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【ジャパンC】「平均上がり34.2」「4角平均ポイント2.5」に合う馬は?

2019 11/21 11:00三木俊幸
2019年ジャパンCインフォグラフィックⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

2レースでレコードが更新される

今年で39回目の歴史を数えるが、初めて外国馬の参戦がゼロとなったジャパンC(GⅠ・芝2400m)。香港国際競走に向かう馬も多く、メンバー的には手薄となったが、騎乗する騎手の名前を見ると、デットーリ、ムーア、スミヨン、ビュイック、マーフィーと豪華な名前が連なっており、世界を代表する名手達の騎乗が東京競馬場で見られるのは、競馬ファンにとってこの上ない幸せだ。

またレース当日は、ゴール横に走破タイムを表示する巨大なロンジンの時計が設置され、海外競馬のビッグレースに引けを取らない高級感溢れる雰囲気を感じることができるだろう。2019年の東京開催最終週、競馬場に足を運び、その雰囲気を体感してみてはいかがだろうか。

それでは今週も馬場傾向の観点からジャパンCを分析、予想していく。まずは、先週11月16、17日に東京競馬場で行われたレース結果を見ていこう。

11/16・17東京芝コースの上がりⒸSPAIA

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全部で13レースが行われ、サトノフラッグが勝利した芝2000m戦では1:59.5のレコードがマークされた。さらに東京スポーツ杯2歳Sではコントレイルが1:44.5という2歳馬としては破格のタイムをマーク。合計2レースでレコードが更新されるほどの高速馬場だった。今週も天気が崩れない限りは速い馬場と考えた方がいいだろう

上がりタイムは33秒台の決着というレースも多かったが、日曜日の午前中に行われた未勝利戦3レースの勝ち馬の上がりが35.0、35.4、34.7と遅かったこともあり、全体では1着平均34.0、2着平均34.1、3着平均34.4、1〜3着の平均は34.2というタイムとなっている。

11/16・17東京芝コースの通過順位ⒸSPAIA

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各馬の脚質を見ていくと、先週からCコースに変わったが、先行馬と差し馬の両方が台頭しており、全体的には脚質面の有利不利はない馬場状態だったと言えるだろう。4角平均通過ポイントでは1〜3着まで全てで2.5Pとなっており、データからもそれが証明される結果となった。

先週の傾向と過去10年のデータが完全に一致

続いて過去10年のジャパンCの上がりタイムと脚質を分析すると面白い結果となった。

ジャパンカップ過去10年の通過順位ⒸSPAIA

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このデータを見るまでは、GⅠのメンバーでもあるので平均は33秒台となるだろうと推測していたが、結果は1着34.2、2着34.1、3着34.3、1〜3着の平均は34.2と思いのほか、スタミナ比べのレースが多いことがわかった。また平均タイムの34.2は偶然にも先週の平均とも全く同じなので、データ的にも心強いものがある。狙うべきは、速い脚を長く使える持続力のある馬ではないだろうか。

ジャパンカップ過去10年の通過順位ⒸSPAIA

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脚質面では1着馬は2015年のショウナンパンドラを除いて、全て4角6番手以内につけている。しかし、2着と3着馬に至っては4角10番手以下からでも、8頭が馬券圏内に絡んでおり、差しも届いている傾向にある。差し・追込馬を軸とする場合は、頭固定というより連軸、複軸として考えた方がよさそう。

それを数値化した4角平均通過ポイントは1着2.3P、2着2.6P、3着2.7Pとなっており、1〜3着の平均では2.5P。またしても先週の馬場傾向と全く同じ数値だった。ここまで数字が同じなのであれば、完全にリンクしていると言っていいので、上がり34.2、4角平均通過ポイント2.5Pを基準とする。

ベスト条件で勝機十分のスワーヴリチャード

今年のジャパンC出走馬の中から推奨するのは、カレンブーケドール、スワーヴリチャード、ユーキャンスマイル、ルックトゥワイス、ワグネリアンの5頭とする。

ジャパンカップ出走馬の3着以内に好走したときの平均上がりⒸSPAIA

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その中でも基準となる数値に最も近い平均上がり34.3、4角平均通過ポイント2.5だったスワーヴリチャードを本命に推したい。同馬は昨年のジャパンCでも3着という実績があり、ある程度の先行力も兼ね備えている。さらに左回りが得意とまさにベストが整った。天皇賞・秋をひと叩きされて状態も上がっており、勝機十分だ。

対抗は平均上がり34.4、4角通過ポイント2.4Pの3歳牝馬カレンブーケドール。実績面ではやや劣るが53kgという斤量は有利で、過去にはレッドディザイア、ジェンティルドンナ、デニムアンドルビーが3歳牝馬として馬券に絡んでいる。人気がなければ面白い存在だろう。

3番手は平均上がり33.9、4角平均通過ポイント2.7Pのワグネリアン。2017年のダービー馬でこの条件はピッタリ。2000mであと一歩というレースが続いているだけに、天皇賞・秋より上がりが要求されるこのレースで更なる前進が期待できる。

天皇賞・秋で4着だったユーキャンスマイルも距離延長はプラス材料。平均上がり34.5、4角平均通過ポイント2.9Pと上位3頭と比べると強調材料に欠けるが、この馬も左回りを得意としており、今年に入り著しく成長を続けているのでチャンスは大いにありそうだ。

そして平均上がり34.6、4角平均通過ポイント2.9Pとかけ離れていても、デットーリ騎手が騎乗するルックトゥワイスまで押さえておく。騎乗すると他の騎手に比べて5馬身は違うとも言われるほどの名手で、ジャパンCは3勝を挙げている。先行させる技術が高いので、これまでよりは前でレースを進められそうなので、侮れない一頭だ。

2019年ジャパンカップのインフォグラフィックⒸSPAIA

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