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丹内祐次騎手が前年比36勝増の100勝超ペース 2025年上半期「躍進した騎手、低迷した騎手」

2025 7/3 17:00鈴木ユウヤ
2025年上半期 「躍進した騎手、低迷した騎手」,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

2025年上半期に躍進した騎手

暦が7月に入り、2025年の中央競馬もちょうど半分の日程を消化した。つまり現時点での数字を2倍にすると、ケガや海外遠征といった個別具体の事情はさておき、各ジョッキーのおおまかな年間成績が推測できる。

そこで今回は「躍進した騎手、低迷した騎手」と題し、昨年よりハイペースで勝っている騎手、反対にペースが鈍化してしまった騎手をそれぞれチェックしよう。


大躍進の丹内祐次騎手

前年比で勝利数増が予想される騎手,ⒸSPAIA

<前年比で勝利数増が予想される騎手>
・丹内祐次騎手
53勝(年間106勝ペース)/前年70勝/推定前年比+36

・幸英明騎手
37勝(年間74勝ペース)/前年44勝/推定前年比+30

・小沢大仁騎手
27勝(年間54勝ペース)/前年24勝/推定前年比+30

・横山典弘騎手
23勝(年間46勝ペース)/前年19勝/推定前年比+27

・横山琉人騎手
20勝(年間40勝ペース)/前年15勝/推定前年比+25

・吉村誠之助騎手
29勝(年間58勝ペース)/前年33勝/推定前年比+25

実は前年からの伸びが最も大きい騎手はD.レーン騎手(昨年2勝→本年29勝)になるのだが、さすがにこれは別枠。JRA所属騎手に限った1~5位(6名)をピックアップし、馬券的な狙い目も添えていく。

■丹内祐次騎手
上半期で53勝を挙げ、キャリアハイだった昨年からさらに+36勝のペースで勝ち星を積み上げた。この勢いを落とさなければ年間100勝に手が届く。

勝利数の内訳は主要4場(東京、中山、阪神、京都)で計9勝に対し、ローカルで44勝。特にローカルの芝1200mで【13-5-11-38】複勝率43.3%と頼もしく、新馬と単勝オッズ100倍以上の超人気薄を除くと【13-5-11-27】複勝率51.8%、複回収率128%まで上昇する。先日の函館スプリントSでも10番人気ドンアミティエで3着と穴を開けた。

■幸英明騎手
2021年に自己最多の81勝を挙げてから3年連続で勝ち星を落としていたが、今期はV字回復の予感を示す。

なかでも「ダートの8枠」では【5-6-2-17】複勝率43.3%を誇り、当該条件で現在6戦連続連対中だ。

■小沢大仁騎手
デビュー5年目の若手がここにランクイン。既に昨年を超える27勝を挙げ、ルーキーイヤーに記録したキャリアハイ(31勝)も更新ほぼ確実となっている。

今年はOP以上で【0-0-0-18】と馬券に絡めていないが、条件戦の芝2000m以上なら【7-5-9-41】複勝率33.9%で単回収率178%、複回収率135%をマーク。ぜひ覚えておきたい。

■横山典弘騎手
今年は昨年比+27勝ペース。昨年は日本ダービー制覇こそあったが、勝利数はルーキーイヤーに次いで少ない19勝に終わっていた。57歳を迎えたシーズンで大幅に盛り返すのだから、さすがというほかない。

勝利数の内訳は芝13勝に対しダート10勝だが、好走率と回収率で見るとダート1600~1800m【7-8-2-24】複勝率41.5%、複回収率144%にツボがある。

■横山琉人騎手
すでに20勝を挙げ、早々と昨年の数字を突破して上半期を終えた。所属する相沢郁厩舎の馬で【5-3-1-37】複勝率19.6%、単回収率165%に複回収率127%をマークしている。

■吉村誠之助騎手
この春はランスオブカオスでチャーチルダウンズC、カナルビーグルでユニコーンSを制し、安田記念でもガイアフォースを2着に導いた。

まだ平場で減量特典のつくジョッキーだが、特別戦でも成績が落ちないのが特徴。特にOP以上で【3-2-2-21】複勝率25.0%、単回収率138%で複回収率123%と大舞台で結果を残した。


ルメール騎手は前年比で58勝ダウン予測

前年比で勝利数減が予想される騎手,ⒸSPAIA

<前年比で勝利数減が予想される騎手>
・C.ルメール騎手
59勝(年間118勝ペース)/前年176勝/推定前年比-58

・川田将雅騎手
54勝(年間108勝ペース)/前年141勝/推定前年比-33

・西村淳也騎手
25勝(年間50勝ペース)/前年81勝/推定前年比-31

・鮫島克駿騎手
36勝(年間72勝ペース)/前年99勝/推定前年比-27

・西塚洸二騎手
13勝(年間26勝ペース)/前年45勝/推定前年比-19

反対に、前年比で勝利数ダウンが予測されるジョッキーもざっと見てみよう。

■C.ルメール騎手
上半期は59勝止まり。それでもリーディング3位と十分すぎる活躍だが、176勝の昨年に比べると-58勝ペースとなっている。

年初からインドやドバイ、アメリカ、オーストラリアなど遠征が多かった分、騎乗数も確かに減っているが、勝率も前年29.8%→本年24.5%とやや下降。とはいえこの勝率は一昨年(24.8%)とほぼ同水準で、今年が不調というより、良すぎた去年から平常運転に戻ったと解釈するのが妥当だろう。

■川田将雅騎手
ここまで54勝で、このまま行くと前年比-33勝ペース。ルメール騎手と違って騎乗数は減っておらず、シンプルに勝率が29.3%→22.2%と下がった。

昨年は(海外遠征などJRAで騎乗しなかった週を除き)0勝で終わった週が1度しかなく、それも1鞍騎乗後に負傷で乗り替わったものだった。それに対し、今年は週間0勝が既に4度ある。気がかりな変化だ。

■西村淳也騎手
皐月賞の週を最後に騎乗しておらず(公式発表はないが落馬負傷の影響と思われる)、これは仕方ない。復帰を待ちたい。

■鮫島克駿騎手
昨年はキャリアハイとなる99勝をマークしたが、勝率を見ると昨年11.6%が今年は8.6%にダウンしている。

■西塚洸二騎手
こちらは昨年12月に落馬負傷し、年初から1か月半ほど休養があった。勝率自体はほとんど下がっていない。

《ライタープロフィール》
鈴木ユウヤ
東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、Xやブログ『競馬ナイト』で発信している。好きな馬はショウナンマイティとヒガシウィルウィン。

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