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意外と知らない!ウィルチェアーラグビーのルールを解説

2017 5/8 19:55m-wataru
ラグビー
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Photo by Mila Supinskaya Glashchenko/Shutterstock.com

車いす(ウィルチェアー)を使用したスポーツはいろいろあるが、その中でもハードな部類の競技がウィルチェアーラグビーだ。 車いすでの激しいぶつかり合いが特徴で、その様子だけなら見たことがあるかもしれない。だが、意外とルールは知らない方が多いのではないだろうか? ここではウィルチェアーラグビーのルールを紹介する。

ウィルチェアーラグビーの基本的な試合のルール

ウィルチェアーラグビーは、車いすに乗った選手たちがバレーボールとほぼ同サイズのボールをパスやドリブルをしてゴールラインに運び、得点を競う競技だ。ウィルチェアーラグビーの特徴として、膝の上にボールを乗せた状態での移動も認められている。
使用されるコートはバスケットボールと同じ広さのコートで、基本的に室内競技になる。競技時間は1ピリオド8分間で、1試合で合計4ピリオド行う。ボールの種類や使用されるコート、室内競技ということを見ても、車いすなしのラグビーとはかなり違いがあることが分かる。

試合人数と車いすの種類について

ウィルチェアーラグビーの試合は、4人対4人で行われ、交代選手の人数に制限はない。選手交代の回数にも制限はないため、頻繁に選手を入れ替えることが可能だ。
また、選手が使用する車いすは、オフェンス用とディフェンス用に大きく分かれている。オフェンス用の車いすは、コンパクトに設計されており、ターンや細かい動きができるようになっている。一方、ディフェンス用の車いすは、敵の車いすの動きを封じるために、バンパーと呼ばれる突起物が車いす前方に付いているのが特徴だ。

ウィルチェアーラグビーのボール運びのルール

ボール運ぶ際、ウィルチェアーラグビーではボールを膝の上に乗せて、何回でも車いすをこぐことが可能だ。しかし、ボールを保持している選手は10秒以内にドリブル、またはパスをしなくてはいけない。
パスを出す際、車いすなしのラグビーの場合、前方にパスを出すことはルール違反になるが、ウィルチェアーラグビーでは認められている。他にも、ボールを転がして運ぶこともできる。ただし、得点が認められるのは、ボールを保持した状態の選手が乗った車いすが、ゴールラインを越えた場合のみだ。

ウィルチェアーラグビーのタックルのルール

ウィルチェアーラグビーでは車いすでのタックルが認められている。ただし、手で他の選手の車いすや身体に触れることは禁止されており、ペナルティの対象になる。そのため、敵の動きを妨害するために車いす同士がぶつかり合う激しいプレイが、試合の中でたびたび発生することになる。
また、車いすでのタックルは、相手の車いすのホイール中心より後ろ部分へすることは禁止されている。車いす後方へのタックルが認められるとスピニング・ファウルとなり、オフェンス側であればボールの所有権が相手に移ることになる。

ウィルチェアーラグビーのクラス分けについて

ウィルチェアーラグビーでは、選手の障がいの度合いによって、各々に点数が決定される。障がいが重ければ0.5点など点数は小さくなり、障がいが軽ければ3.5点などと点数は大きくなる。この点数は各選手の上肢と体幹にそれぞれ設定され、1チーム4人の選手の合計点数が8点以下に納まるようにしなければならない。
また、女性選手がチームに入る場合は、女性1人に対してマイナス0.5点の修正が入る。これらすべてを考慮してチームメンバーの構成をする必要がある。

まとめ

今回はウィルチェアーラグビーのルールを紹介した。 ウィルチェアーラグビーは障がい者スポーツだが、かなり激しいスポーツだ。 ルールはラグビーと異なる点が多いので、事前にしっかりと確認しておこう。