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6月28日未明、2014年のワールドカップ王者ドイツが韓国に敗れ、まさかのグループ敗退。多くのサッカーファンに衝撃が走る結果となった。
ドイツが戦ったグループF は、スウェーデン（1位）、メキシコ（2位）、韓国（3位）がおり、ドイツはそのなかで最下位。3試合の結果は1勝2敗で得失点差は-2。
前大会王者が決勝Tを前に敗退するのは、これで3大会連続のケースとなる。
2010年大会では2006年大会王者のイタリアが、2014年大会では2010年大会王者のスペインがそれぞれグループで敗退。2014年大会王者のドイツも、この不名誉なジンクスから逃れることは出来なかった。
グループFで戦うドイツの初戦はメキシコ戦だった。結果は0-1でドイツが敗北。
メキシコもドイツ同様に強国だが、スタッツだけをみればドイツ優勢とみてもおかしくはない。
ボール支配率：ドイツ68.0％ メキシコ32.0％
シュート数：ドイツ26 メキシコ13
枠内シュート数：ドイツ6 メキシコ5
パス本数：ドイツ769 メキシコ273
パス成功率：ドイツ87.0％ メキシコ71.1％
ドイツは正確にボールを回し続け、試合をコントロールしているかに思えた。シュート本数もメキシコの倍になる。しかし、ドイツがゴールに恵まれることはついになかった。
前半35分にイルビング・ロサーノに得点を奪われてからは守備を固められ、勝ち点を逃してしまった。
第2戦のスウェーデン戦はトニ・クロースのFKに救われ、ギリギリのところで勝利したものの、勝ち点3でスウェーデンと並び、メキシコが勝ち点6 。決勝T進出には韓国戦での勝利が必須条件となった。
必勝の覚悟で第3戦に臨んだ前回王者だったが、終盤まで動かぬゲーム展開に焦ったのか不用意なプレーから敗れてしまった。
1つ目の失点はコーナーキックからの混戦の中、マークの不徹底により与えたものだった。こぼれたボールをフリーのキム・ヨングォンに収められ、ゴールに叩き込まれてしまった。一時はオフサイドを疑われVARによる判定となったが、映像を見返してみると8番のクロースがボールにふれ、それがキム・ヨングォンの足元に届いていた。
2つ目は無人のゴールへの得点だ。勝利以外が許されずロスタイムに1点を追う状況で、ノイアーの飛び出しにより致命的な追加点を献上してしまった。
「キム・ヨングォンがマークされていて自由でなければ」、「クロースがミスをしていなければ」と悔いる点は多い。大会を通して調子が悪かったといえ、最も重要な一戦で勝利を焦り、普段であれば犯さないミスを繰り返してしまったドイツは負けるべくして負けてしまった。
今大会のドイツは、メスト・エジルやトニ・クロース、トーマス・ミュラーなどの前大会優勝経験者を招集しつつも、ジョシュア・キミッヒ、ティモ・ヴェルナーといった若い選手達も積極的に選抜、出場させていた。
国際経験を積ませること自体は非常に重要で、今回の若手の起用をとやかく言うのは野暮だろう。しかし、この起用方針のほか、「ケガ明けのノイアーの起用は正しかったのか？」、「監督であるヨアヒム・レーヴの采配が外れていたのではないか？」など、戦犯探しがすでに始まっている。それだけドイツ代表にかける国民の期待は大きく、他国の代表やメディアにとっては驚きの結末だった。
今後のドイツの焦点はレーヴ監督の進退。4年後のカタールへ向け代表メンバーの顔ぶれも大きく変わる可能性がある。
今大会はワールドカップ優勝を経験している、強豪国が苦戦を強いられている。
メッシ擁するグループDのアルゼンチン、ネイマール擁するグループEのブラジルも苦しい試合が続いた。こうした状況を踏まえれば、ドイツの苦戦・敗退は不自然なことではないのかもしれない。ワールドカップには強豪国ですら狂わせる魔物が潜んでいるのだ。
決勝トーナメントでも、ジャイアントキリングが起こる可能性は十分にある。
残念ながら前回王者ドイツはグループで敗退してしまった。メキシコとスウェーデンにはディフェンディングチャンピオンを押しのけて決勝Tに進出したことで、この上ない勢いと自信がついたことだろう。決勝トーナメントでは王国ブラジルと大会直前のFIFAランキング6位スイスと戦うことになる。ノックアウトステージでも下剋上を見せるのか目が離せない。
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