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【ヴィクトリアM】海外帰りは意外と好走?狙うはオンナ心が分かる騎手

2019 5/9 15:00門田光生
アエロリットⒸ明石智子
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Ⓒ明石智子

実績馬か、それとも新興勢力の台頭か

先週の土曜に行われた東京競馬は天候不良(雹)のため、10R以降のレースが中止された。降雪や台風での中止は経験したことがあるが、まさかこの季節に天候不良での中止があるとは…。

そんな荒れ模様な天気と同じく、NHKマイルCは3連単が40万を超える高配当で決着。せっかく1番人気のグランアレグリアを消せたのに、お勧めした4頭BOXのうちアドマイヤマーズ以外は圏外。こういう時にきっちりと仕留めないと駄目なのに。

今週は5月12日(日)に東京マイルGⅠ第2弾、ヴィクトリアマイルが行われる。今回で14回目と歴史は浅いが、過去にウオッカ、ブエナビスタ、アパパネなど名牝が勝っているレースである。今年はGⅠ馬4頭が参戦しているが、実績馬が大先輩に続くのか、はたまた新興勢力の台頭はあるのか。詳しく分析していきたい。

オンナ心が分かる騎手は?

ところで、牝馬といえば剛腕よりも当たりの柔らかい騎手が合うイメージ。そこで、今回騎乗する騎手の牡牝成績を調べてみた。

ヴィクトリアマイルに騎乗する騎手の性別成績ⒸSPAIA

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意外といったら失礼なのかもしれないが、牝馬が合うイメージの武豊騎手、福永騎手が勝率、連対率とも下げている。それどころか、今回騎乗するほとんどの騎手が牡馬の方が数字がいい。

牝馬の方が勝率、連対率ともに上回ったのは三浦騎手と横山典騎手だけ。この2人の騎乗馬は押さえておくと面白そうだ。

阪神牝馬Sと海外帰りが優勢

前走に関しては、阪神牝馬が圧倒的な成績を残している。

ヴィクトリアマイルの前走成績ⒸSPAIA

ヴィクトリアマイルの前走クラス別成績ⒸSPAIA

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出走頭数が多いこともあるが、この10年で3着以内に入ったのが11回。昨年などは上位3頭全てが阪神牝馬Sを経由していた。ほかに挙げるとすれば海外組。全5頭出走して1着2回、2着1回の数字は優秀。遠征するぐらいだからGⅠ級の能力を持っている馬が多いとはいえ、難しい海外帰り緒戦でこの数字は特筆すべきだろう。

また、前走のグレードが高ければ高いほど成績がいい。ぶっつけだろうが、海外経由だろうが、GⅠを使ってここに挑んできた馬はマークすべきだ。

ヴィクトリアマイルの血統別成績ⒸSPAIA

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続いて父系。圧倒的な出走頭数を誇るヘイルトゥリーズン系が勝利数、勝率ともにトップ。ただしマンハッタンカフェ(0-0-0-13)、ダイワメジャー(0-0-0-6)産駒はマイナス。ノーザンダンサー系の中では連対率が25%を超えるクロフネ、メイショウサムソン産駒が優秀で、ミスタープロスペクター系はキングカメハメハ産駒以外圏内に来ていない。

あと一つデータを挙げるとすれば、過去に上位に来た馬が再度来る確率が高いリピーターレースでもある。

アエロリットで文句なし!

データが出そろったところでまとめに入る。

①牝馬に強い騎手が騎乗
②前走が阪神牝馬Sおよび前走の格が高い馬、特に海外帰りは特注
③マンハッタンカフェ、ダイワメジャーを除くヘイルトゥリーズン系、それ以外ではクロフネ、メイショウサムソン、キングカメハメハ産駒は残す
④リピーター
の4項目。

まず①は三浦騎手、横山典騎手がそれぞれ騎乗するフロンテアクイーン、アエロリットをピックアップ。

②はサウンドキアラ、デンコウアンジュ、ノームコア、プリモシーンはGⅢ以下を経由しているので減点対象。

③はアマルフィコースト、ソウルスターリング、ノームコア、フロンテアクイーンが減点対象。

④は過去にこのレースで上位に入った馬はデンコウアンジュ。あとは、アエロリットが昨年掲示板に載っているので、これも一応のリピーター候補である。

まだかなり残っているのだが、一つだけはっきりしていることがある。それは全ての項目をクリアしているアエロリットが文句なしの軸ということ。普通は海外遠征帰りというのがポイントになるが、このレースに限っては逆に結果が出ている。データ的には相手探しといっていいだろう。

その相手だが、前走GⅠを使った馬の勝率、連対率ともいいことから、まずはレッツゴードンキは押さえておきたい。

あとは、最大11頭の上位馬を輩出している阪神牝馬Sだが、過去の傾向からは前走着順より、前走人気が重要な傾向となっているので、ここからは5番人気までに入っていたカンタービレ、ミッキーチャーム、ラッキーライラック、レッドオルガの4頭を推奨する。

あとは牝馬に強い三浦騎手騎乗のフロンテアクイーン、リピーターのデンコウアンジュ。

相手が7頭も残ってまだ絞り切れていないが、混戦模様なだけにオッズは割れるはず。あとはガミらないように祈る。

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想や「最終逆転」コーナーを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬などの記事も執筆中。