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3台体制に!WRC2017ヒュンダイの注目選手を紹介

2017 6/13 12:41出井章博
hyundai WRC
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出典 EvrenKalinbacak/Shutterstock.com

WRCのヒュンダイワークスについて紹介する。ヒュンダイは3人の若手注目ドライバーを擁しており、非常に期待が高まっている。ヒュンダイワークスの歴史や、2017年のマシンの特徴、注目ドライバーについて詳しくお伝えする。

ヒュンダイワークスの歴史

ヒュンダイのワークスは、2000年から2003年にアクセントWRCというマシンでWRCに参戦していた。しかし、マシンの非力さを露呈し、最後は資金力不足で撤退とヒュンダイとしては不本意な形でWRCの参戦を終えた。ヒュンダイのワークスは2014年に前回の苦い結果を挽回すべく、WRCに帰ってくる。そして、復帰初年度からティエリー・ヌービル選手が第9戦ドイツで優勝、ダニ・ソルド選手が2位に入り、ワンツーフィニッシュを決めた。
2015年に優勝はなかったが、安定した走りでマニュファクチャラー部門で3位に輝いている。2016年は現代自動車Nチームでヘイデン・パッドン選手が第4戦アルゼンチンで、ティエリー・ヌービル選手が第6戦のサルディーニャで優勝している。

2017年シーズンのヒュンダイのマシン

ヒュンダイワークスの2017年シーズンのマシンはi20クーペWRCだ。2016年のマニュファクチャラー部門で2位になったヒュンダイは、潤沢な資金で屈指の若手ドライバーを起用し、ドライバーを満足させるため、新レギュレーションに合わせて380馬力のマシンを完成させた。
高速でコーナーを回る際に、ダウンフォースを高めるために大きなリアウィングを採用。5か月の開発期間で完成度の高いマシンに仕上げた。

アグレッシブなニュージーランド人ヘイデン・パッドン選手

ヘイデン・パッドン選手は1987年4月20日ニュージーランド生まれのラリードライバーだ。パッドン選手は父親もラリードライバーで、父の影響で幼い頃からカートで技術を磨いた。
2016年のラリー・アルゼンチンでヒュンダイのマシンでWRC初優勝。この勝利はニュージーランド人初の快挙だった。ちなみに、共に戦ったコ・ドライバーのジョン・ケナード選手は57歳の勝利で、WRCの史上最年長勝利だった。
2017年も期待の高かったヘイデン・パッドン選手だったが、第1戦のモンテカルロラリーの最初のスペシャルステージで横転事故を起こし、観客が巻き込まれてしまった。この事故でパッドン選手は大変なショックを受けたが、2017年残りのシーズンには立ち直ってくれるのだろうか?

エリート教育を受けたティエリー・ヌービル選手

ティエリー・ヌービル選手は1988年6月16日ベルギーのザンクト・フィート生まれで、プジョー・シトロエングループの育成プログラムで育った。
このプログラムは王者セバスチャン・オジェ選手が所属していたのと同じものだ。2012年からシトロエンジュニアチームとフォードのセカンドチームであるカタールワールドラリーチームでWRCにフル参戦し、翌2013年はカタールワールドラリーチームで4戦連続2位を獲得するなど、ドライバーズランキング2位になった。
2014年からはヒュンダイに移籍し、ドイツでWRC初優勝。2015年は低迷したが、2016年にイタリアで2年ぶりに勝利し、ドライバーズランキング2位に再び返り咲いた。

カルロス・サインツ氏の後継者ダニ・ソルド選手

ダニ・ソルド選手は1983年5月2日スペインのカンタブリア州トレラベーガで生まれている。WRCで2回ドライバーズタイトルを獲得したカルロス・サインツ氏の後継者とされていて、サインツ氏のコ・ドライバーを務めていたマルク・マルティ選手がソルド選手のコ・ドライバーを務めている。2007年にシトロエンのワークスからWRCデビュー。
なかなか優勝に届かなかったが、2013年のドイツでWRC初優勝を飾る。2014年からはヒュンダイに移籍し、ドライバーズランキング10位、2015年は8位、2016年は5位と確実にステップアップしている注目の選手だ。

まとめ

2017年のWRCのヒュンダイチームについてお伝えした。注目の若手ドライバー3人は、どんなアグレッシブな走りがを見せてくれるのか非常に興味深い。チーム内のライバル関係もあるから、白熱した戦いが期待される。