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【影の支配者?】サッカー界を操る名物オーナー&会長とは?

2017 9/13 14:03dai06
ジョゼップ・マリア・バルトメウ会長
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バルセロナ会長!改革を迫られるバルトメウ

FCバルセロナ(以下、バルセロナ)の会長を務めているのが、ジョゼップ・マリア・バルトメウ会長(以下、敬称略)だ。

彼は副会長の座から暫定的な会長へと就任し、2013-14シーズン終了後にバルセロナの正式な会長となった。前任者はバルセロナが今まで避けてきた胸スポンサーを導入し、バルセロナの伝統を重んじるのではなく商業的な推進を図った。よって、ヨハン・クライフ氏らクラブ関係者、サポーターからの反感を買い、辞任に追い込まれていた。
後任のバルトメウに課せられたのは、バルセロナがバルセロナとしての誇りを取り戻すことと、強いクラブをつくり上げることだった。

2014-15シーズンには、セスク・ファブレガス選手やアレクシス・サンチェス選手ら主力を相次いで放出するも、ルイス・スアレス選手やイヴァン・ラキティッチ選手ら国内外の実力者を大金をはたいて獲得した。史上最高のトリデンテ(3トップ)と呼ばれたMSNの結成は、彼の功績のなかでも群を抜いて素晴らしいものだ。

ただ、2017年にネイマール選手(以下、敬称略)がパリ・サンジェルマンFC(以下、PSG)に移籍しまったことにより、MSNは解散。クラブの行く末が危ぶまれている。
さらにはシャビ・エルナンデス選手らOBがバルセロナの現状を嘆いており、バルトメウの方針に疑問符がつくこともある。「世界から実力者を集めるのではなく、もっとユース出身者を重んじるべきではないか?」といった声だ。

MSNを欠いた以上、世界有数の選手を連れてくるのが彼のタスクではあるが、ユース出身の選手の流出を止めるのも彼の役目だろう。
クラブは改革を迫られており、バルトメウはその手腕を試されている。常に勝利を求められるバルセロナにとって、ユース出身の若い選手を起用することは難しい選択だが、バルセロナの優れた育成力はクラブのブランド力でもあり伝統だ。バルトメウは今後どちらを重んじるのだろうか。

マドリード会長!銀河系軍団再結成なるか?フロレンティーノ・ペレス

レアル・マドリードCF(以下、マドリード)の会長がフロレンティーノ・ペレス会長(以下、敬称略)だ。

彼は1999-2000シーズン終了後に会長となり、2005-06シーズン途中の2月に会長を辞任。そして2009年の6月に再び会長となっている。 彼は積極的な補強を行うことで有名で、これまでにも数々のビッグネームの獲得に成功している。マドリードが「銀河系軍団」と呼ばれた時代も、彼がつくりあげたものだ。選手時代のジネディーヌ・ジダン監督(以下、敬称略)、ロナウド氏、そして最初の就任で公約に掲げていたルイス・フィーゴ氏は宿敵のバルセロナから獲得してみせた。

彼が本気を出せば移籍市場がどう動くかわからない。故に彼の発言には注目が集まり、ターゲットとされた選手の所属クラブは慌てさせられる。

元々会社の経営を本業とするペレスは、選手の獲得だけでなく、練習場の整備やクラブを挙げてのプロモーション活動にも積極的だ。前述の銀河系軍団の結成や多方面でのペレスの経営手腕の発揮が、マドリードのブランド力向上を牽引していると言ってよい。

選手だったジダンを監督に迎えてからのマドリードは、リーグの制覇やCLの連覇を飾るなどまた強くなった。選手層も厚く、2度目の銀河系軍団の結成も夢ではない。マドリードのブランド力とペレスの行動力をもってすれば、どんな難しい交渉も決まるだろう。

