「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

馬券に役立つ!見習騎手を狙うベストな条件とは?

坂井瑠星
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

見習騎手制度とは

見習騎手とは騎手免許を取ったばかりの若い騎手のこと。ベテラン騎手に比べると技術が未熟で、同一条件で競走した場合、どうしても不利になる。そこで若手の騎手に騎乗機会を多く与え、育成を図るために、免許の通算取得期間が5年未満、勝利度数が100勝以下の騎手(見習騎手)に減量制度がとられている。これは平場のレースのみであって、特別レースには適用されない。

勝利度数によって何kg減量されるかが変わり、30勝以下の騎手は3kg、31~50勝は2kg、51~100勝は1kgとされている。新聞やホームページなどの馬柱での見分け方としては、騎手名の横をチェックすればいい。3kg減ならば▲、2kg減は△、1kg減は☆のマークが見習騎手には付いている。

この見習騎手について、成績が優れている騎手や儲かる騎手はいるのか等、条件によって特徴的なデータがないか、2018年の成績を使って探ってみる。

芝よりダートの方が信頼度が高い

まずは中央競馬での見習騎手勝利度数ベスト5を見ていこう。

2018年若手騎手の勝ち星ランキング

ⒸSPAIA


川又騎手が断トツのトップ。複勝率も20%を超えており優秀。人気の藤田菜七子騎手は上位よりも連対率、複勝率が低い。あとは大して色が見られなかった。

次に条件別に見習騎手が得意としている条件を探ってみた。

2018年条件別勝ち星

ⒸSPAIA


上の表はダート、芝を分けて勝ち星の多い条件順に並べたものである。圧倒的に勝ち星が多いのはダート。芝でも連対率、複勝率を見ると変わらず気にすることはなさそうに見えるが、次の表に注目してほしい。

2018年芝の距離別成績

ⒸSPAIA

2018年ダートの距離別成績

ⒸSPAIA


芝の距離別の勝率、連対率、複勝率がダートと比べると悪すぎる。軒並み一桁台。芝だと少し信頼度は薄れる。

逆に狙いたい条件はダートの1000m。前に行ったもの勝ちになることが多い条件だけに、斤量が軽ければ軽いほど出足が付いて前に行けるのだろう。スピードに任せて押し切るような馬に見習騎手が乗った時は積極的に狙っていきたいところだ。

矢作厩舎が見習騎手を使った時は要注意

次は見習騎手を使った時の調教師別勝ち星ランキング。

調教師別ランキング

ⒸSPAIA


菊沢厩舎がトップ。驚きの事実は、勝ち星全てが息子の菊沢一樹騎手だということ。厩舎は先週3勝と好調で、落馬負傷で休養中だった菊沢一樹騎手は今週から復帰。さっそく馬券に絡む場面が見られるかもしれない。

2位は山内厩舎。5勝の森裕騎手、2勝で西村騎手、三津谷騎手と続く。ただし、乗鞍があとの2人よりも森裕騎手が倍以上上回っており、山内厩舎は森裕騎手を優先して使っていることがわかる。

3位の矢作厩舎で注目したいのが勝率、連対率、複勝率の高さ。見習騎手を使った時は馬券的に注目しておきたいデータである。この5人の中で成績が抜けているのは事実だが、それにしても高い。矢作厩舎の昨年全体の成績は勝率9.3%、連対率16.5%、複勝率23.6%なので、減量騎手を使った時の方が数字は高い。

勝ち星で一番多いのは坂井騎手が4勝。2位が2勝の川又騎手。この2人の勝率、連対率、複勝率はともに高く、このコンビの馬が出走した際には、馬券にはぜひとも入れておきたい。

免許取得から5年間で101勝できなければ、自然と減量が取れてしまうのが競馬の世界。ただ、これでは自ら見習騎手を卒業したとは言い難い。一人でもこの中から自力で見習騎手からの卒業をしてほしい。

ちなみに、デビューから11か月8日で減量騎手を卒業したのが三浦皇成騎手。これが今までで最速記録である。外国人が席巻する今の競馬界にこの記録を破るような若手が現れることを期待したい。