「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

函館SSは3、4歳馬が断然有利 4つ中3つのデータに当てはまった2頭に注目

2019 6/14 11:00門田光生
NHKマイル時のダノンスマッシュⒸ明石智子
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒ明石智子

サマースプリントシリーズが開幕

先週に行われたマーメイドSは4歳馬同士の決着。まず一番初めに「5、6歳が狙い目」とした時点で外れが決定していたというわけ。ああいう荒れたレースをビシッと当てれば勢いに乗れそうなのだが。なかなかうまくいかないものである。

今週から函館開催が開幕。北海道シリーズが始まると、いよいよ夏競馬の到来である。今回取り上げる函館スプリントステークスは開催週が徐々に早まる傾向にあり、ここ4年は開幕週に行われている。今回は過去10年のデータから見ていこう。

函館競馬開幕週枠番別成績ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

開幕週は馬場が良く、それだけに前が止まらないというのはよくあることだが、個人的な印象だとその傾向が顕著なのが福島と函館。データではどうかと思い調べてみると、内枠有利というよりは外枠不利の傾向というべきか。

ただ、函館スプリントステークスに関しては内枠有利といって良さそう。どちらにせよ、外枠より内枠に入った方が勝利する確率が高くなるのは間違いない。

3、4歳世代が圧倒

続いて年齢。ダービーが終わってから3歳・古馬混合戦となっているが、やはり斤量で有利な3歳馬は強い印象。

函館SSの年齢別成績ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

このレースではどうかと調べてみると、3、4歳馬がほかの世代を圧倒している。マーメイドSでは裏目に出たが、今回の方がデータ的に差は大きい。ベテランより若い馬を狙うべきだ。

函館SSの年齢別成績ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

斤量については面白いデータが出ている。軽いか、重いか両極端の馬が好成績を挙げている。斤量が軽いのは3歳牝馬、重いのは実績馬ということになるか。

データ的にはこの2パターンが有力となる。

東西どちらの所属馬が優勢?

次の表は前走でどのクラスを走っていたかをデータにしたものだが、レースの格が高い方が好成績となっている。

函館SSの前走クラス別・前走阪神出走馬の成績ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

強い馬にもまれてきた馬が、相手弱化で力を発揮しているのだろう。また、前走が阪神で走っていた馬の成績がいいことも覚えておきたい。

函館SSの東西所属別の成績ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

最後に所属。栗東所属馬が美浦所属馬の倍以上の確率を誇る。二択になったら迷わず栗東所属を選択だ。

今回は人気通りの予感

この記事が公開される木曜日時点では枠順がまだ決まっていないので、、以下の4つのデータで絞り込みをしていく。

①好成績を挙げているのは3、4歳馬
②斤量は軽いか、重い馬が有力
③前走の格が高い馬
④栗東所属

今回の場合、「3、4歳馬」で「斤量が51キロ以下、または58キロ以上」で「前走がGⅠかGⅡ」で「栗東所属」の4点。

残念ながら4つの全てに当てはまる馬はいなかったが、3つ当てはまる馬は2頭いた。まず、斤量以外は全てクリアしたダノンスマッシュ。昨年の北海道シリーズでも活躍した、実績のあるスプリンターだ。

もう1頭はタワーオブロンドン。栗東所属馬でない分のマイナスだが、それ以外は文句なし。安田記念を見送っての参戦だから本気度がうかがえる。

ちなみに今回からSPAIAでは馬券対決が始まるらしいが、無理やり人気馬を軸に持ってきたわけでは決してない。本当だ。

次点は2つ当てはまったアスターペガサス(斤量と前走の格で減点)、ダイメイフジ(年齢と斤量が減点)、ライトオンキュー(斤量と前走格で減点)、そしてリナーテ(年齢と斤量で減点)。相手候補も人気馬になってしまったが、もちろんこれも偶然だ。

というわけで、今回はダノンスマッシュ、タワーオブロンドンを2頭軸にして、アスターペガサス、ダイメイフジ、ライトオンキュー、リナーテへ3連複1000円ずつと、ダノンスマッシュとタワーオブロンドンの馬連1000円。

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想や「最終逆転」コーナーを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬などの予想・記事も執筆中。


《関連記事》
3年前から馬場傾向が変わった函館スプリントS  今週から”サマーSPAIAシリーズ”開幕

過去7年で6頭がアイビスSDを使った馬 2019のサマースプリントシリーズを制するのは?

宝塚記念の女王は3頭、記憶に残るスイープトウショウの勝利 宝塚記念まであと10日