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馬場適性が高い3歳馬カンタービレ 先週の馬場傾向から考察するエリザベス女王杯

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馬場状態の見極めが必要

馬券を買う上で必要な情報の一つが馬場状態。そこで、普段から馬場適性に着目して競馬を楽しんでいる競馬好きSPAIA編集部員が、先週11月3日(土・祝)と4日(日)に京都競馬場の芝コースで行われたレース結果と出走馬の過去の成績から、11日(日)に京都競馬場で行われるエリザベス女王杯(GⅠ・芝2200m)出走馬の馬場適性について分析する。

上がり3Fの平均は34.4

先週、京都競馬場の芝コースで争われたレースは13レースで、馬場発表は全て良馬場だった。そこから見えてきた結果は次の2つだ。

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ⒸSPAIA

まず、全体的な勝ち時計は平均的からやや掛かり気味だということが言えるだろう。

詳しくみると、芝2000m戦が3レースあり、いずれも2歳戦や500万下の下級条件であったものの、最も速い決着でもハイヒール(牝3、栗東・清水久詞厩舎)が勝った3歳以上500万下の2:01.2となっている。

その一方で1000万下の1800m戦、近江特別は1000m通過が59.5と淀みのない流れとなるなか、先行したジークカイザー(牡5、栗東・池江泰寿厩舎)が1:45.7という時計で勝利しており、GⅠのエリザベス女王杯もペース次第では、好時計のレースになる可能性もある。

続いて先週行われた芝レースの上がり3Fの平均は34.4。33秒台の上がりを記録したのは、いずれも少頭数のスローペースのみだった。これらの情報を踏まえたうえで、エリザベス女王杯に出走する馬の中で、上位人気になりそうな馬の適性について見てみよう。

今の馬場状態に適しているのはカンタービレ

今回取り上げるのは、以下の5頭。

昨年の覇者モズカッチャン(牝4、栗東・鮫島一歩厩舎)。

マジックマンことジョアン・モレイラを鞍上に悲願のGⅠ制覇を目指すリスグラシュー(牝4、栗東・矢作芳人厩舎)。

秋華賞3着から挑むカンタービレ(牝3、栗東・中竹和也厩舎)。

前走の京都大賞典で強力な牡馬を相手2着と好走したレッドジェノヴァ(牝4、美浦・小島茂之厩舎)。

すでに今秋GⅠ4勝のルメールとのコンビで参戦するノームコア(牝3、美浦・萩原清厩舎)。

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ⒸSPAIA

今の京都競馬場の馬場状態に適している馬としては、カンタービレを推奨したい。

カンタービレの良馬場上り平均は

カンタービレ全7走の平均上がりタイムは34.7と先週の平均よりは遅いものの、京都競馬場での成績は1,1,1,0と3着を外していない。また今春使われた5レースの上がりはデビュー戦の34.2が最速だったが、夏休みを挟んでの近2走は、いずれも33秒台の末脚を繰り出しており、成長の跡が伺える。

さらに前走の秋華賞では初めて後方からのレースになったが、3着とレースぶりに幅も出てきた今なら、古馬相手にもその能力は通用するはずだ。

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モズカッチャンは昨年の同を勝利しているように、能力と距離適性はNo.1だろう。良馬場で走った6走の平均は34.6とカンタービレとほぼ同じ数字となっているが、より力のいる馬場を得意としている特徴があるため、時計が速くなった時には不安が残る。

リスグラシューは、良馬場で走った12レースのうち8回33秒台の末脚を見せている。平均は33.7とこの中では最も速い。軽い馬場の方がベターではあるが、京都コースも得意としていることからも侮れない存在だ。

ノームコアはキャリアが5戦しかなく平均の上がりも34.9と遅いが、前走の上がりは33.6、勝ち時計1:58.0は圧巻だった。まだ未知な面が多いが、京都の外回りコースも向いてそうだ。

レッドジェノヴァは良馬場で9レース走り、上がり平均が35.3と遅いが、北海道の洋芝で走った3レースも含まれているため、それを加味して考えなければならない。牡馬相手に見せた前走の強さは、ここに入っても引けを取らない。時計が掛かる馬場になれば、怖い存在だ。