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馬場傾向からはステルヴィオとペルシアンナイトか マイルCSのすすめ

マイルCS分布図,ⒸSPAIA
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馬場状態は良または稍重か

馬券を買う上で、馬場状態は重要なファクターのひとつ。開催が続き、馬場状態も刻々と変化するため、見極めることが大切だ。普段から馬場適性に着目して競馬を楽しんでいる競馬好き編集部員が、18日(日)京都競馬場で行われるマイルチャンピオンシップ(GⅠ・芝1600m)出走馬の上がりタイムと、これまでの戦績をもとにレースを分析する。

今週末の天気予報を見てみると、土曜日に一時雨の予報が出ているが、日曜日は晴れ予報のため回復が予想される。馬場状態は良、悪くても稍重までだろう。

そしてもう一つ押さえておきたいポイントは、今週から仮柵が内から7メートルの所に設置されるCコースに変更されるという点だ。傷みが見られた内側を使用しないため、展開次第では時計、上がりとも先週より速くなる可能性も考えられる。

先週末は時計、上がりとも遅い傾向

それらを踏まえた上で、まずは先週10日(土)と11日(日)に京都の芝コースで行われたレース結果を見てみよう。 先週末、京都の芝コースで13レースが行われた。土曜日の5レースまでの3レースは稍重で行われたが、その後は良馬場に回復している。しかし全体的に2週前と比べて時計がかかっており、マイルCSと同じ芝1600mでは4レースが行われたが、最も速い時計でも1.35.0かかっていた。

また上がりタイムを見ても、全レースの上がり平均タイムは34.6、稍重だった3レースを除いた良馬場のレースでは、34.5という数字だった。33秒台をマークしたのはいずれも重賞の2レースで、エリザベス女王杯で33秒台の上がりを使ったのは、優勝したリスグラシューのみだった。

条件に合致するのは2頭

Cコース替わりと、先週の重賞では33秒台の上がりが記録されたという2点から、マイルCSの馬場はやや時計がかかり気味だが、上がりは堅実に33秒台の脚を使える馬が好走するのではないかと考える。そこでその条件に合致する馬は、ステルヴィオとペルシアンナイトの2頭だ。

マイルCS分布図

馬の名前

ステルヴィオはこれまで重賞マイルでは、昨年のサウジアラビアRCと朝日杯FSでともに2着という実績がある。いずれの勝ち馬も2歳王者ダノンプレミアムだったということもあり、力があることは実証済み。

時計が2歳時で、1.33.9、1.33.3という好時計で走っていることに加え、3月には時計のかかる中山コースでも重賞勝ちがあることから、仮に稍重になっても今の京都の馬場は問題ないだろう。

ステルヴィオ写真

ⒸJRA


またマイル戦での、良馬場と稍重時の上がり3F平均は33.8も条件にぴったり当てはまる。ややエンジンのかかりが遅い面はあるが、今週から4年ぶりに日本での短期免許で騎乗するビュイックの手綱さばきにも期待したい。

ペルシアンナイトは昨年の優勝馬。昨年は稍重で1.33.8、上がり33.9を使い勝利しているが、今年もほぼ同等の馬場レベルでのレースが予想される。同馬はどちらかといえば、雨を味方にできるタイプだ。

近2走の敗戦は、いずれも1.32.2、1.31.7、と同馬にとっては時計が速すぎる決着で、今回の舞台では巻き返しが必至だ。大舞台に強い鞍上とともに1年ぶりの勝利となるか。

ジャンダルムはマイル適性が高い

もちろん春のマイル王、モズアスコットも怖い存在だ。この馬の特徴は速い時計に強く、長くいい脚を使う点だ。マイル戦での平均タイムは1.32.5と他の馬より早いが、上がりタイムの平均は33.9 とすごい数値が出ているわけでもない。しかし、近走32秒台の脚を使うなど成長は著しいことからも、能力の高さであっさりと春秋マイルGⅠを制覇しても不思議はない。

マイルCS上がり時計

穴候補としては3頭を取り上げる。まずロジクライ。マイルでの上がり平均は34.8と遅いが、前走の富士Sでは東京で1.31.7の時計で勝利したほか、力の要る馬場でも好走経験があり、まさに充実期を迎えている。同型のアエロリットも出走するが、2〜3番手から運び、ロングスパートが生きる流れになれば、馬券に絡んでくるだろう。

ジュールポレールは、今年のヴィクトリアマイルを制した春のマイル女王。その時は稍重馬場だった。牡馬相手、そして直前での乗り替わりなど不安要素もあるが、一発があるかもしれない。

最後にジャンダルム。マイル戦は3戦2勝で、昨年のデイリー杯2歳Sを勝っている。その後は長い距離に使われたこともあったが、ベストはマイルだろう。その理由として、平均の上がりタイムを比較してみると、全体では34.7なのに対し、マイルでは34.0と0.7秒も差がある。これはマイル戦により適性があることを意味する。時計面や力関係など不安要素はあるが、試金石となる一戦だ。