バイエルン代表取締役!頑として譲らないルンメニゲ

FCバイエルン・ミュンヘン(以下、バイエルン)の副会長を歴任し、遂には代表取締役になったのがカール・ハインツ・ルンメニゲ氏(以下、敬称略)だ。

ルンメニゲは選手としてのプレー経験があり、1970年代から80年代のバイエルンとドイツ代表を牽引する存在だった。ポジションはFWで優れた決定力とスピードを発揮し得点を量産、欧州の舞台を席巻し「ミスターヨーロッパ」という愛称を得た。ちなみに彼の弟はミヒャエル・ルンメニゲといい、かつて日本の浦和レッドダイヤモンズ(以下、浦和レッズ)にも加入している。さらに言えば、浦和レッズはバイエルンとパートナシップを兄のルンメニゲ指導の下で結んだという経緯もあった。

ルンメニゲは非常に意志の固い男で、他クラブからバイエルンの選手に関心が寄せられるようなことがあると、「○○は売り物ではない」ときっぱり断るようなタイプだ。また、バイエルンの側が他クラブの選手を獲得する噂が報じられる場合にも、「その噂は事実無根だ」、「デタラメだ」、「空想だ」といった言葉を並べ、実情をはっきりさせないことがある。

故にそんな彼が「○○は放出するかもしれない」と発言した際には、本当に実現してしまうのではないかといった緊張感が漂う。

チェルシーオーナー!監督交代の嵐?ロマン・アブラモヴィッチ

ロマン・アブラモヴィッチ氏(以下、敬称略)は、チェルシーFC(以下、チェルシー)のオーナーを務めている。彼は莫大な資金力を有する石油王だ。
彼は何度か離婚を経験しているのだが、そのうちの1つで支払われた慰謝料は1兆円にも及ぶとされる。多くの人からすれば天文学的な数字だ。

チェルシーは2003年に彼に買収されてから、一気に成長を遂げた。クラブの経営を傾かせた160億円という負債も彼が返済し、多くの選手をポケットマネーで買い集めていった。
ディディエ・ドログバ選手、ジョン・テリー選手、フランク・ランパード氏らレジェンドが誕生し、さらにはフェルナンド・トーレス選手、エデン・アザール選手やアルバロ・モラタ選手、といった高額の移籍交渉を何度も成功させている。

その一方でチェルシーにやってくる監督をすぐ解任してしまう兆候がある。成績がぐらつけば時間を与えることなくシーズン途中で監督を解任し、クラブを不安定にすることがあるのだ。

しかし、彼は本当にサッカーを愛しており、チェルシーが試合をする際にはよくスタジアムに訪れる。カメラに抜かれるとニッコリと笑い、サポーターたちに手を振ることもある。そしてまた真剣な眼差してピッチを眺め、ゴールが決まれば思い切り大喜びする。そんな彼に好意的なサポーターも多い。

PSG会長!カタール王族の友人?ナーセル・アル・ヘライフィー

PSGの会長は、ナーセル・アル・ヘライフィー氏が務めている。彼は友人にカタールの首長で王族のヘネム氏がいる。そしてPSGの筆頭株主は、カタールの投資庁の子会社QSIだ。
つまり、PSGはカタールの王族が所有しているクラブということだ。

カタールは世界でも有数の石油産出国だ。PSGにもこのオイルマネーと王室の財力が流れ込んでくる。
2011年にQSIが筆頭株主となってからは、多くの高額移籍を連発。ズラタン・イブラヒモヴィッチ選手、エセキエル・ラベッシ選手、エディンソン・カバーニ選手、ダビド・ルイス選手、チアゴ・シウバ選手、ユリアン・ドラクスラー選手などなど、獲得した選手の枚挙には暇がない。

そして2017年夏にはバルセロナからネイマールを獲得した。実現することがないとされていた彼の獲得は、約290億円を支払うことで成功。この移籍は世界のクラブを驚かせ、方々で自クラブの選手の違約金設定額を引き上げる事態へと発生した。

PSG、いやカタールという国が本腰を入れれば、オイルマネーでどんな移籍も成功させてしまう可能性がある。故にナーセル氏の行動や彼の持つ太いパイプには注目が集まっている。