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日本のベルギー攻略のカギは守備のほころび 布陣、ドリブル数から見える突破の糸口

2018 7/2 14:02SPAIA編集部
ワールドカップ,ロシア大会,日本代表,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

スター軍団ベルギー代表

8年ぶりにワールドカップグループリーグを突破した日本代表が、7月3日午前3時からのラウンド16で対戦するのは、イングランドを抑えグループHを首位で上がってきたベルギーとなる。

ベルギーには、GKのクルトワ(チェルシー)、DFのコンパニ(マンチェスター・シティ)、MFのデ・ブライネ(マンチェスター・シティ)、デンベレ(トッテナム)、FWのルカク(マンチェスター・ユナイテッド)、アザール(チェルシー)とまるでプレミアリーグオールスターの様な面々に加え、ナポリのFWメルテンス(ナポリ)までいる。

このメンバーからもわかるようにベルギー最大の特徴は3試合で大会最多の9得点を決めている攻撃力だ。枠内シュート数も大会トップである。

しかし、日本に全くつけ入る隙が無いわけではない。というのも、被シュート数は日本を上回る37本。実は攻撃を受ける回数も多いチームなのだ。

布陣は3-4-2-1。攻撃の時には前線の3人に加え両WBも上がってくるが、守備の時は全体的に下がり5-4-1に。今大会ではほとんど見ないが、Jリーグではよく見る布陣である。

この布陣の最大の特徴は、4バックのチームに対しては攻撃の時にそのままの立ち位置で相手選手の中間にポジションが取れること。つまり攻撃で個人の能力が発揮しやすい。ベルギーが狙っているのはまさにそこだ。

日本代表の勝機は

一方で守備ではどうしても後ろに重心がかかってしまい、その結果、相手にボールを持たれやすくなる。また守備から攻撃への切り替えの際にも選手のポジション移動が必要となるため、ドリブルでボールを運ぶ必要があるなど選手個々への負担も大きい。

これはデータにも表れており、ドリブル数は日本の24回に対してベルギーは2倍近い43回。さらに守備的MFの位置には本来はもう1つ前のポジションの選手であるデ・ブライネを起用しているのもそれが理由だ。

日本が狙いたいのはこのベルギー守備の不安点。ポーランド戦で先発から外れた6人はベルギー戦では戻ってくる可能性が高い。

長谷部やDF陣を中心にセネガル戦で見せたようなボール保持の安定から柴崎が攻撃を組み立て、世界最高クラスのDF陣に対して引けを取らなかった大迫が前線でボールを収めることができれば、原口、酒井宏樹の右サイド、長友の左サイドが前に出ることができDFとMFの間が必ず広がる。

ベルギーDFのアジリティーは決して高くない。広がったスペースを香川と乾で突くことができれば得点のチャンスは訪れるだろう。

もちろん破壊力抜群の個の力で圧倒されてしまう可能性も0ではない。しかし日本は昨年11月にベルギーと対戦しており、その時とメンバーはほぼ同じ。相手の良さを消すよりも自分たちの特徴を活かすことに主眼をおいているベルギー。決して相性は悪くないはずだ。