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【京都記念】大切なのは前走の「格」と母の父の血統

2019 2/7 15:00門田光生
馬群,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

実績馬優勢の京都記念

今年で112回を数えるGⅡ京都記念。毎年、有力馬がここから始動するケースも少なくなく、好メンバーがそろうこともあってファンにも人気のあるレースのひとつといえる。そんな伝統ある京都記念に今年はGI馬マカヒキとタイムフライヤーの2頭が参戦するが、最近の成績を加味すると力の差は紙一重。今年も面白いレースになりそうだ。

前走成績,ⒸSPAIA,

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上記の表は過去5年の上位馬の前走を記したものだが、GⅠを使った馬が他路線組を圧倒している。要するに上り馬には厳しく、実績馬が力通りの結果を残していることになる。また少頭数の年が多いこともあり、大荒れすることはあまりないのも特徴だ。

今年はGⅠ経由は2頭だけ

前章の表を見ても分かるように、とにかくGⅠにさえ出走していれば着順は関係なし。今回の出走馬で前走GⅠを走った馬はパフォーマプロミスとマカヒキだけだ。意外にあっさり絞れてしまったが、この2頭はデータ的に馬券からは外せない存在といえるだろう。

パフォーマプロミスは前走の有馬記念がGⅠ初挑戦。中山が得意のステイゴールド産駒(実際に中山で1戦1勝だった)で穴人気した馬。結果は14着に終わったが、それでもいい経験になったのは間違いない。この父の産駒にしては広いコースも全く苦にせず、京都と阪神の外回り、中京、そして東京コースでも勝ち星を挙げている。コースを選ばないステイゴールド産駒は大物になる可能性を秘めていて、今年7歳を迎えたとはいえ、さらなる活躍が期待される1頭だ。

マカヒキはご存じ第83代ダービー馬。3歳時に凱旋門賞の前哨戦である仏GⅡニエル賞を制してから勝ち星がないが、古馬になってからも随所に見せ場は作っていて、まだ終わった馬とは思えない。

馬場状態も大事

先週、京都で行われたきさらぎ賞はあいにくの雨模様。良発表だったが、勝ちタイム1分49秒0というのはここ10年で2番目に遅いもの(1番目は一昨年で重馬場)。雨の影響があったと考えていいだろう。今週末の天気がどうであれ、ただでさえ開催が進んで荒れ気味の馬場に先週の雨。時計勝負の決着は望めないと考えるのが妥当か。

ここ5年の京都記念の馬場状態は稍、良、重、稍、重。雨の影響を受けている年が4年もある。それもあって、父や母系に欧州血統や馬力型の血が入っている馬の活躍が目立つ。いくら軽い芝といわれる京都とはいえ、冬場で力の要る芝だと傾向が変わってくるのではないかと思い、過去5年の1~2月に行われた京都芝2200mの種牡馬成績を調べてみた。

種牡馬成績,ⒸSPAIA,

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冬場でも変わらず、1位はディープインパクト。しかし、重い芝を好むハービンジャーやルーラーシップがランクインしているところを見ると、やはり少し傾向は変わっているようだ。

さらに、連対した8頭のディープインパクト産駒の母系を調べたところ、アルアインとトーセンデューク以外の6頭は母の父に欧州の重賞を勝った馬、つまり力の要る芝を好む種牡馬の名前が見られた。

ディープの母父,ⒸSPAIA,

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トーセンデュークの母の父フェアリーキングは未勝利馬だが、欧州の大種牡馬サドラーズウェルズ(表にあるタッチングスピーチの母の父)の全弟。これもパワータイプの血統といえる。そういえば、先週のきさらぎ賞を勝ったディープインパクト産駒のダノンチェイサーも、母の父が欧州のGⅠを勝ちまくったロックオブジブラルタルだった。

今回出走する馬で、母の父が欧州の重賞を勝っている馬はアクションスターとノーブルマーズの2頭だけ。これに上記で書いた、GIを経由してここに挑むパフォーマプロミスとマカヒキを加えた4頭のBOXがデータ上からの推奨となる。

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。編集部チーフも兼任。本社予想、「最終逆転」コーナーを担当。現在、サンケイスポーツにて地方競馬の記事を執筆中。