家がハンドリングの反則を取られPKに。試合が決まりかねないピンチを迎える。 しかしこのPKをGK若原がストップ。日本は絶体絶命のピンチを乗り切った。

ここから日本が巻き返しを図る。同じFWながらドリブルが持ち味の斉藤光毅から、ポストプレーなどで前線で起点を作ることができる宮代を投入。ハーフタイムを挟んでビルドアップに関する意識が統一されたことで、前半よりもボールが運べる様になり、少しずつチャンスが作れるようになっていた。

日本は66分、郷家に代えて西川(桐光学園高校・C大阪特別指定)を投入すると、その直後の68分、ゴール前でのスクランブル状態から、こぼれ球を山田が押し込みゴール。1-1の同点に追いつく。その後お互い、ゴール前に迫る場面をつくるものの決められず試合終了。1-1の引き分けに終わった。

ワールドカップの初戦ということもあってか、前半はかなり厳しい内容となった日本代表だったが、そこで沈み込まずに、後半は少しずつ持ち直した。南米王者に追いついての引き分けは悪くはない結果と言えるだろう。

同点ゴールを決めた山田はもちろんだが、10番でキャプテンの齊藤未月は中盤のセンターに入り、湘南で見せているような攻守に渡って充実したプレーを見せることができていたし、途中交代で入った西川はボールが入る回数は少なかったものの、その中でも存在感を発揮していた。

この後はメキシコ、イタリアと強豪国との対戦が続くが、この試合の前半の様に消極的にならず積極的な戦いに期待したい。