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【似て非なるもの】サッカーの移籍市場!夏と冬の違いとは

2017 12/26 16:00dai06
サッカーマーケット
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夏こそ大型移籍実現の可能性大!歴史が変わる一瞬

夏と冬で比べれば、夏の移籍市場の方が大型移籍が実現する可能性が高く、選手の動きも活発になる。これは間違いない。
なぜなら夏の移籍市場が開いている期間は、欧州のサッカーが開幕する直前および開幕直後だからだ。つまりは夏の移籍市場は、各クラブにとっての準備期間を意味する。

新シーズンを戦うことになるクラブは、年間を通して戦い抜けるだけの戦力を揃えなくてはならない。年間に20得点以上を狙えるような点取り屋、中盤を制する司令塔、多くのビッグセーブを連発する守護神、そんなスタメン間違いなしの即戦力を求めるのだ。
そのような選手には当然高値がつき、複数のクラブが関与する争奪戦が巻き起こる。

1人の選手にそれだけの需要が集まるのなら、選手そのものの実力につけられている金額とは別で、さらなる金額を上乗せしなくてはならない。
2010年代前後からの移籍市場では、100億円近い金額が動くことも普通になってきた。そして2017-2018シーズン夏の移籍市場では、遂にネイマールに2億2200万ユーロ(約290億円)という金額がつけられた。

冬はテコ入れ!選手の補填を行う市場

夏の移籍市場に対して、冬の移籍市場ではテコ入れとも言うべき補強が行われる。夏の時よりも選手が少額でやりとりされ、動く選手の顔ぶれも夏より見劣りする印象を受ける。
というのも、冬の移籍市場を迎えるタイミングというのは、各クラブにとってシーズンの折り返し地点にあたる。

折り返し地点である分、シーズンの前半で上手くいったこと、上手くいかなかったことを考えるタイミングだ。当然、上手くいかなかった部分には改善が必要で、戦力が足りない部分には戦力を補わなくてはならない。
改善点を埋めるということは、ピンポイントでの補強となるため、少額の移籍になることが多い。

さらば愛すべきクラブよ。出ていく選手が多いのは夏!

高額の移籍や選手が活発に動くのは、夏の移籍市場であることは紹介したとおりだ。しかし、新加入の選手が増えるということは、出て行く選手も夏のほうが多くなる。
大型移籍が実現してしまえば、クラブ側は財政的にも、出場機会確保のためにも、空きをつくる必要があるのだ。

今までいた選手を放出することで、新戦力のための給与や出場機会を用意しなくてはならない。放出される選手はこういったクラブの考えをよく理解しており、身の振り方を熟考する。
その上で残る選手も存在するが、やはりクラブ側の意向で不本意ながら放出されることも多い。

冬になるとだんまりを決め込むクラブがいるのはなぜ?

夏の移籍市場では多くの選手を獲得したにもかかわらず、冬の移籍市場になるとだんまりを決め込むクラブも存在する。それは夏の移籍市場で満足のいく補強ができ、折り返し地点を迎えても安定した成績を出しているクラブだろう。

移籍市場というのは、何も絶対に選手を獲得する必要はない。文句なしの陣容、文句なしの成績を維持できているのであれば、何もする必要ない。むしろ新しい選手を獲得したり、新たに選手を放出したりすると、乱れが生じてしまう。
そんな時はだんまりを決め込むのが一番だ。

夏と冬!結局どちらの移籍が面白い?

このように、夏と冬の移籍市場にはそれぞれ違いや特徴がある。ただ、インパクト的な面での面白さではやはり夏の移籍市場の方が勝るだろう。
移籍金の額が高額になればなるほど、人々からの注目や期待は大きくなる。

しかし、冬の移籍市場が面白くないかといえばそうではない。冬の移籍市場では金額やネームバリューで見劣りこそすれ、クラブ側のテクニックや審美眼を観察することができるからだ。
獲得した選手の活躍により、シーズン後半の成績が好転するならば、「冬のあの補強は成功だった」といえるに違いない。

事実、2016-17シーズンにマンチェスター・シティFCに正式加入となった、ガブリエル・ジェズスは加入直後から大活躍。これまでセルヒオ・アグエロに頼りがちだった攻撃陣には新しいアクセントが加わった。
是非、夏と冬それぞれの移籍市場の動向によく注目していただきたい。

動いた選手、動かなかった選手に注目し、選手やクラブの考えを推理しよう。
サッカーはプレーだけでなく、夏と冬それぞれの移籍市場から色々なことを知ることができる。そういった市場に一喜一憂しながらサッカーにふれるのも、また一興である。