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【競馬】斎藤新騎手が8勝でトップ 今年の新人たちは「競馬学校花の35期生」?

表彰台,Ⓒ三木俊幸
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Ⓒ三木俊幸

今年の新人は2世ぞろい

今年、中央競馬でデビューした騎手は8人。昨年は3人しか新人騎手がいなかったことを考えると、なかなかの人数である。デビューして約1か月経ったが、どのような成績かを見ていこう。

今年デビューの騎手成績,ⒸSPAIA

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2019年度の新人騎手がデビューして7週経ったが、現段階でトップなのが斎藤新騎手。父はヌーヴォレコルトでオークスを制覇した斎藤誠調教師。デビュー2日目に所属する安田隆行厩舎の馬で初勝利。現時点で8勝を挙げている。減量を生かした逃げだけではなく、差し、追い込みでも勝っておりセンスを感じる。特筆すべきは「率」。さすがにリーディング1位の川田騎手や2位のルメール騎手と比べると酷だが、トップ10に入っている騎手とそん色のない数字である。新人でここまでやれるのは優秀である。

2位が藤井勘一郎騎手。オーストラリアでデビューし、今年6度目のJRA騎手免許試験で合格した苦労人。このジョッキーを新人と言ってもいいか微妙だが、ここまでで5勝を挙げている。デビュー初日に重賞に騎乗するなど、その名をファンの間に広めつつある。

この世代、実は2世が多く、岩田望来騎手は岩田康誠騎手の次男であり、小林凌大騎手の父は小林淳一元騎手。団野大成騎手、大塚海渡騎手の父はともに調教助手である。まさに父親の影響で騎手になっており、子供の頃から馬に触れる機会が多かったかもしれない。

斎藤新騎手は三浦皇成騎手超え可能なペース

デビューして7週間経ったが、ここまで今年デビューの騎手が挙げた勝ち星は19。これも非常に優秀である。昨年デビューした新人は3人と少なかったが、それでもこの時期は4勝しか挙げられなかった。

2018年デビューの成績,ⒸSPAIA

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これを考えると今年の新人はよく勝っているように思える。 実はこの世代は最強世代なのか?この世代よりもデビュー前から世間をにぎわしたのが「競馬学校花の12期生」である。

競馬学校花の12期生成績,ⒸSPAIA

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この年は天才・福永洋一騎手の息子・福永祐一騎手。他にも女性騎手が3人に初の双子の騎手柴田大知・未崎騎手と注目を集めた。

この年のこの時期の全員の勝ち星と比べると、こちらは10人いて21勝だから今年の新人たちとほとんど変わらないといっていいだろう。

近年でいえば、藤田菜七子騎手がデビューした2016年世代はデビューから7週間で11勝、M・デムーロ騎手、ルメール騎手が通年免許を取った年でも新人4人と合わせて23勝(ルメール騎手の騎乗停止はあるが…)である。

最後に斎藤新騎手がこれ以降も同じペースで勝てるのであれば、達成を期待したい記録がある。それは、三浦皇成騎手が持つ新人年間最多勝記録91勝である。三浦騎手のデビュー7週間の成績を見ると、そん色のないペースである。

三浦騎手の成績,ⒸSPAIA

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ただし、三浦騎手は8~11月で毎月2桁勝って見せた。この記録に挑むということは、見習騎手に与えられる減量制度の斤量が少しずつ重くなっていくことになる。それでも続けて勝ち星を重ねていけるのか?年末の結果を楽しみに待ちたい。

※データは2019年4月14日時点