ドイツがW杯でメキシコに初の敗戦
2018年ワールドカップロシア大会、グループFドイツ対メキシコ戦が6月17日行われ、前回大会優勝のドイツが0-1で敗れた。メキシコはW杯でのドイツ戦初勝利となった。
ドイツ車のようにがっしりし、堅実さに定評のあるドイツ代表だったが、試合開始から慎重になり石橋を叩いている間に、前半35分、メキシコのカウンターを受け、FWイルビング・ロサーノに先制を許してしまう。その後も、試合巧者のメキシコに、はぐらかされたドイツは、なかなか有効な攻撃が出来ない。逆に先制点のような鋭いカウンターを何度も受けた。
メキシコ代表は、2012年ロンドン五輪で優勝しており元々実力は十分。ただ、W杯でドイツ戦勝利数0というこれまでの対戦結果から硬くなるかと思われたが、全く物怖じしている様子はなかった。
途中交代は通常、追いかける側が手を打ったところで、逃げ切る側が対応に追われるという傾向があるが、メキシコは後半29分、身長183cmのラファエル・マルケス(39歳)を投入し、試合終盤の空中戦への対策を先回り。またW杯出場5回目となるマルケスの投入は、パワープレー対策だけではなく、一番厳しい時間帯突入の直前にメキシコのレジェンドを降臨させ、精神的な安定をもたらす意味もあった。
メキシコ代表のオソリオ監督はドイツのVfBシュトゥットガルトで選手としてプレーした経験がある。対戦相手のドイツを知り尽くしており、試合を読んだベンチワークが冴え渡った。メキシコの勝利を「波乱」や「奇跡」と呼んではいけない。メキシコは、勝つべくして勝ったのだ。
そんなメキシコを前に、試合終了間際に不要なファールでイエローカードを受けるドイツに前回王者の面影はなかった。