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18年ぶりのWRC!Toyota Gazoo Racing注目選手

2017 6/13 12:41出井章博
Toyota Gazoo Racing
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Photo by HUANG Zheng/Shutterstock.com

Toyota Gazoo Racingはトヨタのワークスとしては18年ぶりの復帰となる。1993年にはマニュファクチャラー部門で総合優勝し、一時代を築いたトヨタ。そんな気になるToyota Gazoo Racingの2017年のマシンや注目選手を紹介する。

トヨタのワークスのWRC参戦

トヨタのワークスへの参戦のきっかけは、WRCが始まる前の1968年に遡る。南アフリカのプライベーターであるヤン・ヘッティマ氏が、コロナのハードトップでモンテカルロラリーに出場し、そのための支援をトヨタに求めたのだった。その2年後には、トヨタのワークスが立ち上げられ、モンテカルロラリーにワークスとして初めて参戦した。
1973年にWRCシリーズが始まると、アメリカで優勝。WRCビッグイベントでは1975年の1000湖ラリーでカローラレビンによる優勝、ドライバーはハンヌ・ミッコラ氏というフィンランド人だ。

1993、94年にWRCマニュファクチャラー部門をトヨタが連覇!

1975年以降はサファリラリーに重きを置いたトヨタは、1984年から86年までサファリラリー3連勝を飾る。そして、翌1987年に当時トヨタが所属していたグループBのクラスで深刻な事故が起き、トヨタはグループAにステップアップする。
セリカGT-FOURを擁し、1988年5月のコルシカで初戦を戦うと、翌1989年からはユハ・カンクネン氏、ブジョン・ワルデガルド氏、カルロス・サインツ氏と実績のあるドライバーを擁し、一気にトップチームへ。1990年にはサインツ氏がドライバーズタイトルを、92年もサインツ氏がドライバーズタイトルを獲得した。
そして、1993年ディディエ・オリオール氏とユハ・カンクネン氏を擁して戦い、念願のマニュファクチャラー部門でシリーズタイトルを獲得。翌1994年には連覇を果たしている。

1999年WRC撤退とF1参戦

タイトル連覇を果たしたトヨタだが、翌1995年は苦戦する。開幕から1勝しかできなかったのだ。
その年の9月、オーストラリアで他車を引き離すスピードのマシンを登場させるが、そのマシンに欠陥が見つかる。内容はエアリストリクターの違反というレギュレーション違反で、トヨタは1年間の出場停止処分を受けることとなったのだ。
トヨタはその間を開発機関に当て、1997年にセリカGT-FOURのエンジンを積んだカローラを登場させる。1999年には3度目のマニュファクチャラー部門でタイトルを獲得し雪辱を晴らすと、翌2000年からはF1に戦いの場を移すことが発表された。

Toyota Gazoo Racingとして18年ぶりのWRC復帰

トヨタは2017年にToyota Gazoo Racingとして18年ぶりにWRCに復帰する。Toyota Gazoo Racingの代表はフィンランド人の往年の名ラリードライバー、トミ・マキネン氏だ。マシンはヨーロッパでヤリスの名前で知られているトヨタのヴィッツだ。エンジンは1.6リットル直噴ターボ、最高出力380馬力以上だ。タイヤはミシュランを選択した。
2台体制で10号車はドライバーがヤリ=マティ・ラトバラ選手、コ・ドライバーがミーカ・アンティラ選手。11号車はドライバーがユホ・ハンニネン選手、コ・ドライバーはカイ・リンドストローム選手だ。

2017年の注目選手は?

2017年シーズン注目の選手はヤリ=マティ・ラトバラ選手だ。ラトバラ選手は1985年4月3日フィンランド生まれ。父親もプロのドライバーで、幼少期はカートでドライビングのスキルを磨いた。
2002年に三菱・ランサーエボリューションでプライベーターとしてWRCデビューすると、2008年のBPフォード・アブダビ・ワールドラリーチームで参戦し、第2戦スウェディッシュ・ラリーで初優勝。22歳313日の優勝は史上最年少優勝記録だ。
翌年以降もコンスタントに優勝を重ね、ドライバーズ部門でシーズン2位を3度獲得するなど、Toyota Gazoo Racingでのタイトル獲得が期待される。2017年の第2戦スウェーデンでは早くもトヨタに18年ぶりの勝利をもたらしている。

まとめ

18年ぶりのWRC復帰で注目のトヨタのワークスToyota Gazoo Racingの2017年のマシンと注目選手について紹介した。2017年の第2戦で優勝し、早くも輝きを見せ始めているToyota Gazoo Racing。今後の戦いに注目だ。