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【動画あり】日本馬は惜しくも優勝ならず 香港国際競走回顧

ピンクのメンコした馬,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

日本馬は3つのレースで2着に

12月9日、香港・シャティン競馬場で香港国際競走が行われた。当日は15℃と肌寒く、曇り空の一日だったが、シャティン競馬場はファンの熱気に包まれた。日本馬はヴァーズ、マイル、カップの3レースで2着となるなど、惜しくも残念な結果となった。今回のコラムでは映像とともにレースを振り返る。

香港では馬名が漢字で表記され、その由来は英語名の意味を表す漢字、発音に合わせた漢字の2パターンに分けられる。それを楽しみながらレースを観てみるのも面白い。

リスグラシュー、惜しくもクビ差届かず

芝2400mで争われた香港ヴァーズはパートン騎手が騎乗し、道中2番手から抜け出した香港代表エグザルタント(時時精綵)が勝利した。

注目されたリスグラシュー(雍容白荷)は後方3番手からレースを進め、ラスト2Fでメンバー中最速の22.88という脚を使って、一瞬交わすかと思わせるところまで追い詰めたが、クビ差の2着という悔しい結果となった。同じく日本から参戦したクロコスミア(火星花)は果敢に逃げたものの、10着に終わっている。

主役の座は譲らない

続いて行われた香港スプリントは、道中3番手を追走した昨年の覇者、ミスタースタニング(紅衣醒神)が優勝。注目された10戦9勝の上がり馬ホットキングプローン(旺蝦王)に主役の座は譲らない、と言わんばかりのレースぶりだった。


そのホットキングプローンは、3コーナー過ぎからハナに立ったものの、外からアイヴィクトリー(天下為攻)に迫られ、直線で失速して9着に終わった。

2着にはディービーピン(翩翩)が入り、昨年と同じ1、2着の決着となった。3番人気に推されたファインニードル(鐵杵成針)は先行したものの、香港勢の強さに屈する形で8着だった。

昨年の年度代表馬が圧倒的な強さを見せつける

香港マイルは2017-18シーズンの年度代表馬ビューティージェネレーション(美麗傳承)が圧倒的な力の差を見せつけて勝利した。3コーナー手前でハナに立つと、直線ではぐんぐんと引き離し、最後は余裕たっぷりで着差以上の完勝。パートン騎手はこの日、2つ目のGⅠ勝利となった。


大混戦の2着には、今回が引退レース予定のヴィブロス(強擊)。中団を追走し、直線では外から追い込んだものの、勝ち馬があまりにも強すぎた。2番人気のペルシアンナイト(波斯劍客)と3番人気のモズアスコット(魔族雅谷)は後方から追い込んではいるものの、5着、7着という内容だった。

兄弟で同一GⅠ連覇達成

メインレースの香港カップは、逃げたグロリアスフォーエバーがそのまま押し切りGⅠ初制覇を飾った。


全兄は同レースにも出走し、3着となった昨年の優勝馬タイムワープ(馬克羅斯)。兄に続き、兄弟で同一レース連覇という快挙を成し遂げた。道中はこの2頭が後続を引き離し、飛ばし過ぎかと思われたが、1200mの通過タイムは1.14.62と実はスローペースだった。騎乗していたデソウサ騎手がつくった絶妙なペースが逃走劇を生み出した要因だろう。

日本から参戦し、注目された1番人気のディアドラ(迪雅卓)は後方から追い込んだものの、2着までが精いっぱい。2番人気のサングレーザー(白日彗星)は4着という結果に終わっている。

今年の香港国際競走は全てのレースで香港馬が勝利するという結果となり、日本馬にとっては非常に悔しい結果となった。これで2018年の主な国際競走は終了となった。日本馬の海外での国際GⅠは未勝利という一年に終わったが、2019年こそは再びその活躍が見られることを期待したい。