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【函館記念】重賞実績と比較的軽めのハンデ 東大HCの本命はマコトヴェリーキー

函館記念の好データ(過去10年)
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ⒸSPAIA

名物ハンデ重賞が6月に

日曜日、函館競馬場でGⅢ・函館記念が行われる。唯一の重賞勝ち馬アルナシーム、重賞で連続好走中のマコトヴェリーキー、天皇賞(春)こそ大敗したが3勝クラスで圧勝したハヤテノフクノスケ、昨年の2着馬グランディア、同3着アウスヴァールなど14頭が出走予定だ。

これまではサマー2000シリーズ2戦目の位置づけだったが、今年からこの時期に移動してその開幕戦となる。巴賞組がいなくなり、予想の困難さがさらに上がったのは間違いない。果たして今年も波乱の決着となるのだろうか。過去10年のデータから検証する。

長距離、洋芝実績を重視

函館記念の条件別成績,ⒸSPAIA


<函館記念 条件別成績>
距離短縮
【2-4-2-20】勝率7.1%/連対率21.4%/複勝率28.6%
同年or前年に2100m以上で3着内歴あり
【5-6-5-39】勝率9.1%/連対率20.0%/複勝率29.1%
距離延長
【5-5-3-70】勝率6.0%/連対率12.0%/複勝率15.7%
同年or前年に函館か札幌で連対歴あり
【3-5-3-49】勝率5.0%/連対率13.3%/複勝率18.3%

函館記念は長距離路線からの参戦が多く、そして結果を残しているのが特徴だ。距離短縮組は【2-4-2-20】で、複勝率は延長組、同距離組よりも高い。

特に天皇賞(春)組は【1-1-1-5】。馬券圏内の3頭は全て前走2桁着順からの巻き返しであった(17年ヤマカツライデン15着→3着、タマモベストプレイ13着→2着、22年ハヤヤッコ15着→1着)。前走11着のハヤテノフクノスケは完全に合致しており、人気馬の中でデータの裏付けがある馬といえそうだ。

「同年or前年に2100m以上で3着内歴があった馬」は【5-6-5-39】複勝率29.1%、単勝回収率210%、複勝回収率174%の好成績。2桁人気でも【1-3-1-20】で4度の連対例がある。今年はアウスヴァール、ヴェローチェエラ、キミノナハマリア、ディマイザキッドらが合致するデータだ。

距離延長組は大半が今年いない巴賞組【2-4-1-48】であるが、それを除いても短縮組には劣る。レース別で見ると前走エプソムCが【2-1-0-8】。レコード決着の差し競馬を先行したトップナイフがいる。

最後に洋芝実績についても見てみたい。「同年or前年に函館か札幌で連対例あり」の馬を調べると【3-5-3-49】。これ自体は特筆するデータにならないが、注目したいのは人気薄の成績。7番人気以下だと【0-5-2-25】で複勝率21.9%、複回収率173%だ。ヴェローチェエラ、キミノナハマリアは穴馬として押さえておきたい。

ただし前年の函館記念連対馬は【0-0-0-10】と意外にも全滅。函館記念出走経験がある馬全体で見ても、のべ28頭のうち、前回より着順を上げたのは5例しかない。アウスヴァール、グランディアの後追いはおすすめできない。その他アルナシーム、サンストックトン、トップナイフに函館記念出走経験がある(全て馬券圏外)。

この相手関係なら

◎マコトヴェリーキー
デビューから長らく2000~2400mを使われており、中距離の中でもやや長めの距離適性に期待。今年初戦の京都記念では3着。勝ち馬ヨーホーレイクは大阪杯3着、リビアングラスも日経賞4着、宝塚記念7着と重賞戦線でしっかり戦っている。阪神大賞典では勝ち馬サンライズアース(次走天皇賞(春)4着)には離されたものの2着。中~長距離重賞で上位の実力がある。重賞実績に比して57キロと比較的ハンデが軽めな点も嬉しい。

◯ハヤテノフクノスケ
3歳時にはダノンデサイル、アーバンシックで決着した京成杯で4着がある(3着コスモブッドレアも現オープン馬)。4歳になってからの条件戦はそれぞれ0秒7、0秒9差の圧勝。3勝クラスで破った2着ミステリーウェイ、3着のサンライズソレイユはどちらも既に3勝クラスを突破している。

前述の通り函館記念では天皇賞(春)大敗馬が好走しており、前走の敗戦は問題ない。函館の経験はないが、昨年夏は札幌を3戦して1着、4着、2着と悪くない成績だ。古馬中距離重賞は初めてで未知数な部分はあるが、通用するだろう。

▲キミノナハマリア
直近の成績は振るわないが、函館では新馬戦と3勝クラスで2戦2勝。特に3勝クラスでは後に日経賞を勝つマイネルエンペラーを下している。札幌でも札幌日経オープン3着の実績がある。それに関係して夏の成績が良く、7、8月は複勝率100%、9月9日の紫苑S4着の実績もある。一方で春先に弱い傾向があり、4、5月は【0-0-0-4】で全て2桁着順だった。「夏は牝馬」の一発に期待してみたい。

以下ボーンディスウェイ、トップナイフ、ヴェローチェエラまで印を回す。馬券は◎、▲の単勝、◎◯-6頭の馬連で勝負する。

▽函館記念予想▽
◎マコトヴェリーキー
◯ハヤテノフクノスケ
▲キミノナハマリア
△ボーンディスウェイ
×トップナイフ
×ヴェローチェエラ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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