瞬時に厩舎を見分けるのは至難の技
競馬を観戦する際に馬具に注目したことはあるだろうか。多くの厩舎は黒い頭絡(馬の頭から顎、頬、鼻の上にかかる革でできた馬具)や手綱を使用しており、どこの厩舎の馬なのか瞬時に判断するのは難しいだろう。そこで今回のコラムでは、瞬時に見分けがつく特徴ある厩舎を紹介しよう。
競馬を観戦する際に馬具に注目したことはあるだろうか。多くの厩舎は黒い頭絡(馬の頭から顎、頬、鼻の上にかかる革でできた馬具)や手綱を使用しており、どこの厩舎の馬なのか瞬時に判断するのは難しいだろう。そこで今回のコラムでは、瞬時に見分けがつく特徴ある厩舎を紹介しよう。
牝馬三冠を達成し、その後ジャパンカップを世界レコードで制したアーモンドアイ。そのアーモンドアイが所属する国枝栄厩舎は、白くて薄いシャドーロールが特徴だ。
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通常、シャドーロールは走る際に頭が高い馬などの矯正馬具として使用されることが多く、厚みがある。国枝厩舎の馬とピンクのシャドーロールの馬と比較するとその違いがよく分かるだろう。
しかし通常、国枝厩舎の馬は遠くからでも見分けやすいように目印としてシャドーロールを使用しているのだ。過去に牝馬三冠を達成したアパパネも同様のシャドーロールが印象的であった。
堀宣行厩舎は高級感あふれるキャメル色の馬具を使用している。以前は濃い茶色を使用していたが、2017年から一新された。
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光の加減で、遠くから見るとオレンジのように見える時もあるが、使い込めば使い込むほど味が出そうな革が使用されている。さすが一流厩舎だけあり、こだわりも強そうだ。
頭絡や手綱だけでなくバンテージまで同じ色に統一している厩舎も多い。その先駆けとなったのが赤の馬具で統一している森秀行厩舎だ。その森厩舎で技術調教師時代に研修を行った経験のある加藤征弘調教師も同じく赤い馬具で統一している。
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かなり細かいところまで見ないとわからないが、一見同じに見えるが頭絡のデザインなどに違いがあるので、両厩舎の馬が同じレースに出走している際にはチェックしてみてはどうだろうか。
またダート界を牽引するゴールドドリームを管理している平田修厩舎も、鮮やかなオレンジの馬具が一際目を引く。
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特にバンテージは蛍光のオレンジで遠くからでもすぐに見分けられる。平田調教師も森厩舎で調教助手をしていた経験があり、森イズムを引き継いでいる調教師だ。
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その他、白で統一している大久保龍志厩舎(バンテージのテープは青)、黄色で統一している高木登厩舎(バンテージのテープは黒)などがある。
このように厩舎によって、馬具に違いがあることを理解していただけただろうか。馬具に注目することで馬や厩舎を見分けることができるようになり、それが競馬を好きになることにもつながると考える。是非とも新たな視点に目を向け、今まで以上に競馬を楽しんでもらいたい。