参考レース振り返り
6月15日(日)に阪神競馬場で行われるのは宝塚記念(GⅠ・芝2200m)。暑熱対策や梅雨の影響も考慮されて、今年は日程が2週前倒しとなった。昨年の京都開催も含めた過去10年のデータとともに主な参考レースを振り返る。
なお、データランクは好走率や勝利数をもとに、レースレベルはレーティングや出走馬の成績などを考慮してランク付けしている。
6月15日(日)に阪神競馬場で行われるのは宝塚記念(GⅠ・芝2200m)。暑熱対策や梅雨の影響も考慮されて、今年は日程が2週前倒しとなった。昨年の京都開催も含めた過去10年のデータとともに主な参考レースを振り返る。
なお、データランクは好走率や勝利数をもとに、レースレベルはレーティングや出走馬の成績などを考慮してランク付けしている。
過去10年の成績【2-1-1-6】勝率20.0%、連対率30.0%、複勝率40.0%
・クロノジェネシス(2021年)、イクイノックス(2023年)が勝利
【2025年レース回顧】
出走9頭のうち、日本調教馬4頭が出走したドバイシーマクラシック。レースはシンエンペラーがハナを奪うも、向正面に入ったところで3番手を追走していた前年の覇者レベルスロマンスが主導権を奪った。そのまま直線に向いたが、道中5番手から運んだダノンデサイルが残り200mで先頭に躍り出るとそのまま押し切り。勝ちタイム2:27.05で決着した。
昨年のジャパンC2着以来の出走となったドゥレッツァは、スタート直後からシンエンペラーの直後を追走。レベルスロマンスが動いてからは3番手をキープした。ダノンデサイルや、2着に入ったフランス調教馬でこの路線を代表するトップホース、カランダガンの切れ味には屈したが、しぶとさを活かして3着。勝ちきれないレースが続くが、阪神芝2200mの条件は向きそう。強敵を相手しての内容は素直に評価したい。
過去10年の成績【3-3-3-30】勝率7.7%、連対率15.4%、複勝率23.1%
・最多勝利
・直近では2024年ブローザホーンが優勝
・複回収率101%
【2025年レース回顧】
1周目の坂の登りで先頭に立ったジャンカズマが主導権を握り、最初の1000mを1:00.7で通過。2周目に入ったところでマイネルエンペラーに先頭が入れ替わり、後方からジャスティンパレスも進出を開始してレースが動いた。6、7番手から流れに乗ったヘデントールは、最後の直線で外から伸び、ゴール前はビザンチンドリームの追い上げをアタマ差封じてGⅠ初制覇。勝ちタイムは3:14.0だった。
ショウナンラプンタは8番手追走から、徐々にポジションを押し上げて2周目4角では大外の3番手。最後は脚色が鈍り、2着ビザンチンドリームから3馬身離されての3着に終わった。
6着ジャスティンパレスは12番手からレースを進めたが、2周目3角で一気に3番手まで動いた。結果的に脚を使い切ってしまい最後の直線では伸びを欠いた。
シュヴァリエローズも中団を追走。レースが動いたところで鞍上の北村友一騎手がムチを入れながら流れに乗ったが7着だった。
10着プラダリアは序盤、2番手につけて先行したが、2周目4角で後退。距離が長かったように感じる。
過去10年の成績【2-3-2-21】勝率7.1%、連対率17.9%、複勝率25.0%
・直近の優勝は2020年クロノジェネシス
・2024年は2着ソールオリエンス、3着ベラジオオペラと好走
【2025年レース回顧】
スタートで出遅れたデシエルトが1~2角でハナを奪い、後続を5馬身以上引き離して1000m通過57.5というペースを刻んだ。4番手のインで流れに乗ったベラジオオペラは力強い末脚で抜け出すと、後続の追い上げを封じて連覇を達成。勝ちタイムは1:56.2でレコード決着となった。200mの距離延長となるが、引き続き、得意とする阪神コースでGⅠ連勝を狙う。
ロードデルレイは道中8番手を追走。終始外を回す形ながら、ゴール前は1完歩ずつベラジオオペラに迫ったものの1馬身及ばずの2着だった。相手はさらに強くなるが、上位争いできるだけのパフォーマンスは示したと言えるだろう。
ヨーホーレイクはスタート直後に躓き、後方2番手からのレースとなった。インで脚を溜め、直線は馬群を捌いてベラジオオペラと0.3秒差の3着。今回はスタートを決めて流れに乗りたいところだが、200mの距離延長にも不安はなく条件は合いそう。
8着ボルドグフーシュは中団やや後ろのインを追走し、直線も進路が狭くなりかける場面もあったなか0.6秒差。今回距離延長となるのはプラス材料だ。
ソールオリエンスは道中、最後方追走から直線だけ外に持ち出されたが0.7秒差の10着。現状では雨で少し時計がかかってほしい。
過去10年の成績【0-0-0-1】勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率0.0%
・2018年キセキ(8着)以降出走なし
【2025年レース回顧】
レースは好スタートを切ったバビットが逃げる展開となり、スローペースで流れた。3番手の外を追走していたマイネルエンペラーは、残り600m手前で早くも鞍上の手が動き始めたが、後続の追い上げを凌ぎきって重賞初制覇。勝ちタイムは2:36.1、稍重馬場でラスト12.3-12.2-12.7(37.2)という消耗戦だった。
2着に入ったチャックネイトは中団で脚を溜める競馬。直線も馬群の真ん中を割って前に迫ったが、マイネルエンペラーにはクビ差及ばなかった。不良馬場だった2024年のAJCCを制するなど道悪巧者。雨が降れば警戒したい存在だ。
1番人気に推されたアーバンシックは、チャックネイトのすぐ外というポジションにつけた。直線も外に進路をとって伸びたが、こちらも2着にはクビ差及ばずの3着。タフな馬場も多少影響したのかもしれない。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
2番手から運んだリビアングラスはさらにクビ差遅れた4着。切れる脚は使えないが、上がりのかかる条件は合う。
過去10年で出走なし
【2024年レース回顧】
ハナを奪ったのはダノンデサイル。700m〜1100mのラップは12.4-13.3とペースが落ちる超スローペースとなった。最後まで粘ったダノンデサイルだったが、ゴール前は好位で足を溜めていたレガレイラと、中団から外を回して伸びたシャフリヤールの追い比べとなり、ハナ差で3歳牝馬のレガレイラが勝利した。休み明けの一戦となるが、今回も好位から流れに乗りたいところだ。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ダノンベルーガは、最後方追走から最後の直線は大外に持ち出されて伸びたが、レガレイラから0.7秒差の9着。やや物足りない成績が続いている。
《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。
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