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トヨタ復帰で注目度急上昇!世界ラリー選手権のルールを紹介

2017 6/13 12:41出井章博
WRC
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Photo by Ivan Garcia/Shutterstock.com

日本では目にする機会が少ない世界ラリー選手権だが、世界ラリー選手権は世界最高峰のレースの1つであり、世界的に人気のレースなのだ。今回は世界ラリー選手権のルールについて紹介する。

世界ラリー選手権の概要

1973年に世界各所で行われていたラリーレースを組織化して、ラリーレースの最高峰として国際自動車連盟(FIA)が作ったのが世界ラリー選手権だ。世界ラリー選手権は頭文字を取ってWRCと略される。
FIAが作った国際自動車レースとしては、1950年に作られたフォーミュラタイプの自動車の最高峰F1世界選手権に次いで古い歴史がある。タイトルはドライバー部門と、ドライバーをナビゲートするコ・ドライバー部門、そして製造した自動車メーカーに与えられるマニュファクチャラー部門がある。

世界ラリー選手権の競技方法

世界ラリー選手権の競技方法は、スペシャルステージ(SS)と言われる公道や競技場に作られた特別なコースでタイムアタックをして、所要時間で競うスペシャルステージラリーだ。リエゾンあるいはロードセクションと呼ばれるスペシャルステージ間の移動は、一般車に交じって、交通法規に従って移動する。
木曜日から日曜日までの4日間ほどの間に20前後のスペシャルステージでのタイムアタックを行うのが標準的なスケジュールとなる。スペシャルステージの合計走行距離は300から400km、リエゾンを加えた1つのレースの合計走行距離は1,000kmから2,000kmにも及ぶ。また夜間を走ることもあり、過酷なラリーレースとなっているのだ。

世界ラリー選手権の車に関するルール

世界ラリー選手権の車に関するルールでは、基本的には一般に売られている車をベースに、許されている範囲で改造してレースを行うことが決められている。性能別にクラス分けされているうち最高クラスにあたるWRCで使われるワールドラリーカー(WRカー)は、自動車メーカーのワークスと呼ばれる組織によって開発されたマシン。
外装は一般に売られているものに似ているが、中身は全く別物のモンスターマシンだ。スペシャルステージで走る時とリエゾンで走る時と全く別物になるほどハイテクな技術が使われている。

タイトルの争い方

世界ラリー選手権のドライバー部門は1戦のスペシャルステージ合計タイムで競い、1位に25ポイント、2位に18ポイント、3位に15ポイント、4位以下は12、10、8、6、4、2、1とポイントが与えられる。加えてスペシャルステージの最終ステージはパワーステージと呼ばれ、2016までは1位に3ポイント、2位に2ポイント、3位に1ポイントが加算されていた。コ・ドライバー部門も同様のポイントの加算方法だ。
マニュファクチャラー部門はドライバー部門と全くポイントの加算の仕方は同じだが、各チーム2台までエントリーできるので、その2台の合計ポイントで争われる。

世界ラリー選手権の参加資格は?

世界ラリー選手権に参加するために必要なのは、国際C級ライセンスだ。C級といっても国際A級ライセンスが必要なF1世界選手権に比べ、ドライバーの力量が劣るということはない。
例えば、F1のトップドライバーであるキミ・ライコネン選手も2009年から2011年に世界ラリー選手権に参戦したが、優勝はおろか表彰台にも上がれなかった。F1が瞬発力を競うモータースポーツなら、ナビゲーションを受けながら自然や悪路を長時間走るラリーレースは忍耐力や持久力といった特質が求められるもの。
こちらにもやはり世界最高峰のドライバーが集まっている。

まとめ

世界ラリー選手権のルールについて紹介した。世界ラリー選手権は、FIAが主催するレースで、世界のトップドライバーが集まる。自然や悪路の中、長距離に渡って走るレースは見ごたえがあり、今後もっと人気が上がることを望む。