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7番人気以内の先行馬を狙え!「いぶし銀」和田竜二の騎乗を分析してみた

2019 4/26 07:00三木俊幸
和田竜二騎手,Ⓒ三木俊幸
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Ⓒ三木俊幸

積極的な騎乗で好成績

「いぶし銀」まさにその言葉がぴったりな男、和田竜二騎手。かつてはテイエムオペラオーの主戦騎手として大舞台でも活躍したが、その後はGⅠレースとは無縁の騎手生活が待っていた。

それでも腐らず毎年安定した活躍を続け、デビュー22年目の2017年にはキャリアハイの96勝、2018年には宝塚記念(GⅠ)でミッキーロケットに騎乗して17年ぶりに中央競馬のGⅠを勝利するなど、活躍の場を広げている。そんな和田騎手の2017年以降の成績について、詳しく分析してみた。

和田竜二騎手の馬場別成績

ⒸSPAIA

2017年1月5日から2019年4月21日までの期間、2145鞍に騎乗して186勝を挙げている。その内訳を見てみると、芝で95勝、ダートで91勝とほぼ同じ成績を残している。勝率、連対率、複勝率を比べてもほとんど差はなく、どちらでも結果を残せるオールラウンダーな騎手だといえるだろう。

続いて脚質別の成績を見てみよう。

和田竜二騎手の脚質別成績

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何となくイメージしていた方も多いかもしれないが、勝利数の約56%にあたる105勝を先行馬で挙げていることが見てとれる。また騎乗数では中団からの競馬が823回と最も多いが、18回しかないマクリを除くと、勝率22.5%、連対率35.9%、複勝率47.2%で逃げの成績が最も良いということからも、常に良いポジションにつけようという積極的な騎乗を心がけていることが、近年の好成績につながっていると言ってもいいだろう。

では人気別の騎乗成績ではどうだろうか。

和田竜二騎手の人気別成績

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最も騎乗数が多かったのは4番人気の224回。また5番人気から7番人気の中穴人気の馬への騎乗も200回以上と多い。人気が下がれば下がるほど、率が悪くなるのは当然のことだが、6番人気時の複勝率が20.1%、7番人気では19.5%という好成績を残している。

その一方で勝利数を見ると1番人気の48勝が最も多く、人気馬に騎乗した際にもしっかりと信頼に応えているということもできる。

乗り難しい馬を乗りこなせる騎手

最後に騎乗数別に馬主成績も調べてみた。

和田竜二騎手の馬主別成績

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騎乗数では73回とサラブレッドクラブ・ラフィアンからの騎乗依頼が最も多かった。ラフィアンといえば、主戦は柴田大知騎手だが、関西圏では和田騎手に多くの騎乗依頼が集まっている。次いで53回の社台レースホース、42回の松本好雄氏、ノースヒルズとなっている。

また騎乗数が少なくても、勝率では栗本守氏が33.3%、杉澤光雄氏が20.8%と好成績を残しており、栗本氏に関しては4勝全てがクリノヤマトノオーとのコンビによるものだった。同馬は乗り難しい馬だと言われており、武豊騎手や岩田康誠騎手など一流騎手も勝利という形で結果を残すことはできていない。

杉澤氏が所有しているバイラについても、3勝中2勝を和田騎手とのコンビで挙げており、端午Sを勝利した際は6番人気、2走前に3着となったポラリスSでは7番人気と人気薄で好走させている。この馬もズブさが見られるなど、乗り難しい馬だという印象がある。

これらの事例が物語るように、難しい馬でもあっさりと手の内に入れてしまうところが、和田騎手の真骨頂だと言えるだろう。今年は4月21日現在で19勝。このままだとキャリアハイには及ばないペースである。ここからの奮起が待たれる。