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開幕前に押さえておきたいW杯グループリーグ注目国②

2018 6/13 07:00SPAIA編集部
ⒸShutterstock
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W杯ロシア大会間もなく開幕

開幕が6月14日に迫るサッカーワールドカップロシア大会。ABCDグループには優勝候補が多いが、EFGHグループにも強豪国が揃っている。実力が伯仲する国が集まったグループも多く激戦は必至。日本が所属するHも例外ではなく、12日のパラグアイ戦を4-2で快勝したとはいえ、日本には厳しい戦いが予想される。

大会前に各グループの注目国を確認する。

Eグループ

Eグループは何といってもブラジルだろう。

多くの実力者をふるいにかけ、チッチ監督率いるブラジルは完成に至った。指揮官はその手腕を最大限に発揮しネイマール、ガブリエル・ジェズス、カゼミーロといった強烈な個性を持った選手らと完成度の高いサッカーを実現させた。日韓W杯以来16年ぶりの王座奪取へ、万全の体制で大会に臨む。

チームの柱ネイマールを筆頭に、ブラジルは攻撃の引き出しが多い。各個人が単独で突破するだけの力を持ちながら、組織的に動き、退いて守る相手の陣形を崩すこともできる。エリアを広く使い相手を翻弄するブラジルらしいサッカーにも期待したい。スイス、コスタリカ、セルビアに相手に全勝する可能性もある。

Fグループ

Fグループはブラジルと同様に、世界レベルの選手から選抜したメンバーを擁するドイツだ。

長らく負傷離脱していた守護神マヌエル・ノイアーも帰ってこれそうで、穴のない布陣となっている。

特に中盤の層は非常に厚く、メスト・エジルやサミ・ケディラといったベテランを選出。ユリアン・ドラクスラー、ユリアン・ブラント、レオン・ゴレツカといった有望な若手も多く、後進の選手にも経験を積ませようという思惑も見え隠れする。すでに4年後を見据えた選出ができる点は、前大会王者の余裕だろうか。

長短のパスを織り交ぜながら、中盤から手堅くビルドアップしていくドイツ。同じグループのメキシコも勝ち上がってきそうな予感はするが、ドイツからは勝ち点を奪えないかもしれない。

Gグループ

Gグループを勝ち上がってくるのはベルギーとイングランドだろう。だが、その確実性でいえばベルギーが抜きん出ている。

エデン・アザールやケヴィン・デ・ブライネといった攻撃力とゲームメイク力に優れた中盤。そして彼らが作る得点チャンスを確実にものにするロメル・ルカクやドリース・メルテンス。その後ろには優れたフィジカルと判断力でボールを足元に収めるムサ・デンベレ。ベルギーの布陣を見てみると、ボール奪取から組み立て、フィニッシュまでの一連の流れが用意に想像できる。

ヨーロッパのビッグクラブを代表する選手で構成されるのが今のベルギーだ。黄金時代といってもよく、これだけのメンバーが揃うのはなかなかないだろう。決勝トーナメントでも上位に食い込む可能性があるチームだ。

同じグループのイングランドとの対戦はグループリーグきっての好カードである。

Hグループ

Hグループは日本……と言いたいところだが予選突破という点で考えるとコロンビアだ。

コロンビアには前体会で大活躍したハメス・ロドリゲスがいる。もっとも、その後の彼のキャリアは芳しいものではなかったが、FCバイエルン・ミュンヘンへのレンタル移籍が再びの転機だった。従来の鮮やかなドリブルや強烈なミドルシュートだけでなく、中盤深くに下りてきての組み立てにも貢献できるようになった。グループリーグ初戦の日本との対戦はもちろん、クラブでタッグを組むロベルト・レヴァンドフスキとの対決にも注目が集まる。

祈りたい日本の勝利

E・F・G・Hグループには、それぞれ勝ち上がりの手堅い国がいる。彼らが揃えるメンバーは、いずれもクラブの看板となるような選手ばかりで、「エース」と呼べるような選手は1人2人どころではない。

日本が戦う3国はいずれも格上で厳しい戦いとなることは言うまでもない。西野朗監督初陣から3戦目で快勝し、辛うじてW杯前の全敗は免れたが、これまでの試合内容を考えると、いまだ不安を残したまま大会に臨むことに変わりはない。

ただ、4年に1度のこの祭典では、驚くべきドラマが起こる。そのドラマの主役が日本代表であることを祈るばかりだ。