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もしサッカーで日本が金メダルをとったらどうなる?

2016 10/17 10:21
オリンピック サッカー
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Photo by fstockfoto / Shutterstock.com

五輪種目の中では本大会に先駆けて行われるサッカー。今後、日本が金メダルを獲得できたら、どのような影響や波及効果が期待できるのだろうか。その可能性を検討していく。

五輪サッカーは23歳以下の男子しか原則出場できない

男子の五輪代表は、原則として23歳以下の選手に限られている(オーバーエージ枠を除く)。このため、W杯を目指すフル代表とは別物と考えられ、レベルも1段階下に見られている。
過去の戦績では多くが予選敗退となっているが、1968年のメキシコ大会では銅メダルを獲得した。96年のアトランタ五輪からは常に本大会に出場しており、W杯の出場経験が無い国が強国ブラジルを破る「マイアミの奇跡」を演じた。2012年のロンドン五輪ではメキシコ大会に次ぐ4位の好成績を収めた。

女子サッカーにとってW杯とオリンピックは同価値

男子のような年齢制限の無い女子五輪代表はフル代表も兼ねており、オリンピックはW杯と同価値のタイトルとなっている。1996年から正式種目となり、ロンドン五輪までに計5回開催された。
強豪国として世界に名を轟かせている女子は、2008年の北京五輪は4位と頭角を現し始め、11年のW杯初優勝を踏まえて金メダルが期待されたロンドン五輪では銀メダルを獲得した。残念ながらリオ五輪は出場権を逃したが、世代交代を乗り越えて再起に期待がかかる。

五輪サッカーで優勝すれば新聞号外は出そう?世界もニュースに?

英ブックメーカー大手の「bet365」によるオッズの発表では、リオ五輪における日本の優勝は34倍となっている。これは参加16カ国中10番目の数字だ。本命視されているブラジルが2.87倍で、最下位のフィジーが1001倍なので、世間的には「優勝も可能」とみなされている。アトランタ五輪では、予選でブラジルを撃破した際は新聞や雑誌が号外を出し、海外でも「番狂わせ」と話題になった。
日本はサッカー強豪国というイメージが広がりつつあるが、それでも五輪優勝は世界を驚かせるニュースとなった。

サッカー熱も高まり国内リーグが再びブームになる?

もし日本サッカーが五輪で優勝すると、なでしこジャパンが11年W杯で優勝した時のようなブームが起こるだろう。
女子サッカー人口の増加に寄与したのはもちろん、なでしこリーグの活性化や優勝にあやかって小売店がセールを開催するなど波及効果は全国に広がり、1兆円を超えるとも計算された。ちょうど東日本大震災で自粛ムードだった経済が明るい話題で消費への転換へと図れたことも影響しているが、かなりの金額であるのは間違いない。
五輪男子の金メダルはW杯優勝ほどではないだろうが、国民的人気のサッカーであるため「おめでとうセール」は開かれる可能性は高く、V戦士を一目見ようとJリーグの観客も増えると思われる。

決勝で活躍した選手はビッグクラブから声がかかりそう?

日本サッカーが金メダルを獲得すると、選手個人の価値は当然急上昇することが予想される。決勝ゴールを挙げた選手、体を張って攻撃を食い止めた守り、神がかったセーブを連発するGKなど、海外クラブも見本市のように品定めしてプレーに注目している。
若手主体の五輪代表はJリーグクラブが主体となるので、世界的には無名だったとしても、最高の舞台で活躍したことが契機となってビッグクラブへの移籍が実現する可能性もある。

まとめ

五輪サッカーで日本の優勝は可能であると世界が見ているほど、男女ともにレベルは高まった。五輪で金メダルを獲得することによって、国内リーグは再注目され、それに伴う消費も活性化し、選手個人の市場価値も飛躍的に高まるだろう。