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宮崎県初の日本一!鵬翔高校サッカー部の秘密に迫る

2017 5/15 09:56takutaku
サッカー
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出典 kungverylucky/Shutterstock.com

宮崎県は、同じ九州の福岡や長崎、鹿児島などに比べるとサッカー部の成績は後進国だった。 その流れを断ち切ったのが鵬翔高校サッカー部だ。 冬の全国選手権で宮崎県勢として初優勝を決めた鵬翔高校サッカー部、その秘密をさぐってみた。

宮崎では無双状態の鵬翔高校サッカー部

鵬翔高校は、宮崎県宮崎市にある男女共学の併設型中高一貫校だ。1922年に創設され、創立から1世紀近くの伝統を誇る。
知育・徳育・体育の充実を理念に掲げる鵬翔高校は、もともと簿記の専門学校としてその歴史をスタートさせた。その後、家政科や土木科、そして珍しい看護科など実学を重視した多くの学科を増設して現在に至る。
鵬翔高校は宮崎県内でも運動部の活動の盛んなことで知られている。特にサッカー部は県内でも1、2を争う強豪として、その名を知らぬ者はないチームだ。

宮崎県初の全国制覇を成し遂げた2012年

鵬翔高校サッカー部は、もともと県内有数の強豪として有名だったが、全国的な知名度はいまひとつだった。県代表として冬の選手権には12回の出場を果たしているが、いずれも1回戦か2回戦で敗退するというのが恒例で、最高でも3回戦止まりだったのだ。
「事件」が起きたのが2012年の第91回大会だった。宮崎県代表として12回目の出場を果たした鵬翔高校サッカー部は、下馬評をくつがえして勝ち進む。そして決勝戦、京都代表の京都橘高校をPK戦で見事に破り、悲願の全国初制覇を成し遂げたのだ。

全県民を勇気づけた優勝パレード

鵬翔高校サッカー部の全国初優勝は大きなニュースとして地元でも話題となった。市内のメインストリートを交通規制して行われた優勝記念パレードでは、沿道に3万人もの市民が駆けつけ、優勝を祝う声援を投げかけたそうだ。
誇らしげに凱旋した選手たちの姿は、サッカーを愛する子供たちやその家族だけでなく、すべての宮崎県民を勇気づけたことだろう。
鵬翔高校サッカー部には、宮崎市から市民栄誉賞が授与され、輝かしい歴史に新たな1ページが書き加えられた。

多くのプロ選手を輩出している鵬翔高校サッカー部

鵬翔高校サッカー部のOBには、増田誓志選手(アル・シャールジャSCC)や興梠 慎三選手(浦和レッドダイヤモンズ)など多くのプロ選手が名を連ねている。いかに鵬翔高校サッカー部に優秀な選手が集まってくるか、うかがい知ることができる。
しかし、いかに優秀な選手がいても、それだけでは良い成績を挙げられないところもサッカーの醍醐味だ。事実、県内ではトップの実力を誇る鵬翔高校サッカー部でも、いざ全国大会でライバルたちとしのぎを削る場面になると、どうしても勝負弱い場面が見られ、予選の早い段階で涙を飲むことが多かったのだ。

鵬翔高校サッカー部のさらなる飛躍には新たなライバルが必要

2017年の鵬翔高校サッカー部は活躍を期待できるのだろうか? 2012年の優勝はセンセーショナルな出来事だったが、優勝は積み重ねてこそ本物だ。一度限りでは「まぐれだったのでは?」と言われかねない。
もっとも、鵬翔高校サッカー部が今以上に実力を底上げするためには、県内のライバルたちの実力向上が欠かせない。ライバルチームがあるからこそ練習にも身が入るものだからだ。
しかし、宮崎県高校サッカー界は、鵬翔高校と日章学園の2大チームが支配しているのが現状だ。冬の選手権に限っていえば、平成11年以降のすべての県予選は鵬翔高校と日章学園の間で優勝旗が行き来している。鵬翔高校サッカー部のライバルは日章学園しか存在しないのが現状なのだ。

まとめ

宮崎県ではトップチームとして君臨する鵬翔高校サッカー部を紹介した。 スポーツはライバルがいるからこそ切磋琢磨の気持ちが盛り上がり、実力も向上するものだろう。 鵬翔高校サッカー部にとって残念なことは、強すぎてライバルがあまりにも少ないということだ。 再び全国制覇を勝ち取るためには、日章学園以外のライバルの出現が切望されるところだ。