「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

マルチな柴崎ともっている本田で日本に勝ち点1

2018 6/25 13:39SPAIA編集部
ワールドカップ,日本代表,柴崎岳,本田圭佑,セネガル戦
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒゲッティイメージズ

決勝Tへ大きく前進

6月25日、コロンビア戦に勝利した日本は、セネガルと2-2と引き分け、グループリーグ突破へ大きな勝ち点1を手繰り寄せた。セネガルに2度リードされるも乾、本田が2ゴールで追いすがり、両者譲らぬゲーム展開となった。 その後行われたポーランド-コロンビア戦でコロンビアが勝利したことで、日本はポーランド戦引き分け以上でグループリーグ突破が可能だ。

アフリカの国々は身体能力の高さが売りだ。日本は、常に数的優位をつくり対抗。柴崎を起点とした攻撃でピッチを広く使い、フィジカルの差を組織力で埋めた。

スペースを突かせない日本VSスペースを突きたいセネガル

スペースを突くタイミングとスピード双方に優れるセネガルは、序盤から日本のゴールを脅かした。最初の失点はパンチングを選んだ川島のミスもあるが、計画されたセネガルの戦術による得点ともいえるだろう。

しかし、それからの日本は見事だった。中盤の長谷部と柴崎、そして後方の吉田と昌子の2ライン間の守備対応で攻撃ルートを封鎖。相手のパスコースを塞ぐポジショニングに加え、ボールを奪う時は常に身体を前に入れ続け、相手の思い通りに動かさなかった。

スピードとフィジカル両面で日本の上をいくセネガルの選手には、後ろからのプレスでボールを奪うことは難しい。日本の選手はそのことをよく理解し、特に長谷部と柴崎の2人は体を張り続けた。得点した乾や本田はもちろんのこと、この2人の働きも引けを取らない。

マルチな柴崎 セネガル相手に最高のトランジション

前後半を通して柴崎は走り続けた。守備では身体を張り、攻撃では好機につながるパスをいくつも通した。

最初の長友の崩しと乾による得点直前には、柴崎によるロングパスがある。攻守の切り替えの起点となり続けた柴崎。左サイドで高い位置をとる長友の守備タスクも柴崎が背負い、1人でいくつもの役割をこなした。

そんな柴崎と長谷部のコンビに業を煮やしたセネガルは、後半8分にアンカーで主将のシェイフ・クヤテを投入。しかし2人はチームのために戦うスタイルを継続し、クヤテに屈することはなかった。

もっている本田圭佑 「勝ちたい」西野監督

セネガルが奪った2得点に対し、日本も2得点を奪い引き分けた。常に追いかける展開となった日本だが、試合のリズムは掴んでいた。

前半34分の乾のシュートは素晴らしかったが、後半33分の本田のゴールは流石だった。決定的な場面で、絶妙な位置にいてGKの弾いたボールを押し込めたのは“もっている”男だからとしか言いようがない。5月中旬に「これが最後のW杯」、「集大成」と意気込んでいた本田。豊富な経験が大一番での勝負強さにつながった。

試合後のインタビューに応えた西野監督は、次戦に向けた意気込みを問われると「勝ち切りたいだけ」とコメント。セネガル戦の悔しさとポーランド戦への意欲をうかがわせた。

第3戦ポーランド戦キックオフは6月28日23時

セネガルから大きな勝ち点1を得た日本。

運に恵まれた部分もあるコロンビア戦とは対象的に、日本はセネガル相手に自分達のペースを守って戦えた。勝ち点1以上に大きなものを得たこの引き分けはネガティブなものではない。 グループH第3戦のポーランドとの試合は、6月28日23時にキックオフだ。決勝トーナメント進出をかけた最後の一戦、勝ち切って進出を決めてほしい。