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ソリを使ったウィンタースポーツ、スケルトンとは

2017 2/9 09:26
ソリ スケルトン
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Photo by Perspectives - Jeff Smith / Shutterstock, Inc.

スケルトンというウインタースポーツをご存じでしょうか。 オリンピック中継などで見かけるソリを使って速さを競う競技ですが、普段はあまり見ることがありません。 ここでは、スケルトンを知りたい方のために、基礎知識をご紹介します。

スケルトンとは

スケルトン(skeleton)とは、英語で骸骨や骨組みという意味を持ちます。ウィンタースポーツのスケルトンも、競技で使うソリの構造が鉄組だけでできていたことから名付けられたと言われています。そのソリに乗って、氷結させたコースを滑り下り、タイムによって勝敗を競う競技です。
ソリに乗るのは一人だけで、頭を前にして腹ばいの形でソリを操ります。現在冬季オリンピックの正式競技に採用されており、毎年ワールドカップやインターコンチネンタルカップなど、世界レベルの大会も開催されています。

それほど古くないスケルトンの歴史

スケルトン発祥の地はスイスのサンモリッツといわれています。1884年にトボガンと呼ばれる簡単な作りのソリを使った競技が行われましたが、このトボガンがスケルトンの原型と考えられています。
やがて、現在のようなスケルトン競技として確立され、1923年には国際ボブスレー・スケルトン連盟(IBSF)が設立されます。1928年の第2回サンモリッツ大会で冬季オリンピックの正式競技に採用されますが、2回目に実施された1948年の第5回サンモリッツ大会を最後に除外されます。その後、競技人口の増加もあり、2002年のソルトレイクシティ大会で復帰を果たしました。

スケルトンの競技方法

スケルトンはソリを使った他の競技、ボブスレーやリュージュと兼用で作られたコースを使って行われます。コース全長は1,300~1,500m、高低差は100~150mの大小さまざまなカーブが作られた曲がりくねった氷道です。
競技種目は男子と女子の一人乗りで、スタートからソリを押して加速を付け、腹ばいにソリに飛び乗り、滑り下りるまでのタイムを競います。スタートは合図があって30秒以内でないと失格になります。そのほかにも、スタート直前にソリ、ランナー(滑走部)、スパイクの規格検査と温度確認、ゴール直後に重量確認があり、規定外だと失格になります。

重さにもうるさいソリの制約

スケルトンで使うソリは、名前の由来のとおりシンプルな構造になっています。ランナーと呼ばれる、スケートでいえば刃の部分と、シャーシーと呼ばれる車台しかありません。ランナーはソリの左右にあり、長さ1m、太さ16mmほどの鋼鉄製の丸い棒です。
ソリには寸法と重量の制約があり、長さ80~120cm、幅34~38cm、高さ8~20cm、重量は男子ソリの重量が33kg以上43kg未満、女子ソリの重量が29kg以上35kg未満となっています。競技では腹ばいに乗り、重心移動でソリを操作します。

日本でのスケルトン

日本におけるスケルトン競技は、日本ボブスレー・リュージュ・スケルトン連盟(JBLSF)が統括しています。JBLSFは1972年の札幌オリンピックに合わせて設立されました。当時スケルトンはオリンピック競技ではありませんでしたが、ボブスレーとリュージュに対応するためです。
その後、2002年にスケルトンがオリンピック競技に採用されると、3種類のソリ競技の日本代表団体として現在に至ります。国内ではコースが長野オリンピックで使われた「スパイラル」しかありませんが、全日本スケルトン選手権大会やジュニアの競技会を主催すると同時に、ワールドカップやヨーロッパカップなど国際大会への選手派遣、ソリ競技の普及促進などを行っています。

まとめ

歴史や競技方法など、スケルトンの基本的な事柄をご紹介しましたが、いかがでしたか。 日本ではコースも少なく、見る機会も少ない競技ですが、スピード感あふれるエキサイティングな競技です。 これをきっかけに、ぜひスケルトンに興味を持ってみてください。