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【忘れられぬサッカー】ワールドカップの歴代名場面を解説!

2017 6/30 12:56dada
ジネディーヌ・ジダン
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戦慄が走った!ジネディーヌ・ジダンの頭突き

2006年のW杯ではジネディーヌ・ジダン氏(以下、敬称略)が大活躍した。決勝のイタリア戦ではチップキックで易々とPKを決めて見せ、先制点を挙げたのだ。
しかし、後半延長戦になると、マルコ・マテッラッツィ氏(以下、敬称略)に思い切り頭突き。そのまま退場処分をくらい、ジダンは現役を引退した。 偉大な選手だっただけに、このような幕引きは多くの人が悔やんだ。
しかし、ジダンは後にこのことに対して「後悔していない」と発言した。この事件の前にはマテラッツィからは幾度となく挑発行為やラフプレー、ジダンの家族に対する暴言があったとされる。 残念ながらジダンのフランス代表は、その後のPK戦に敗れて準優勝。後味の悪い試合となった。
ジダンは2016-17シーズン現在、古巣のマドリードで監督業をしている。前任のベニテス監督の時にはなかったような選手からの尊敬の念を集め、チームは好成績を残し続けている。 かつての頭突き事件は鳴りを潜め、「ジダンは選手でも監督でも凄い」のイメージで通っている。

伝説のシーン!マラドーナの神の手ゴール&5人抜き

1986年のW杯ではマラドーナ氏(以下、敬称略)が話題をかっさらった。準々決勝の相手となったイングランドは、フォークランド紛争の影響もあってか、試合前から緊迫した状況を迎えていた。
そんな状況下でマラドーナは、浮き球を左手で触ってそのままゴールへ押し込んだ。この瞬間、イングランド代表の選手たちは自身の腕を叩き、「あれはハンドだ!」と強くアピールした。しかし、そのままゴールは認められ、アルゼンチン代表の得点となる。
そしてその直後にはマラドーナがピッチ中央から約60mをドリブルで独走。マラドーナの持ち味である敏捷性の高さと加速力を活かし、5人をあっさりと突破すると、そのままゴールをものにした。アルゼンチンはそのまま決勝戦で西ドイツ代表に勝利し、優勝している。
なお、マラドーナのハンドによるゴールが「神の手ゴール」と呼ばれるのは、マラドーナ自身が「あのゴールは神のご意思によって許されたゴールだったのだ」といった主旨の発言をしたためである。

自作自演だった負傷?ロハス事件

1990年のW杯南米予選のこと、チリ代表だったロベルト・ロハス氏(以下、敬称略)は、サッカー史に残る大事件を起こしてしまう。それが「ロハス事件」である。
チリ代表はアウェーのブラジル戦で勝利をものにしなくてはならない状況にあった。 その試合の後半25分、突如ピッチに発炎筒が投げ込まれる。投げ込んだのはブラジル人女性で、GKのロハスの近くに落ちた。その瞬間にロハスはピッチに倒れ、頭から大量出血。そのままピッチを去り、チリ側は再試合を要求するに至った。
しかし、後の検証により発炎筒はロハスに当たっていないことが証明された。そして、ロハスの頭部からの出血は自身が隠し持っていたカミソリによる自傷行為と判明。ロハスはサッカー界から永久追放処分を下され、ピッチに別れを告げた。
その永久処分は2001年に解かれ、かつて所属したサンパウロFCなどでのコーチ業を行ったようだ。 ロハスの行いは少しずつ風化しつつあるが、このように水を差す行為は当然のことながら行ってはならない。ただ、試合途中に頭から大量出血するというインパクトは相当なものであった。

掴み取ったW杯への道!本田圭佑のど真ん中PK

2014年のW杯出場をかけた予選のオーストリア戦。本田圭佑選手(以下、敬称略)は素晴らしいPKを決めた。
試合は膠着状態にあったが、後半37分にオーストリアが先制点を奪う。当時の監督だったザッケローニ監督は次々と交代のカードを使うが、なかなか同店ゴールを奪うことができない。
しかし、後半45分。本田が強気のクロスを放り込むと、オーストリアのマット・マッカイ選手の腕に当たりPKを獲得。 キッカーだった本田はど真ん中に思い切り蹴り込み、見事にゴール。5大会連続、日本のW杯本大会出場を決めた。
本田には当初から非難が集まっていた。「ビッグマウス」と揶揄するような声もあった。しかし、そんな声もなんのその、PKをど真ん中に蹴り込む強心臓が本田にはあった。このメンタルの強さに、多くの国民が感動し、「さすが本田圭佑!」、「日本代表の大黒柱」といった称賛の声が挙がった。

無敵艦隊を率いた天才!イニエスタの決勝ゴール

2010年のW杯決勝。スペイン代表とオランダ代表の試合は膠着し、延長戦に突入していた。 アンドレス・イニエスタ選手(以下、敬称略)はその試合のヒーローとなった。
両国の代表にはそれぞれ攻撃に優れた選手が大勢いたが、GKのスーパーセーブが相次ぎ、得点を奪うことができなかった。またイエローカード14枚という多さは、W杯の決勝では最多のことで白熱した試合を表す一つの指標であったかもしれない。試合はもつれにもつれた。
しかし、延長後半11分にスペイン代表が中盤でボールを支配すると、複数人でパス交換をしながらゴール前へ一気に加速。もたつくオランダ代表のDF陣をかわしボレーシュートを叩きこんだ。 この瞬間、スタジアムは歓喜の声がこだました。試合はそのまま終わり、スペイン代表が優勝。2008年のEUROでの優勝、そして2010年のW杯優勝、その後のEURO2012でも優勝を経験し、「無敵艦隊」と呼ばれるようになった。
このスペイン代表の躍進のいずれにも、天才的ゲームメーカーであるイニエスタの存在があった。彼無くして、スペイン代表の活躍は語れないだろう。

お前が決めるんだ!マリオ・ゲッツェ

2014年のW杯決勝、悲願の母国開催だったブラジル代表は惨敗を喫し、決勝にはドイツ代表とアルゼンチン代表が進出した。
試合はアルゼンチンが守備を固め、ゲームを支配するドイツの攻撃を守り切っていた。ただ、アルゼンチンもリオネル・メッシ選手やゴンサロ・イグアイン選手らを筆頭とした豪華な攻撃陣でドイツ陣営を攻めたてるが、世界最高峰のGKマヌエル・ノイアーの牙城を崩すことはできなかった。
試合はそのまま延長後半8分。マリオ・ゲッツェ選手(以下、敬称略)、縦に素早く突破したアンドレ・シュールレ選手のクロスを受けると、胸で優しくワントラップしそのままボレーシュート。ドイツ代表がそのまま逃げ切り、優勝を手にした。2010年のW杯同様、延長後半での劇的なゴールが試合を決めたのだった。
ゲッツェはピッチに送り出される前に、ドイツ代表監督のヨアヒム・レーブ監督から「いいか?お前はメッシよりできるんだ。そのことをこの場で照明しろ。お前にはその力があるんだ」とエールを送られていたようだ。 その言葉にゲッツェは見事にゴールで応えたのだった。