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【かしわ記念回顧】シャマルが連覇達成 川須栄彦騎手「負けてたまるかという気持ちでした」

2025 5/6 12:05三木俊幸
2025年かしわ記念勝ち馬シャマル,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
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ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

「息を合わせることだけに集中」

春のダートマイル王決定戦・かしわ記念(JpnI・船橋ダ1600m)が5日、出走馬10頭によって争われ、川須栄彦騎手騎乗の2番人気シャマルが勝利。同レース連覇を達成した。

かきつばた記念を使って黒船賞を勝利、その後かしわ記念へという臨戦は昨年と同じ。同型ウィリアムバローズとの先行争いにも注目が集まっていたが、川須騎手は「あまり他馬のことは気にせずに、とにかくシャマルと息を合わせることだけに集中していました」と2番手からのレースを選択した。

12.8-12.5-12.4-12.6とペースは落ち着き、800m通過は50秒3。勝負所でペースが上がり、前2頭がほぼ並ぶ形で直線に向いたが、前半で楽をしていた分ウィリアムバローズもしぶとく粘る。

それでも「負けてたまるかという気持ちでした」という川須騎手の強い気持ちとアクションに応えたシャマルは残り50mで前を捉え、先頭でゴール板を駆け抜けた。勝ちタイムは1:39.2だった。

2年前には競走中止や除外が続いて順調さを欠いた時期もあったが、川須騎手とのコンビが復活した昨年からは再び軌道に乗り、7歳を迎えてもまだまだ充実している。

レース後、引き上げてきた際には場内から川須コールも沸き起こるなどファンも多い。次走はさきたま杯(6月25日/JpnⅠ・浦和ダ1400m)に向かいたいとのことで、3つ目のGⅠ級タイトル獲得が期待される。


2025年かしわ記念 シャマルと川須栄彦騎手,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


1番人気コスタノヴァは3着

半馬身差で敗れたウィリアムバローズは上手くマイペースに持ち込み、坂井瑠星騎手も完璧に騎乗した。陣営にとっては悔しいが、全て出し切った結果と言っていいだろう。

今年のフェブラリーSの覇者コスタノヴァは単勝1.5倍の断然人気を集めていたが、3着に終わった。あまり良いスタートではなく出遅れ、道中は5番手を追走。ペースが上がった3角で内に進路をとり、上がり最速36秒2の末脚で前を追ったが3着まで。実績最上位のGⅠ馬と言えど、このペースで前を捉え切るのは容易ではなかった。


2025年かしわ記念 コスタノヴァとD.レーン騎手,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)



3番人気ロードフォンスは3番手の外から上手く運んだが、最後はコスタノヴァから半馬身遅れた4着。しかし、これがキャリア初の1600m戦でGⅠ級のレースということを考慮すると内容は悪くなく、今後に向けても得るものはあったと言えるだろう。

《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。

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