2019年6月まで香港で騎乗が決定
香港の多くの競馬ファンが彼の復帰を待ち望んでいた。7月に香港での騎乗を終了し、日本での通年騎手免許取得のため来日していた、ジョアン・モレイラ騎手が11月18日に香港に帰ってきたのだ。
8月に札幌での騎乗を終えた後も日本に滞在して、勉強を続けてきたものの、残念ながら今年はその夢をかなえることができなかった。そこで、モレイラ騎手は12月9日までの日本での短期免許を終了した後、再び香港で騎乗することを選択。ジョン・サイズ厩舎と来年6月9日まで半年間の騎乗契約を結んだ。
期待に応える3連勝、重賞まで制覇
香港の競馬ファンは、待ち望んでいた復帰に大興奮。モレイラ騎手は10レース中9レースに騎乗し、そのうち6レースでサイズ厩舎の馬に騎乗した。
8レースに行われた香港スプリントの前哨戦、ジョッキークラブスプリント(GⅡ)では、騎乗したホットキングプローンを見事重賞制覇に導いた。
それだけで終わらないのが、モレイラ騎手のすごいところ。なんと、続く9、10レースでも勝利し、3連勝でファンの期待に応えてみせた。
日本での短期免許もあとわずか
その後、香港ジョッキークラブと契約したという現地報道があり、2019年のJRA試験は受験しないと伝えられたが、後日モレイラ騎手本人が6月までの契約は全うするが、その後は未定とコメントしている。
いずれにしても今年、モレイラ騎手の騎乗が日本で見られるのは、翌日は香港国際競走があるため、最長でも12月8日までだろう。土日とも騎乗できるのは今週が最後。次に短期免許で来日するのは来年の夏以降となりそうだ。
ほかの騎手が騎乗して全く走らなかった馬でも、モレイラ騎手が乗ると走ってしまう。それが人々から”マジックマン”と呼ばれるゆえんだ。テレビでの映像はもちろんのこと、実際に競馬場での騎乗を見ると、人々はその姿に魅了される。加えて愛嬌のある笑顔と温厚な人柄、それら全てが日本、香港、そして世界中の競馬ファンを虜にしているのだろう。
鞍にも注目!
余談にはなるが、パドックで応援する時は鞍にも注目してほしい。負担重量の軽い馬に騎乗する際には、非常に小さい鞍を使っているのだ。一般的な鞍と比べるとその違いがよく分かる。
ⒸSPAIA
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JRAで公表しているモレイラ騎手の体重は52kg。負担重量が軽い馬に騎乗するには、余分な重量は削ぎ落とさなければならない。通常は騎手自身が減量を行うが、モレイラ騎手は可能な限り減量を少なくし、馬具を軽量化することで調整していると考えられる。このように少し変わった視点で、競馬を見るのも面白いだろう。