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日本代表は?U-20ワールドカップの結果から考える女子強豪国

2017 3/22 18:27芝田カズヤ
サッカー
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出典 bikeriderlondon/shutterstock.com

2年に1度20歳以下の選手によって構成される代表チームが参加するU-20ワールドカップ。女子は2002年に当時はU-19世界選手権として始まりその後U-20ワールドカップとなった。今回はU-20ワールドカップの過去の結果から強豪国がどこなのか考察する。

優勝経験のある国はどこか?

2002年に始まったまだ歴史の浅い大会であるため、優勝経験のあるチームはそれほど多くない。過去U-19世界選手権の時を含めて8大会行われているが、優勝しているのは3カ国のみだ。最多優勝は3回のアメリカ、ドイツで、ついで2回の北朝鮮だ。
アメリカやドイツはフル代表もワールドカップやオリンピックなどでも優勝経験のある強豪国だ。また北朝鮮はその詳細はベールに包まれているが、アジア大会では何度も優勝しているなど、やはり強豪国といえる。 フル代表での強さはU-20年代でも共通しているのだろうか?

優勝経験のある国から考える強さの理由

アメリカとドイツに関しては、何と言っても女子サッカー界の中でも選手の数が多い国ナンバー1と2だ。アメリカが約166万人、ドイツが約95万人となっていて、豊富な選手数が強さの理由の1つにあると考えられる。
また、北朝鮮に関しては分かる範囲になってしまうが、少し前のFIFAの資料によると国内にあるサッカーチームの約3分の1が女子チームのようだ。この比率は日本に比べると非常に高く北朝鮮が女子サッカーに力を入れているということがわかる。また、U-20の下のカテゴリーのU-17ワールドカップにおいて、2016年大会では日本を下して優勝しており、幼い頃からサッカー指導が行われているものと考えられる。

意外な国も強かった

U-20代表とフル代表の強さはほとんど同じと思われるかもしれない。確かにその傾向もあるが、一方で、意外な国も結果を残している。それはナイジェリアだ。ナイジェリアはU-20ワールドカップにU-19世界選手権時代も含めて8大会すべてに出場しているほか、2度の準優勝を経験している。現在の女子フル代表の世界ランキングは35位(2016年12月現在)と決して高くはない。
また、男子のナイジェリア代表もU-20ワールドカップにおいて同じく2度の優勝経験があり、若い世代での強さが目立つ国だと言える。 女子フル代表に関してはワールドカップで準優勝どころか3位にも入った経験がないということからも、ナイジェリアという国がU-20年代において強い国であると考えられる。

日本は強豪国と言えるのか?

日本は、これまでに5回出場し2012年と2016年の2度、3位になった経験がある。フル代表のなでしこジャパンが、ワールドカップを制覇し、オリンピックでもメダルを獲得するなどの成果を上げていることからもわかるが、U-20年代においても、日本は強い国であると考えられる。
強さの背景には様々な要因があるが、例えば、エリート養成機関であるJFAアカデミーの存在はその1つなのではないかと考えられる。実際に2008年大会の代表には、現なでしこジャパンの山根恵里奈選手がJFAアカデミー所属選手として選出されている。
このような機関の存在もそうだが、一方で草の根レベルでの普及活動も行われていて「なでしこひろば」と呼ばれる活動も、国の強さにつながっているかもしれない。 サッカー協会が中心となり女子サッカーの普及、強化への取り組みは確実に成果として現れている。

U-20とフル代表の関係

U-20代表においては、必ずしもフル代表における力関係がそのまま当てはまるわけではないケースもある。それは、20歳という年齢制限だ。大人の年齢ではあるが、サッカー選手としてはまだまだ成長途中。10代のうちから出来上がっている選手もいれば20歳を過ぎてから伸びてくる選手もいる。
U-20代表でワールドカップに出場し、世界と戦うという経験をすることで成長のきっかけとなる選手もいるかもしれない。代表チームが強いに越したことはないが、年代の特徴を考えると、また違った見方ができる。

まとめ

U-20ワールドカップに出場したことのある国のなかでの強豪国を紹介した。若いうちのフレッシュな選手を楽しみにして観るのもいいだし、逆に選手が将来フル代表になった時にどのように変化しているのか、という視点で観てもいいのではないだろうか。ぜひ、フル代表だけでなく若い世代にも注目してほしい。