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実はディアドラは中山コースへの適性が高い!? 馬場適性から見た中山記念

ディアドラ,Ⓒ明石智子
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Ⓒ明石智子

湿った良馬場または稍重か

春の最大目標のレースに向けて、多くの馬の始動戦として注目を集める中山記念(GⅡ・芝1800m)に今年はGⅠ馬5頭が出走してきた。中でもディアドラとスワーヴリチャードは3月末に行われるドバイミーティングに遠征する予定になっており、どのようなレースを見せるのかが楽しみだ。今週も馬場状態と馬場適性を重視して、レースの分析を行っていく。

今開催の中山競馬場はAコースが使用される。JRAの発表によると、1月の開催終了後に約2週間のシート養生が行われ、3〜4コーナー内側については洋芝の回復が十分ではないものの、全体的には良好な状態になっているとのことだ。 前開催では時計がやや速く、上がりはややかかり気味という馬場からスタートしたが、乾燥した状態が続いたため後半は勝ち馬の上がりが34秒前半というレースも見られた。今開催でも、初めのうちは前開催後半と同じような馬場になるのではないかと考える。

次に今週末の天気予報だが、金曜日の夜から土曜日にかけて雨の予報が出ているものの、中山記念が行われる日曜日は晴れ予報となっている。雨量と雨がやむ時間次第ではあるが、湿った良馬場または稍重を想定して予想を行なっていく。

小回りの1800m戦に高い適性

これらの条件を踏まえた結果、本命はディアドラとした。

中山記念分布図,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

府中牝馬Sでの上がり32.3は強烈なインパクトがあるが、3走前のクイーンSに注目してほしい。勝ち時計は1.46.2、上がりは洋芝の札幌コースで33.7と力の要るコースを全く苦にすることはなかったし、2着に0.5秒差をつけて圧勝している。このことから広いコースよりも小回りの1800m戦に高い適性があるとも考えられる。過去の良馬場または稍重での平均の上がりは34.3と想定している中山コースの馬場条件にぴったり。ドバイの前哨戦で100%の仕上げではないだろうが、54kgなら勝ち負けになるだろう。

対抗はラッキーライラック。昨年の牝馬クラシックではアーモンドアイの前に完敗だったが、桜花賞2着、オークス3着と好走している。秋華賞では一頓挫があったことを考えると万全の状態ではなかったと言えるだろう。先行力と鋭い末脚を兼ね備えていることを考えると、中山の1800mに変わることはプラスになる。鞍上が主戦の石橋脩騎手に戻り、53kgで出走できるのであれば怖い存在だ。

以下、同条件のスプリングSで勝利しているステルヴィオは、前走のマイルCSでは驚きの先行力を見せてGⅠ制覇を果たし、力を付けている。脚質に幅が出た今ならここでも侮れない存在だ。丸山元気騎手がどのような騎乗を見せるのか注目だ。

中山コースで(4,2,0,1)と好相性のウインブライトは、中山記念連覇に挑む。中山金杯では中団からレースを進め、長くいい脚を使って勝利した。良馬場と稍重での平均上がりは35.0と切れる脚はないが、先行力を生かせる展開になれば、連覇の可能性もあるだろう。

昨年の皐月賞馬エポカドーロも忘れてはいけない。日本ダービーで2着となっているが、その後の神戸新聞杯と菊花賞の内容を見るとやはり距離は2000m前後が良さそう。得意とする条件に戻れば、押さえておきたい一頭だ。

最後にスワーヴリチャードについても触れておきたい。このメンバーに入っても力上位なのは言うまでもないが、やはりベストは左回りで、なおかつ距離も2400m前後あった方がいいだろう。昨秋のレース内容についても、本調子ではなかったと感じただけに間隔を開けてどこまで復調しているかが最大の焦点だ。混戦模様で人気が割れるのであれば、押さえてもいいと思うが、あえて切るなら今回かもしれない。