「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

3年ぶり代表復帰の青山、ロシアW杯へ最後のチャンスに挑む

2018 5/23 16:15SPAIA編集部
このエントリーをはてなブックマークに追加

27人のメンバーを発表

5月30日に行われるキリンチャレンジカップ2018ガーナ戦に向けた日本代表27人が5月18日発表された。

このガーナ戦はFIFAワールドカップ本大会に向けた国内最終戦。公表されていないが既に5月14日FIFAに対して予備登録メンバー35人を提出しているため、今回の27人はその予備登録メンバーから選出された形。またガーナ戦翌日に最終登録メンバー23人が発表される予定となっている。

今回選ばれた27人をみると、ハリルホジッチ前監督にも主力として出場していた選手がほとんどとなる。 これは西野監督も就任時に「継続」を口にしていたとおりの結果。一からチームを作り上げる時間が無い中での就任となることを考えると当然ともいえる。

大きな話題となったのは、本田圭佑、香川真司、岡崎慎司の招集と、中島翔哉の選外だろう。 本田は3月のマリ・ウクライナ連戦では精彩を欠き、岡崎、香川については実戦からも遠ざかっている。一方で中島は3月連戦で躍動を見せた。

ただし、本田、香川、岡崎の3人もハリルホジッチ前監督の大枠のリストには最後まで入っていた選手。常にスターティングメンバーに選ばれる存在ではなくなっていたものの、予備登録メンバーの35人枠には入っていた可能性も高い。もちろんこの3人もガーナ戦に向けての27人に選ばれたというだけで、本大会の23人に確定しているわけでもない。 特に実戦から遠ざかっている香川、岡崎については会見で西野監督が「代えがたい選手」だと高く評価していたものの、同時に「コンディションを見極めたい」とも語っており、ガーナ戦までのトレーニングで本大会までにトップフォームに戻せるかどうかを判断する作業が行われるのだろう。

一方で中島に関しては「ポリバレントではなかった」との発言で混乱を産んだが、中島が主に務める左SHはアジア予選で活躍した原口元気や乾貴士がおり、さらに宇佐美貴史もプレーできる最も層の厚いポジションとなる。最終23人枠では同じポジションの選手を3人以上選ぶことは難しいので、原口や乾を優先したということなのだろう。

サプライズは青山敏弘

今回選出された27人の中で異彩を放つのはサンフレッチェ広島の青山敏弘だろう。2015年以来およそ3年ぶりの代表復帰となる。

ただしこの代表から離れていた間は、青山にとっても代表どころではなかった。 リーグ優勝・MVP獲得した2015年以降、チームの成績低下に合わせて自身のパフォーマンスも低下。2017年は残留争いに巻き込まれかつての輝きは消えたかのようなプレーが続いた。

しかし今シーズン開幕前に肉体改造に取り組むとパフォーマンスは一気に改善。 西野監督が「今、(広島の)チーム事情を彼が作っていると言っても言い過ぎではないくらい、現在の広島のサッカーを象徴しているキャプテンであり、中心選手であり、チームの精神的な支柱だと思っている。」と語ったとおりのプレーを披露している。

攻撃を組み立てるパサーから、攻撃だけでなく守備でもチームを機能させるバランサーへと進化した。今季の青山のパフォーマンスは日本代表にふさわしい。

そんな青山も、香川、岡崎、本田らと同様にまだワールドカップ本戦メンバー23人に確定した訳ではない。 ボランチにはキャプテン長谷部誠を始め、日本代表に欠かせない存在となった山口蛍、さらには三竿健斗、大島僚太、柴崎岳とライバルも多く、ここからは彼らとの競争が待っている。

5月21日から国内合宿も始まり、ワールドカップ開幕まで残りわずか。 本大会に臨む23人に入るための競争はギリギリまで続く。