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【セントライト記念】先週の馬場傾向からは33秒台の上がりが必要? 本命は死角のないあの馬

2019 9/15 11:00三木俊幸
イメージ画像ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
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ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

時計、上がりともに速い馬場

先週の土曜、日曜は中山競馬場に行ってきた。何度も取材している競馬場なだけに、いつもと同じ日常が始まると思っていたが、ファインダー越しの世界は春とは全く違った景色で、想像していた以上に夏競馬での経験は自分にとって大きなものだったと感じた2日間だった。

今週、中山競馬場では菊花賞トライアル、セントライト記念(GⅡ・芝2200m)が行われる。春に悔しい思いをした馬や大舞台に立てなかった馬が、この夏を経てどのような姿をみせてくれるのか楽しみだ。いつもどおり、先週の馬場傾向と過去10年のセントライト記念の上がりタイムをもとに、レース分析を行っていく。

9/7・8 中山芝コースのレース傾向ⒸSPAIA

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芝では合計12レースが行われたが、開幕週らしく速い時計の決着が目立った。中でも京成杯オータムハンデキャップでは、1:30.3という日本レコードが記録されており、今週も引き続き高速馬場のレースになると思われる。

勝ち馬の平均上がりタイムも34.0と、中山コースにしては非常に速い上がりがマークされている。そのため、33秒台の上がりを使えることが好走の必須条件と言っても過言ではない。脚質をみても、12レース全てが逃げ・先行決着となっており、完全に先行馬有利という傾向だった。

今年は33秒台の上がりが必要?

続いて過去10年(2014年の新潟開催は除く)のセントライト記念の上がりタイムをみていこう。

過去10年の上がりⒸSPAIA

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33秒台の上がりを使った馬での決着となったのは、ミッキースワローが勝利し、アルアインが2着となった2017年のレースのみ。それ以外ではおおむね34秒台の決着で、35秒台の上がりで3着以内に好走しているパターンもちらほらあった。平均すると、1着馬が34.5、2着馬が34.9、3着馬が34.6となっている。

先週の傾向を踏まえると、33秒台の上がりを要求されることも十分に考えられる。それだけにタイム34.5を基準に、33秒台の上がりを使って好走もしているかどうかを考慮し、予想すべきだろう。

ザダルに死角なし

馬場傾向からみたセントライト記念の推奨馬は以下の5頭とした。

好走したときの平均上がり(3着以内)ⒸSPAIA

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ニシノデイジーとリオンリオンを除いた3頭の平均上がりタイムは、34秒台と僅差。その中で基準の34.5に最も近かったのは、ザダルの34.4だった。

ここまで3戦3勝のザダル。新馬戦と2戦目の500万円下(現:1勝クラス)は中山コースだったこともあり、コース実績は十分。加えて、前走のプリンシパルSでは上がり33.7を使って勝利している。こういったことから、好位につけられる先行力も兼ね備えていると思われ、馬場傾向から死角も見当たらない。

エングレーバーは平均上がり34.7。2走前のプリンシパルSではザダルにクビ差で敗れたが、一瞬は勝利したかと思えるほどの内容だった。先行力があり、中山コースに変わるのは間違いなくプラス材料。それだけに、ザダルに一矢報いたいところだ。

平均上がり34.8のオセアグレイトは、現在3連勝中。いずれも2400m以上の距離で先行して押し切る強い勝ち方をしているので、むしろ菊花賞で狙いたいタイプ。未勝利戦ながら、上がり33.8で馬券圏内に好走した経験もあるので、今回の馬場も問題ないと思われる。

平均上がり35.5のリオンリオンは、これまで33秒台の上がりを使った経験はない。だが、青葉賞の時のように、淡々と自分のペースで逃げると怖い。先週の京成杯オータムハンデキャップで見事な逃げ切りを決めた横山典弘騎手なら、2週連続で同じ戦法をやってきても不思議ではない。

平均上がり35.6のニシノデイジーは、東京スポーツ杯2歳Sで上がり33.9を使って勝利。前走の日本ダービーでも5着と健闘している。中山コースでは勝ちきれていないものの、外回りの2200mは合うと考えるので、しっかりと押さえておきたい。

▽セントライト記念予想▽
◎ザダル
▲オセアグレイト
☆エングレーバー
△リオンリオン
△ニシノデイジー

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