次戦は7月3日午前3時からベルギーと
ポーランド戦の危険な賭けに勝ち、グループリーグ3試合を1勝1分1敗のグループ2位でラウンド16への進出を決めた日本。決勝トーナメント初戦は7月3日午前3時からベルギーと対戦する。グループリーグの戦いを振り返る。
ポーランド戦の危険な賭けに勝ち、グループリーグ3試合を1勝1分1敗のグループ2位でラウンド16への進出を決めた日本。決勝トーナメント初戦は7月3日午前3時からベルギーと対戦する。グループリーグの戦いを振り返る。
日本代表は初戦でグループ最強ともいわれたコロンビア相手に勝利を挙げた。この試合のキーポイントとなったのは開始3分で訪れたカルロス・サンチェスの退場だ。
最終節の最後の1秒まで日本、コロンビア、セネガルの3か国でグループ突破をかけて争うことになったことを考えると、結果的にはグループH全体のキーポイントがこのシーンだった。
この退場は偶然起こったものではない。大会直前の監督交代。布陣が固まったのも直前。分析するにはたった1試合しか参考にできない日本に対して、コロンビアは様子をうかがう形で試合に入る。
この展開を西野監督は予想していたのだろう。そんなコロンビアに対して日本は前線から激しくプレッシャーをかけ縦に速く攻める形で試合に入った。
立ち上がりに見せた日本の攻勢はコロンビアにとって想定外。コロンビアは受け身に回ってしまっていた。大迫に簡単にDFの背後を取られ、慌てて戻ったカルロス・サンチェスは思わず香川のシュートに手を出してしまった。
もちろん、日本は先制後の戦い方に課題が見られたことも事実。数的優位になったにもかかわらず立ち上がりと同じコンセプトでゲームを続けてしまったことがコロンビアの同点ゴールにつながっている。
日本はハーフタイムを経て修正、持ち直した後半に決勝点を決めたものの、コロンビアは31分の交代で布陣を変え39分の同点ゴールにつなげているように、このクラスの相手はハーフタイムまで待ってくれない。
2戦目のセネガル戦は結果こそ2-2の引き分けに終わったが、内容は日本のグループリーグベストマッチといえるものだった。ミスが重なったのと、サイドに人数を費やしたにもかかわらず奪いきれなかったことから2失点を喫したが、セネガルのプレッシングに対して柔軟に対応。
昌子、長谷部がコロンビア戦以上に縦パスを出し、この2人を中心とした低い位置からの組み立てでセネガルのプレッシングを回避しながら、敵陣へとボールを運んだ。
またさらに柴崎、香川の中盤、大迫、乾のアタッカー陣も持ち味を存分に発揮。大迫が世界最高クラスのCBを相手にしてもミドルサード16回のパスで前線の起点となり、香川はアタッキングサードで91.7%という驚異的なパス成功率を記録している。
3戦目、敗れたポーランド戦はラスト10分の戦い方に話題が集中しているが、そこに至る80分間の方が重要だろう。
スタッツとしてはセネガル戦とほぼ変わらなかったが、既に敗退が決まっており積極的にボールを奪いに来ないポーランドに対して日本は攻守共に全く機能しなかった。
その要因となったのがメンバーを6人入れ替えた事。急造に近い日本代表はコロンビア戦ではそれを逆手に取り大きなメリットを得たが、ポーランド戦ではデメリットが出た。
そして忘れてはいけないのがファウル数。日本は最終的にイエローカードなどをポイント化したフェアプレーポイントでセネガルを上回り2位通過となったが、そもそも日本がグループリーグで与えたファウルはわずか28。これは出場32カ国中最少。圧倒的にボールを保持したスペインよりも少ない。
セットプレーからの失点を避ける意味でも、もしかするとこのファウル数の少なさこそがグループリーグ突破の一番のポイントだったのかもしれない。