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【京成杯&愛知杯】馬・騎手ともベテランが大活躍した2レースを振り返る

2020 1/20 12:00SPAIA編集部
3年ぶりに重賞を勝利した吉田豊騎手ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
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ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

辛い時期を乗り越え、つかんだ重賞勝利

雪が降り凍えるような一日となった前日とはうって変わり、青空が広がった1月19日の中山競馬場。クラシック初戦の皐月賞と同じ舞台で争われた京成杯(GⅢ・芝2000m)を振り返る。

1番人気は祖母にアドマイヤグルーヴという良血牝馬、スカイグルーヴ。新馬戦では逃げて後続に5馬身差をつける強い内容だったが、重賞の舞台でも牡馬相手にどのようなレースをするのかに注目が集まった。

スタンド前での先行争いは、ロードオブサンダーがすんなりと逃げる形で落ち着いた。しかしそれをぴったりとマークするヒュッゲ、さらにはスカイグルーヴと続き、前半1000mの通過は1:01.5だった。

ほぼ一団で3コーナーを通過して行ったが、残り600mすぎで外から持ったままでスカイグルーヴが進出。再び盛り返したロードオブサンダーと2頭が並んで直線コースへと向いたが、直線半ばでは完全に抜け出し、勝負あったかに思えた。

しかし、大外から1頭次元の違う脚で追い込んでくるピンクの勝負服。12月15日の中山芝1800mの新馬戦を勝利してここに挑んできたクリスタルブラックがゴール前でスカイグルーヴを差し切り、重賞初制覇を果たした。稍重で行われたレースの勝ちタイムは、2:02.1。 騎乗した吉田豊騎手は、2017年に頸椎骨折という大怪我で長期休養を余儀なくされたが、辛い時期を乗り越えた先につかんだ3年ぶりの重賞勝利だった。

2020年の京成杯を制したクリスタルブラックⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

このレースを担当した東大ホースメンクラブの本命は、未勝利戦を好タイムで勝利していたビターエンダー。中団からレースを進め、ジリジリと伸びてはいたものの馬券圏内にはクビ差届かず、4着だった。

ベテラン勢が上位を占める

1月18日に小倉競馬場で行われたのは、牝馬限定のハンデ重賞である愛知杯(GⅢ・芝2000m)。前走エリザベス女王杯で4着だったセンテリュオが1番人気に支持されていたが、レースは波乱の決着となった。

横一線のスタートからの先行争いを制してハナを奪ったのは、モルフェオルフェ。2番手にリリックドラマ、3番手にランドネと続いていく。人気どころではサラキアが中団よりやや前目、その2馬身後ろにパッシングスルー、センテリュオは後方2番手からレースを進める。

前半1000mの通過は1:00.1、ペースの割には馬群が凝縮して各馬は3コーナーへと差しかかり、2番手のリリックドラマが早めに動きだすと、その他の馬も徐々に進出を図る。最後の直線へと向き、抜け出したのはレイホーロマンス、しかしそれを内から一気に差し切ったのは9番人気、トップハンデ56kgの7歳馬デンコウアンジュだった。勝ちタイムは2:01.1、レースの上がり3ハロンは37.0とタフなレースとなった。

2着には外から追い込んだ6歳馬アルメリアブルーム、3着は7歳馬のレイホーロマンスと、いずれもキャリア豊富なベテラン馬たちが上位を占める結果に終わっている。

予想は上がりがかかる馬場を得意とするポンデザールを狙ったが、3コーナーでペースが上がった後は反応できず……。2000mが忙しかったのもあるが、現時点では重賞でも荷が重かったということだろう。