「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

アドマイヤマーズとグランアレグリアに注目 適性分布図から見た朝日杯FS

アドマイヤマーズ,ⒸJRA
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸJRA

牝馬グランアレグリアが参戦

12月16日(日)に先週に引き続き、阪神芝1600mでGⅠ朝日杯FSが行われる。今年は牝馬のグランアレグリアが参戦することで、注目が集まっている。日曜日の天気予報は、曇り一時雨という予報が出ているが、馬場状態には大きな影響はなさそう。

そんな朝日杯FSについて、普段から馬場状態と上がりタイムに着目して競馬を楽しんでいる競馬好き編集部員が分析していく。

平均的で良好な馬場状態

先週12月8日・9日、阪神競馬場の芝コースでは11レースが行われた。そのうち、芝1600mで行われたのは3レースで、成績は以下の通りだ。

阪神1600m戦の表,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

ラセットが勝利した3歳以上1000万下のレースは7頭立ての少頭数で、800mの通過が49.5とスローペースだったため、勝ちタイムも1.35.6と遅かった。

しかし、それ以外の2レースを見ると、走破タイムはおおむね平均的で良好な状態だと言ってもいいだろう。上がりタイムも34秒前後と平均的だ。このことからも、各馬の能力が発揮しやすい馬場状態だと考察する。

推奨馬は3頭のみ

今回のメンバーでは重賞を勝利して挑むアドマイヤマーズ、グランアレグリア、ケイデンスコールの能力が抜けていると考える。これらの理由から推奨馬は3頭のみとした。

朝日杯フューチュリティステークス分布図,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

本命にしたいのは、牝馬のグランアレグリア。新馬戦では先週の阪神JFを制したダノンファンタジーに0.3秒差をつけて勝利している。勝ち時計も1.33.6とかなり優秀な時計で、その時点で大物牝馬として注目された。続くGⅢのサウジアラビアRCでも、出遅れて掛かり気味のレースになったにも関わらず、牡馬相手に0.6秒の差をつけて重賞制覇を果たしている。

以下の表から見ても、勝ちタイムの平均はアドマイヤマーズ、ケイデンスコールと比べて抜けている。

平均タイム,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

不安があるとすれば、初の長距離輸送があることと、前走で折り合いに難しさを見せた点だ。しかし、阪神JFにも出走できたが、先週は香港遠征で騎乗できなかったルメール騎手に継続して騎乗してもらいたいという思いを持ってして、一週ずらしてまで牡馬に挑む一戦。不安より期待の方が大きい。

続いて、分布図からは最も適性がうかがえたアドマイヤマーズ。全レースの平均の走破タイムと上がりタイムの比較から2番手評価とした。この馬の強みは先行力と勝負根性の強さだ。デビュー戦ではケイデンスコールと同じレースを走り、ゴール前で同馬に詰め寄られたが、抜かせることなく勝利した。

前走のGⅡデイリー杯2歳Sでも直線で並びかけられたが、勝負根性を見せて、最後は余裕のある勝利。切れ味は3頭の中では劣るものの、阪神コースは合っていそうなイメージがある。ゴール前で接戦に持ち込んで強みを発揮したいところだ。

ケイデンスコールは、切れ味はNo.1だろう。新馬戦こそアドマイヤマーズに敗れたが、上がり33.1の脚を使って、ハナ差まで迫る内容だった。その後きっちりと勝利を収めて、迎えた3戦目GⅢの新潟2歳Sでは、直線で豪快に追い込み、重賞を勝利している。その時の馬場は稍重だっただけに、もし今回が道悪になっても問題はなさそうだ。

初の右回りとなるが、1週前の調教ではCWコースで併せ馬を行い、いい動きを見せていた。後方で脚をためるのか、または2頭をマークする形で中団からレースを進めるのか、クリスチャン・デムーロ騎手の乗り方にも注目したい。