チームに柔軟性が身に付いた
―来年のW杯でも日本代表の主将になると思います。2大会連続で主将ということについては?
何も変わらないですが、前回経験しているのはやはり大きいです。いろいろな状況について予測ができますから早めに対応できると思います。チームがいい状態のときも悪い状態のときも。
ただ、前回ははっきり言って注目度0、今回は地元開催なので注目度100です。それが一番の違いでしょう。
でも注目度が高いのはうれしいことでもあります。われわれの戦う姿勢を多くの日本人に見てもらえる。それはプレッシャーというよりもうれしいことです。
もちろん、スタジアム、気候、などに慣れている点で、ホームの優位性もあります。でも、家族、友人、知り合いなどが近くにいるのは必ずしも優位ではありません。
例えば、直前に友人が、応援に会いにくるかもしれないし、突然「チケットが欲しい」と言ってくるかもしれません(笑)。そんなことは前回のイングランド大会ではほとんどありえなかったことですから。
よくキンちゃん(大野均)と話すのは(来年も含めて)あとW杯に3回出たいということです。
キンちゃんは、前回37歳で出ました。私は来年31歳。3回出るには39歳で出ればいいわけで。キンちゃんは叩かれても叩かれてもラックの真ん中から出てくるのでゾンビと呼ばれていますが…(笑)
※大野均(日本代表LO、キャップ歴代最多98、W杯3回出場、リーチとは東芝のチームメイト)
―2016年に日本代表から離れたのは?
もし、2016年も日本代表でやっていたら僕は死んでいたかもしれません。それはないとしても、たぶんラグビーが嫌いになったと思います。それぐらい前回のW杯ではギリギリまで自分を追い込みました。
だからジョセフがヘッドコーチになった頃、日本代表は言われたことはやるが、自主的でないなどと言われたそうですが、知りません。
確かに、エディの頃は、エディの言う通りにやるのがチームのスタイルでしたし、事実、それで勝ちました。
ジョセフに代わってからも選手は初め言われた通りやるだけだったのかもしれません。でも今は、自主的に考えて積極的に取り組んでいます。
それは、2015年以前からのメンバーにはエディの頃に培われたものがあり、それがジョセフのスタイルとは違うので、皆、考えるようになったということで、それが柔軟性なんだと思います。
―トニー・ブラウンとジョン・プラムツリーの2人のコーチについては?
ブラウンがアタックをプラムツリーがディフェンスを、2人ともよく考えてくれていると思います。
最初に、ジェイミーがプランを掲げてと言いましたが、そのプランをブラウンとプラムツリーがアタック、ディフェンスでそれぞれ細かく指示を出すような役割です。選手たちはそれを考えながら自分たちでスタンダードにしています。
選手の中では前回も出場したフミ(田中史朗=SH)、堀江(翔太=HO)がよくサポートしてくれます。チームは着実に成長しています。