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初心者向け大学ラグビーのレベルと観戦ガイド

2016 10/17 10:21
ラグビー
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Photo by melis / Shutterstock.com

2015年のラグビーW杯で一躍脚光を浴びたラグビーですが、以前から根強い人気を誇るのが大学ラグビーです。大学ラグビーが国内のラグビー界にとってどんな位置付けで、海外とのレベル差はどれほどあるのかを紹介していきます。

大学ラグビーの強豪校

大学ラグビーは伝統的に、関西よりも関東の学校の方が強い傾向にあります。実際に、学生の頂点を決める大学選手権では早稲田、明治、帝京、関東学院の次に同志社がラインクインする程度です。
その同志社に至っても、最後に優勝したのは1984年(80、82、83年と合わせて計4回)とかなり昔のことです。直近では天理大学が2011年に準優勝していますが、関東とのレベル差を埋めるには至っていません。
近年の関東ラグビーは帝京大学が最も強いのですが、伝統校の早慶明の3校は別格であり「早慶戦」「早明戦」などの伝統の一戦は盛り上がります。

ラグビートップリーグへの人材を多数輩出

国内最高峰リーグであるトップリーグはラガーマンの憧れでもありますが、どの大学がトップリーガーを最も輩出しているのでしょうか。
トップリーグの2014年度における選手の出身大学を集計すると、トップは帝京(55人)、2位は関東学院と東海(49人)、4位早稲田(48人)、5位明治(43人)、6位同志社(32人)、8位筑波(31人)、9位流通経済(23人)、10位立命館(20人)、11位は慶応義塾と大阪体育(19人)となっています。
近年では無類の強さを誇る帝京の他にも大学選手権で優勝経験のない東海大(準優勝は09、15年の2回)や流通経済大、立命大からも多数のトップリーガーが生まれているようです。

大学がトップリーグに勝つ日

大学ラグビーとトップリーグの力量差はかなり開いているといえます。
社会人大会と大学選手権の優勝チームが対戦する日本選手権はかつてそれぞれの優勝チームが一発勝負で対戦していましたが、1990年代に神戸製鋼の全盛期だった頃、学生との実力差が顕著になり始めた結果、97年度から双方とも複数のチームが出場してのトーナメント方式となりました。
それ以降、大学生がトップリーグ勢に勝ったのは2005年度(早大28ー24トヨタ自動車)と15年度(帝京大31ー25NEC)の2回です。

海外ラグビーの名門校との対戦

国内における大学ラグビーの立ち位置が見えてきたところで、海外ラグビーの名門校との比較について紹介します。
海外の大学ラグビーといえば、ケンブリッジやオックスフォードの定期戦が最も有名ですが、プロリーグのある国は大学ラグビーはあまり充実しておらず、直接プロリーグへと所属する傾向にあります。近年では2015年9月に初の英国遠征をした帝京大がケンブリッジ大と対戦し、67ー5で勝利を収めています。
また、2009年にあった日英交流試合ではオックスフォードとケンブリッジ大の連合軍「オックスブリッジ」が関東学院大に勝利(17ー10)、慶応義塾大には敗れています(19ー25)。

大学ラグビー観戦にもっていきたいもの

大学ラグビーに興味がある方は、ぜひ球技場へと足を運んでほしいのですが、観戦の際に気をつけたいことをいくつか挙げておきます。
まず、ラグビーのシーズンは冬がメーンとなるため、防寒具を着込んでの観戦が重要となります。また、基本的に試合は屋外で開催されるため、天候次第では雨がっぱを着る必要もあるでしょう。
競技場の椅子はプラスチック製なので、長時間座っていると冷える場合も考えられますから、できれば座布団のようなものを持っていくとよいでしょう。席によっては試合の様子がわかりにくい場合もありますから、視力に自信がない方はオペラグラスを持っていくと便利です。

まとめ

トップリーグに追いつき、追い越せを目指す大学ラグビーですが、実際はトップチームの壁が厚く苦戦が続いています。今後、トップリーグの上位チームを崩す大学は表れるのか、注目が集まります。