辛い時期を乗り越え、つかんだ重賞勝利
雪が降り凍えるような一日となった前日とはうって変わり、青空が広がった1月19日の中山競馬場。クラシック初戦の皐月賞と同じ舞台で争われた京成杯(GⅢ・芝2000m)を振り返る。
1番人気は祖母にアドマイヤグルーヴという良血牝馬、スカイグルーヴ。新馬戦では逃げて後続に5馬身差をつける強い内容だったが、重賞の舞台でも牡馬相手にどのようなレースをするのかに注目が集まった。
スタンド前での先行争いは、ロードオブサンダーがすんなりと逃げる形で落ち着いた。しかしそれをぴったりとマークするヒュッゲ、さらにはスカイグルーヴと続き、前半1000mの通過は1:01.5だった。
ほぼ一団で3コーナーを通過して行ったが、残り600mすぎで外から持ったままでスカイグルーヴが進出。再び盛り返したロードオブサンダーと2頭が並んで直線コースへと向いたが、直線半ばでは完全に抜け出し、勝負あったかに思えた。
しかし、大外から1頭次元の違う脚で追い込んでくるピンクの勝負服。12月15日の中山芝1800mの新馬戦を勝利してここに挑んできたクリスタルブラックがゴール前でスカイグルーヴを差し切り、重賞初制覇を果たした。稍重で行われたレースの勝ちタイムは、2:02.1。
騎乗した吉田豊騎手は、2017年に頸椎骨折という大怪我で長期休養を余儀なくされたが、辛い時期を乗り越えた先につかんだ3年ぶりの重賞勝利だった。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
このレースを担当した東大ホースメンクラブの本命は、未勝利戦を好タイムで勝利していたビターエンダー。中団からレースを進め、ジリジリと伸びてはいたものの馬券圏内にはクビ差届かず、4着だった。