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ルメールと武豊が同じエージェントに 勝利数に影響はあるのか

武豊,ⒸSPAIA
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6勝を挙げる大活躍

2019年の中央競馬が開幕し、1週目を終えた時点で武豊騎手が騎乗機会4連勝を含む6勝を挙げる大活躍を見せ、好スタートを切った。そんな武豊騎手にある変化が起きている。

すでに知っているファンも多いかもしれないが、2018年までエージェント(騎乗馬の手配や調整などをサポートする騎乗依頼仲介者)を務めていた平林雅芳氏が引退したため、2019年からルメール騎手のエージェントを務めている豊沢信夫氏に変更になったのだ。では、この変化によってどのような影響があるのか見ていこう。

エージェントは1人につき3人プラス若手騎手1人の最大4人まで担当することが認められている。豊沢氏はルメール騎手の他に、浜中俊騎手と若手騎手の城戸義政騎手を担当している。(2019年1月7日現在)そこに今回、武豊騎手が加わった。

エージェント側としては、昨年215勝を挙げてJRA年間最多勝利記録を更新したルメール騎手を最優先して、騎乗馬を調整することが予想されるが、騎乗馬が重なったときや遠征で騎乗できない際に、武豊騎手に代打騎乗を依頼しやすくなる。そうしたことからも、今回の契約はエージェント、ルメール騎手、武豊騎手の3者にメリットがあるものだと言えるだろう。

もちろん以前と変わらず、武豊騎手に騎乗してもらいたいと考える馬主、調教師は多いため、騎乗馬が劇的に変わることは考えづらい。

しかし、これまであまり騎乗機会の無かった安田翔伍厩舎や斉藤崇史厩舎などからも騎乗依頼が来ており、先週の日曜日には「さすが武豊!」と言わんばかりの結果を残した。

松田国英厩舎×ルメール騎手には要注意

では、2018年に豊沢氏がエージェントを務めるルメール騎手と浜中騎手にはどの厩舎が多くの騎乗依頼をしたのか、ベスト5を見てみよう。

まずルメール騎手のデータから。

ルメール成績,ⒸSPAIA

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2018年、最も騎乗依頼数が多かった厩舎は藤沢和雄厩舎の74回だった。続いて木村哲也厩舎が47回、国枝栄厩舎が34回と関東の厩舎からの騎乗依頼が上位を占めている。そして勝率、連対率も高い割合を記録している。

しかしここで注目してもらいたいのは、トップ5にはランクインしなかったものの18回の依頼で9位だった松田国英厩舎だ。勝率44.4%、連対率72.2%は驚異的な高さ。ルメール騎手に依頼するからには、勝負をかけているということだろう。

続いて浜中騎手のデータを見てみる。

浜中成績,ⒸSPAIA

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最も多かったのは牧田和弥厩舎の25回、次いで奥村豊厩舎の24回となっている。牧田厩舎は4勝と勝利数、勝率では好成績だが、やはり奥村豊厩舎の連対率37.5%は際立つ。データから浜中騎手×奥村豊厩舎は要注目だ。

藤沢厩舎は勝率、連対率ともに50%!

では、これらの厩舎は武豊騎手に騎乗依頼をしていたのだろうか。

武豊成績,ⒸSPAIA

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データ表を見ての通り、圧倒的に武豊騎手への依頼は少ないというデータが出ている。最も騎乗回数が多かったのは、藤沢和雄厩舎で6回のみだった。しかし、少ない騎乗機会にも関わらず3勝、3着が1回と極めて高い成績を記録している。それ以外は国枝厩舎で2着が1回あるのみで、松田国英厩舎に関しては騎乗依頼がなかった。

2019年、豊沢氏のつながりでこれらの厩舎からどれくらいの騎乗依頼が舞い込むのか要注目だ。そしてこれらの厩舎、特に藤沢和雄厩舎でルメール騎手から乗り替わりとなった際には、ルメール騎手に依頼するのと同じく、勝ち負けできる状態にある馬だと思ってもいいだろう。2015年以来となる年間100勝達成に期待が集まる。